「終電繰り上げ」で日本のナイトタイムエコノミーはどうなる?新たな「時間市場」開拓の必要性

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

JR東日本は、9月初旬に発表していた2021年春に予定している終電時刻の繰り上げに関して、ダイヤ見直しの概要を発表しました。

今回発表された終電時間の改訂は、日本人の生活への影響はもちろんのこと、今後のインバウンド戦略に関しても一定の方針転換を迫るトピックといえます。

「新しい生活様式」によって変化するナイトタイムエコノミーへの影響、そして新たに模索すべき「時間市場」の開拓の必要性について解説します。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

五輪が今年開催されれば...コロナで真逆の方向へ

JR東日本が終電繰り上げに至った目的としては、新型コロナウイルスの感染拡大からくる「新しい生活様式」への変化の対応、鉄道工事における働き方改革の実現、鉄道設備の設置・保守の迅速化を図ることを挙げています。

終電繰り上げとなる対象は首都圏の17路線に及び、午前1時以降に運転する列車が軒並み短縮される格好となります。これによって、1日あたり2万人の利用者に影響が出るといわれています。

今回の終電繰り上げに至った経緯を鑑みると、JR東日本のみならず、都心部を中心とした他の路線にもこの動きが広がる可能性もあるでしょう。

元々今年の1月22日、東京都と東京2020組織委員会は大会期間中の深夜時間帯の鉄道の運行について、最大深夜2時ごろまで終電時間の繰り下げの調整を進めていました。五輪の競技終了時間が深夜にまで及ぶことが想定されることと、大会期間中の混雑を回避する目的があったためです。

また、東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は、大会開催期間中の東京観光及び訪日外国人の消費喚起を狙った「東京メトロ24時間券」の販売も予定していました。

今回の発表は、新型コロナウイルスを契機として今年上旬の方針から真逆に進んでしまったともいえるでしょう。

ナイトタイムエコノミーにも影響が

終電時間の繰り上げによって、今後のナイトタイムエコノミー(夜間経済)へもネガティブな影響が出ると予想されます。

ナイトタイムエコノミーとは文字どおり、夜間の経済活動のことを指します。新型コロナ流行以前まで、世界各国ではナイトタイムエコノミーを活性化させるための様々な取り組みが進められていました。

平成29年に観光庁が発表した「『楽しい国日本』実現に向けた観光資源活性化に関する検討会議」によると、イギリス・ロンドンではナイトタイムエコノミーによって、年間263億ポンド(4兆円)の経済効果と、125万人の雇用を創出しているとされています。

日本でも欧米の先進事例に習い、訪日外国人向けにナイトタイムエコノミーにおけるコンテンツの磨き上げが進められていました。実際に2017年には「ナイトライフエコノミー議員連盟」が結成され、法改正なども視野に入れた議論がなされていました。

しかし、新型コロナウイルスの脅威を経験した今日の世界において、やはり「夜の街」に対するネガティブなイメージは払拭しきれていないというのが実情でしょう。

また、今後将来的に訪日外国人観光客の客足が戻ったとしても、夜遅くまでの観光は近隣住民の理解を得ることが喫緊の課題となります。

「新しい生活様式」によって夜の時間の過ごし方は、そのあり方から見直されようとしています。

ナイトタイムエコノミーとは?夜間に楽しめるコンテンツ提供:海外事例2選・国内事例7選

ナイトタイムエコノミーとは、夜間の経済活動を意味する言葉で、主に訪日外国人観光客に対して夜間に楽しめるコンテンツを提供する取り組みを指します。 訪日外国人観光客の満足度向上に加え、消費拡大により日本経済の活性化にもつながることが期待されています。 この記事では、日本にある観光資源の新たな活用するために、参考となる海外の先進事例とともに日本国内の動向について解説します。 インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整...


「時間市場」を別のアプローチから考える必要性

アフターコロナインバウンド対策を展望するにあたって必要なことの一つに、訪日外国人の「時間市場」をどのように開拓していくか、ということがいえるのではないでしょうか。

「新しい生活様式」への転換によって夜の時間の経済活動に制約がかかるのであれば、違う時間帯に目を向ける必要があります。その一つが「早朝の時間帯」です。

早朝の時間帯は観光客で殺到する日中を避けられるため、すでに訪日外国人の中には早朝の時間を楽しむ動きがみられています。

例えば大手口コミサイトトリップアドバイザーの「日本の人気観光地ランキング」で常にトップ層に君臨する京都の人気スポット、伏見稲荷大社では、早朝の人通りが少ない時間帯に参詣し、千本鳥居の神秘的な空間を楽しんだというコメントが散見されます。

また、同じく訪日外国人観光客に人気である新宿御苑では、期間限定で通常9時からの開園を7時に前倒す、「早朝開園」の取り組みも過去に行っています。

その一方で、日本の施設側は訪日外国人の「早朝」のニーズに十分にアジャストできていないというデータも存在します。

2018年の観光庁の「公的施設等の早朝開館」に関する調査結果によると、訪日外国人約85%が早朝開館等の企画への参加意向を示しています。しかしながら、公的施設等は20%程度しか早朝開館等の企画を実施しておらず、また、早朝開館等の企画を実施している公的施設等を実際に訪問した訪日外国人が支払った金額は「無料」が70%程度だったという結果も出ています。

同調査によると、早朝開館等の企画への支払い可能金額は、欧米豪からの旅行者の50%程度が11ドル以上と回答しており、平均より高い金額を示しています。さらに、そのうちの約25%が21ドル以上としています。

混雑を回避できる早朝の時間帯は、アフターコロナにおいてさらに付加価値を持ちます。今後のインバウンド向けコンテンツを造成するにあたっては、こういった早朝の時間帯の付加価値を適切に価格に反映させていく必要があるでしょう。

そして早朝に限らず、今後のインバウンド向けの施策を検討する上で、訪問場所・訪問時間の分散化などの「3密」を避けるための工夫は必須といえます。

一度に多くの観光客を受け入れることが難しくなった観光産業において、「時間帯に付加価値を付与する」ことはアフターコロナインバウンド市場を盛り上げるにあたって重要な戦略の一つといえるのではないでしょうか。

京都通は「朝」「さらに足を延ばす」で混雑を回避:インバウンドVS日本人観光客、京都観光の傾向比較

インバウンドの定番観光ルート「ゴールデンルート」の中でも、特に人気観光地として有名なのが京都です。あまりの人気ぶりに、近年では、訪日外国人観光客の急増による「オーバーツーリズム」が問題化しており、地元住民や国内旅行客への影響も懸念されています。今回は、京都市観光協会による、2018年度の「京都観光総合調査」のデータ分析をもとに、京都観光の最新動向について国内旅行客・訪日外国人観光客の双方の視点から紹介し、今後の展望を考察します。目次京都観光の最新動向:1日当たり21.4万人が滞在、愛着度が...


インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

専門家が徹底議論!地域に眠る観光資源の「磨き上げ」、結局何をしたらいいの


観光庁は、インバウンドの地方誘客を目的とし、「観光資源の磨き上げ」を推進しています。

これに沿って観光コンテンツの造成や発信力強化に取り組みたいと思うものの、「何からやればいいのかわからない」「やってはみたものの、まだ観光客を呼びこめていない」といった悩みを抱えている自治体・企業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、食体験、ツアー造成、アクティビティ、アドベンチャートラベルなどを専門として第一線で活躍するスペシャリストたちが集結

「観光資源の磨き上げ」とは何なのか、外国人を惹き付ける観光コンテンツはどう作り、どう発信するべきなのか、徹底議論します!

詳しくはこちらをご覧ください。
専門家が徹底議論!地域に眠る観光資源の「磨き上げ」、結局何をしたらいいの?

成功事例から見るインバウンド対策とは。外国人採用の実例から紐解く成長戦略

インバウンド(国際)市場の拡大に伴い、国内では大阪万博やインバウンドへの対応などでグローバルに対応できる環境が必要になっており、日本企業にとって国際市場での競争力確保は重要な課題の一つとなっています。

その鍵を握るのが、インバウンド対策と効果的な外国人採用です。外国人観光客やビジネスパートナーを惹きつけ、国際的な人材を活用することで、企業は新たな成長戦略を構築し、市場で競合に勝つことができます。

今回のセミナーでは、実際に行われた人材活用法を通じて、インバウンド対策と外国人採用が企業にもたらす効果について解説いたします。

実際の事例から学び、自社に適した戦略を見出すためのヒントを得ながら、日本企業がグローバルな舞台で勝ち抜くために必要なスキルや知識を共有し、新たなビジネスの可能性を発見できる機会となっています。

詳しくはこちらをご覧ください。
成功事例から見るインバウンド対策とは。外国人採用の実例から紐解く成長戦略

【インバウンド情報まとめ 2024年5月前半】外国人宿泊者数「中国」がコロナ後初の1位に 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年5月版レポートから、4月~5月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

※【インバウンド情報まとめ】は2024年5月より月2回発行いたします!最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
岸田首相「2030年に訪日客6,000万人」改めて言及 / 外国人宿泊者数「中国」がコロナ後初の1位に【インバウンド情報まとめ 2024年5月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか? また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。
このセミナーでは、
新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない
方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!
詳しくはこちらをご覧ください。
→4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに