公開から19年「千と千尋の神隠し」未だ海外で人気:中国では2019年初公開 改めて高まる“聖地巡礼“需要【海外の反応】

公開日:2020年07月20日

7月20日は、日本映画歴代興行収入第1位を誇るスタジオジブリの映画作品『千と千尋の神隠し』が19年前に公開された日です。

同作品は、2001年7月20日に日本で初公開され、類のない大ヒットを記録しただけでなく、世界80か国以上でも公開され、海外メディアなどからも高い評価を受けています。昨年は中国で初公開され、話題となりました。

また現在、日本の一部の映画館では「千と千尋の神隠し」を含めたジブリ4作品が再上映され、再び注目を集めています。

世界中で愛されている同作品には海外ファンも多く、訪日外国人からは日本での「聖地巡礼」も人気があるようです。

本記事では、公開から19年経った今も愛され続ける「千と千尋の神隠し」の記録的大ヒットを振り返り、さらに、海外からの評価や訪日外国人に人気の日本の聖地巡礼スポットを紹介します。

19年前の7月20日「千と千尋の神隠し」初公開、記録的大ヒット

スタジオジブリのアニメーション映画「千と千尋の神隠し」は、19年前の2001年7月20日に日本で公開されました。主人公の少女・荻野千尋が両親とはぐれて異世界に迷い込み、迷い込んだ先の湯屋(銭湯)で働く中で成長していく姿を描いた作品です。

同作品は興行収入が約308億円、観客動員数が2,350万人超えでどちらも日本映画歴代1位を記録しました。2016年公開の映画『君の名は。』の興行収入が250億円、観客動員数が1,851万人超えという数字と比べると、その偉大さがよくわかります。

日本で大きな話題を呼んだ同作品は、海外でも注目を集め、これまでにアジア、欧州、北米、南米、オセアニア、アフリカなど80以上の国で公開されています。

2003年には、第75回アカデミー賞長編アニメーション部門を受賞するなど、世界でも高く評価されています。

6月より映画館で再上映して話題に

スタジオジブリは6月26日(金)より、国内372館の劇場で「千と千尋の神隠し」を含めた4作品を再上映しています。「一生に一度は、映画館でジブリを。」というコンセプトで実施されているもので、他には「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「ゲド戦記」などの人気作品が同時上映されています。

公開から数十年経ったジブリの名作映画を再び映画館で見れるめったにない機会とあって、今まで映画館でこれらの作品をみたことのない子ども世代や、昔子どもや学生だった頃に映画館で見た大人世代まで、幅広い層から反響を呼んでいます。

そして、今回の再上映でもやはり「千と千尋の神隠し」の人気は他の作品とは一線を画しています。7月13日に興行通信社が発表した7月11、12日の映画観客動員ランキングによると、「千と千尋の神隠し」が3週連続で観客動員数1位を占めています。

TwitterなどのSNSでは、久しぶりに映画館で同作品を見て懐かしむ声も多く見られ、日本中から再び注目を集めているといえます。

「千と千尋の神隠し」に対する海外の評価

「千と千尋の神隠し」は英語圏では「Spirited Away」、中国では「千与千寻」(簡体字)、台湾では「神隱少女」(繁体字)などのタイトルに翻訳され、親しまれています。

同作品は海外で数々の賞を受賞し、いまだ次々と新しい国で公開されています。

中国では、2019年6月21日に初上映し大ヒット

中国では昨年6月21日、日本公開から18年の時を経て「千と千尋の神隠し」が初公開されました。

中国では外国映画の上映本数が制限されているため、同作品はそれまで未公開のままでしたが、公開前にすでにインターネットでダウンロードした海賊版などを子供時代に見たという中国人も多かったようです。

しかし、中国公開を記念した限定ポスターを制作したり、主人公の千尋役の声優を中国の人気女優が務めたりと、注力して制作された同作は大きな注目を集め、公開から約1か月経った7月30日時点での興行収入は4億8,652万元(約78億円)を超え、観客動員数は1,000万人に達するなど、中国でも大ヒットを記録しました。

ジブリ「千と千尋の神隠し」モデルと言われる台湾でも大人気|今年6月に現地公開・中国の反応は?

日本映画歴代興行収入第1位を誇るスタジオジブリの映画作品「千と千尋の神隠し」は世界中で愛される名作映画のひとつです。最近では2019年6月21日に中国にて初上映され、中国のジブリファンに大きな反響を与えました。台湾には、こうした絶大な人気の「千と千尋の神隠し」に似た雰囲気を持つ「九份(きゅうふん)」という街も存在します。中国や台湾、そして世界で「千と千尋の神隠し」はどのような評価を受けているのでしょうか。今回は現地の生の声をご紹介します。関連記事「天気の子」聖地巡礼スポット!海外の反応は?...

海外での高い評価は現在も

「千と千尋の神隠し」は2002年に第52回ベルリン国際映画祭金熊賞、2003年に第75回アカデミー賞長編アニメーション賞と、公開当初から世界の名だたる映画の祭典で評価されています。

また、2017年に米ニューヨークタイムズ紙が発表した「21世紀のベスト映画25本」では第2位に選ばれ、2020年1月に英エンパイア誌が発表した「今世紀最高の映画100選」では、日本映画で唯一選出され15位を獲得しました。

このように、公開当時だけでなく現在も海外メディアなどから高く評価されています。

日本での聖地巡礼スポットは?

「千と千尋の神隠し」のモデルと言われている場所では、台湾の九份(きゅうふん)という街が有名です。作品中の異世界のような雰囲気を纏った街として、日本人をはじめとする外国人観光客が多く訪れています。

一方で、「千と千尋の神隠し」のモデル地となった場所は日本にもあるといわれ、それらの場所は訪日外国人観光客の「聖地巡礼」スポットとして人気を集めているようです。

ここでは、海外ファンが実際に訪れている日本の聖地巡礼スポットを、トリップアドバイザーのページに寄せられた口コミとともに紹介します。

道後温泉 本館(愛媛県)

愛媛県にある道後温泉は、1,000年以上の歴史をもつ日本最古の温泉地の一つで、温泉街全体が映画のインスピレーションとなったといわれています。

特に、重要文化財でもある道後温泉本館は、映画で主人公・千尋が働くこととなる湯屋「油屋」の建物のモデルの一つともいわれています。

旅行サイトなどでは「千と千尋の神隠し」の国内の聖地巡礼スポットの中で、一番に取り上げられることも多く、聖地としての知名度も比較的高いようです。

トリップアドバイザーの道後温泉本館のページでは、口コミの中で映画に言及しているものが英語で11件、中国語(簡体字・繁体字合わせて)で9件見られました。(編集部2020年7月10日確認)

  • カナダからの観光客による口コミ
For such an inexpensive price, this is a must-visit(低価格だから絶対訪れるべき)★★★★★(投稿日:2018年5月20日) There seemed to be endless narrow corridors, steep stairwells, hidden passageways and rooms, and I can definitely see how this building inspired the location in the Spirited Away film. (そこにはまるでどこまでも続く狭い廊下、急な階段の吹き抜け、隠し通路や隠し部屋があるようで、この建物が映画「千と千尋の神隠し」に出てくるどの場所にインスピレーションを与えたかがはっきりわかります。)

渋温泉 金具屋(長野県)

長野県の渋温泉にある旅館「金具屋」も、映画に登場する「油屋」のモデルとなった建物の一つと言われています。

夜ライトアップされて浮かび上がる重厚で煌びやかな旅館の姿が「油屋」を彷彿させるほか、建物内部の廊下や階段などにも「油屋」の世界観を感じることができるようです。

トリップアドバイザーの金具屋のページでは、口コミの中で映画に言及しているものが英語で2件見られました。(編集部2020年7月10日確認)

  • シンガポールからの観光客による口コミ

Historic, charming and excellent service(歴史があって魅力的で素晴らしいサービス)

★★★★★(投稿日:2018年12月31日)

Kanaguya is the inspiration for the ryokan in the Japanese anime Spirited Away. Once you see it in real life it’s not difficult to see why.

(金具屋は、日本のアニメ「千と千尋の神隠し」の旅館のインスピレーションとなった場所です。実際にこの建物を見ると、その理由を理解するのは難しくありません。)

江戸東京たてもの園(東京都)

東京都小金井市にある江戸東京たてもの園は、江戸東京博物館の分館として1993年に建設され、文化的価値の高い建築物を復元、保存、展示している施設です。

施設内の東エリアにある建物などが映画にインスピレーションを与えたとされており、スタジオジブリの本部がすぐ近くにあることから、実際に映画制作中に宮崎駿監督が頻繁に足を運んでいたともいわれています。

ここでは建物だけでなく、展示されている路面電車や浴場などからも映画の雰囲気を感じることができるようです。

トリップアドバイザーの江戸東京たてもの園のページでは、口コミの中で映画に言及しているものが英語で6件見られました。(編集部2020年7月10日確認)

  • 外国人観光客による口コミ

Beautiful buildings and helpful friendly staff(美しい建物と親切でフレンドリーなスタッフ)

★★★★★(投稿日:2018年5月30日)

I also combined my trip to the Ghibli museum with this and I have to say that this tops the Ghibli museum. I loved going inside the old buildings and the staff were very helpful to point out that some scenes from Spirited Away were based on areas of the buildings.

(私は三鷹のジブリ美術館とここを合わせて訪問しましたが、ここはジブリ美術館よりも良かったと言わざるを得ません。私は古い建物の中に入るのが大好きで、さらにスタッフは「千と千尋の神隠し」のいくつかのシーンでここの建物の一部が元になっていることを教えてくれて、とても親切でした。)

19年経つも世界中で人気の映画、中国初公開で聖地巡礼客の増加にも期待

スタジオジブリ映画「千と千尋の神隠し」は日本公開から19年経った現在も、世界中で高く評価され、親しまれていることがわかりました。

海外ファンも多く、日本を旅行する際にはモデルとなった「聖地」を訪れたいと考える訪日外国人も少なくないようです。実際に聖地とされている温泉地や旅館、博物館などに寄せられた口コミから、彼らの熱量の大きさや満足度の高さが見てとれます。

また、昨年中国で初めて公開され大ヒットとなったことから、今後はさらにモデルになった場所に足を運ぶ訪日外国人が増えるかもしれません。

訪日外国人の間で体験を重視する「コト消費」が重視されるようになった昨今、映画やアニメ、漫画などのコンテンツツーリズムの需要の高まりにも目を向ける必要があるでしょう。

<参照>

EMPIRE : The 100 Greatest Movies Of The 21st Century

The New York Times:The 25 Best Films of the 21st Century

MANTAN WEB:映画興行成績:「千と千尋の神隠し」が首位 3週連続でジブリ名作がトップ3独占

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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