バーミヤンは首都圏を中心に、日本各地で気軽に中華料理を楽しめるレストランとして知られています。
同レストランのメニューは、中国人にとっても、一般的中華料理という印象を与えるのでしょうか。日本と本場の中華料理はどの点で異なるのかについても紹介します。
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バーミヤンの歴史や特徴は?
バーミヤンは関東や関西を中心に中華料理を提供しているレストランです。ここではバーミヤンの概要、店名の由来、サービスについて解説します。
お店の概要
バーミヤンは、すかいらーくグループの子会社である「株式会社すかいらーくレストランツ」が運営する中華レストランです。1986年に、東京都町田市の鶴川店を第1号店として誕生しました。
公式サイトによれば、関東や関西を中心に、2020年3月31日現在337店舗を展開しています。
ラーメンなどの一品料理、定食、宴会コース、スイーツ、キッズメニューなどさまざまな人々のニーズに応じたメニューを展開しているため、幅広い年齢層に人気の中華レストランです。
店名の由来となったのは、アフガニスタンの古都バーミヤンです。かつてバーミヤンはシルクロードの中継地であり、キャラバンの休息地、東洋と西洋の交流都市として繁栄しました。中華料理を通じて人々の憩いの場でありたい、人と人を結びつける中継地でありたいという思いを込めたといいます。
サービス:テイクアウトやデリバリー、レジ袋無料配布も
新型コロナウイルスの流行により、2020年7月現在、様々なジャンルの飲食店で、テイクアウトやデリバリーが提供されています。
バーミヤンでは以前よりテイクアウトやデリバリーによる食品の提供をしており、また2020年7月からのレジ袋有料化に際しても、素材を変更することで無料対応を継続しています。
様々な業界で、外出自粛や店舗利用を忌避する心理が強まっている中でも、売上への影響を最小にとどめる経営戦略が推し進められているようです。
- テイクアウト
バーミヤンではテイクアウトが可能です。店舗によってメニューは若干異なりますが、定番の餃子やチャーハン、キッズメニューなど人気の料理を、オフィス、自宅、アウトドアで楽しめます。
また、人気のおかず盛り合わせプレートメニューなどのテイクアウトも行っており、ホームパーティーや会社での打ち上げにも利用できます。
インターネットで注文したあとは店舗受け取りが可能であるため、待ち時間なく利用できる点も魅力です。
- デリバリー
バーミヤンは宅配サービスも行っています。ネットからの注文は10:00~23:30まで利用が可能で、気軽な宅配サービスを提供しています。
一品料理はもちろんのこと、ランチタイムにはお得な宅配用ランチセットや複数種類のお弁当も提供しており、さまざまな機会に利用しやすくなっています。
またスイーツやペットボトルドリンクなどが同時に宅配される点も、消費者にとっては魅力的でしょう。お得な割引クーポンも提供されているため、さらに利用しやすくなっています。
中国人からの評価は?
中国人は、バーミヤンの料理をどのように感じているのでしょうか。
日本的定番の「中華料理」中国人にも好評
日本の中華料理店で提供されている定番のメニューといえば、餃子とチャーハン、ラーメンで、おかずの類では、回鍋肉やマーボー豆腐も代表的メニューです。
バーミヤンの焼き餃子については、その肉の存在感に驚きを覚える声がネットメディアによる調査で伝えられています。日本の中華レストランで出てくる餃子は一般的に、中国の餃子よりも肉や肉汁が多く、深みのある味わいと感じるのかもしれません。
中国では餃子の具には野菜も多く使われているため、ギャップを感じたと考えられます。また、中国では、素材の原型がわからないからと、食の安全性の観点からひき肉に抵抗感を覚える場合もあるようです。
中国国内では、地域にもよりますが餃子は焼くのではなく煮たもの(水餃子)が主流です。それでも、焼き餃子も提供する飲食店は珍しくはないため、調理方法の違いには大きな抵抗感を抱かないと考えられます。
同じく、バーミヤンのチャーハンについては、中国国内の飲食店のチャーハンよりも、油が少なく、あっさりしていると感じられるという意見が伝えられています。マーボー豆腐については、中国国内の高級店で出される料理に近いという声もありました。
主食×主食、ソースが新鮮、サラダに感じるメニューも…
バーミヤンに限らず、日本の中華料理屋のメニューに対して、中国人が違和感を抱くポイントは共通しているようです。
餃子と白米が一緒に提供されていることには主食と主食を組み合わせていると感じてしまうとの声や、ソースがたくさんかかったエビチリは国内では食べたことがないという意見もあります。
冷やし中華については、麺とサラダという組み合わせに感じることもあるようです。ただし、こうした麺と生野菜の組み合わせは地方によっては中国でも提供する飲食店もあるため、同じ中国人でも育った地域や家庭環境により印象も異なってくると考えられるでしょう。
中国国内で提供される中華料理と最も違う点の一つは麺です。中国では、日本のラーメンのような縮れた麺を出す飲食店は、基本的に日本料理店や日本式ラーメン店と考えられます。
本場「中国料理」の特徴
一般的に、日本の中華料理は、中国のさまざまな地方の料理を少しずつ取り入れ、日本で従来食べられてきた風味に寄せたものです。
中国で食べられている「中国料理」は広大な国土を大きく分類したうえで各地方の料理に特徴を持たせたものという違いがあります。
日本式「中華料理」日本向けにローカライズ?本場の調理方法に即す飲食店も
日本における中華料理は、中国の各地方の料理をまとめて指したり、いずれかの地方の料理を指したりと広い意味を持ちます。フカヒレや北京ダック、青椒肉絲、回鍋肉等を思い浮かべる人も多いでしょう。
一般的に中国では中華料理という言葉は用いられず、「広東料理(エツ菜)」「四川料理(川菜)」「山東料理(魯菜)」などと、地域ごとの郷土料理を指す名称が存在します。総称して「中国料理」といわれることもあります。
日本の飲食店が提供する中華料理は、こうした「中国料理」とは別と考えるべきでしょう。
ただし、日本国内のホテルやデパートのレストラン街にある高級料理店の場合、本場の材料や調理方法になるべく忠実に、日本人に受け入れられる微調整を加えたというような料理も展開されています。日本式の「中華料理」にも幅があるといえるでしょう。
地方別中国料理、4つを紹介
日本の中華料理店では、中国のいずれかの地方料理に絞ったメニューを展開する店もあれば、どの地方の料理も提供する店もあります。ここでは4つの区分で、中国の郷土料理を紹介します。
- 山東(サントウ)料理:味が濃く塩辛い料理が多いのが特徴です。香りや歯ごたえがよく色鮮やかな料理です。山東は北方にあり海と山の幸に恵まれています。代表的な料理としては北京ダックや水餃子があります。
- 四川(シセン)料理:香辛料を使った麻婆豆腐や乾焼蝦仁(ガンシャオシャーレン)、火鍋等の辛い料理が有名です。しかし実は辛い料理は全体の3分の1程度です。
- 広東(カントン)料理:「食は広州に在り」といわれるように、食材や調理法が豊富。米が主食であること、新鮮な魚介を使うことから、日本人にもなじみやすい料理で、多彩な飲茶も有名です。代表的料理は叉焼(チャーシュー)等の焼き物です。
- 江蘇(コウソ)料理:甘味が強いのが特徴で、食材は羊、豚、魚介が多くなります。八宝菜や東坡肉(トンポーロー:日本では豚の角煮に近い)等が有名です。上海料理もこの系統に分類されます。
いずれの地方にも、上記で紹介した料理以外にもさまざまな料理が存在します。
中国人に歓迎される料理「量」も大切に
生活の中でも「食」を大切にする中国人ですが、多くの場合日本の料理を好む傾向にあります。2019年も都心では、訪日中国人が豚骨ラーメン店に並ぶ様子がしばしば見られました。
国交省の資料によれば、中国人の腹八分は日本人が食べる量の約1.5倍であるとされています。飲食店が中国人の集客を考える場合には、量を重視したメニューも必要といえます。
中国人をターゲットとして飲食店を経営する場合には、中国人の食習慣や中国料理の特徴などを理解することで、提供するメニューの特徴を伝える際の訴求ポイントを見いだせるでしょう。
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