コロナ禍で世界から注目された都道府県は?16ヵ国・地域の海外SNSから話題量を分析したレポートが公開

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ソーシャルビッグデータの調査・活用およびコンサルティング事業を手掛けるソリッドインテリジェンスは、16の国と地域における日本旅行の話題に関するデータを、都道府県別、市場別にまとめました。

本調査では、8言語による900万件以上のSNSデータを、都道府県別と市場別でそれぞれ分析しています。

今回は公開されたサンプルレポートから、「九州・福岡県」と「アメリカ市場」に関するデータを紹介します。

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海外16市場の「日本旅行」に関するSNSデータを収集

ソリッドインテリジェンス株式会社は、海外16市場を対象に「日本旅行」に関するSNSの投稿データの件数を収集し、話題量の傾向を「九州編」と「市場別編」のレポートにまとめました。

データの取得期間は、2018年1月1日〜2020年6月30日となっています。

対象市場は全16市場あり、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インド、中国、台湾、香港、韓国、タイ、フランス、スペイン、ロシアです。

対象言語は全8言語となっており、英語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語、タイ語、フランス語、スペイン語、ロシア語です。

データを取得したメディアは、調査対象市場で利用されているメディアのなかから、主にYouTubeやTwitterなどのSNSをはじめ、ブログ、ニュースメディア、掲示板などが対象となっています。

九州では福岡の話題量がアジア圏で多い結果に

2019年の各市場における福岡県の話題量順位 ソリッドインテリジェンスプレスリリース
▲[2019年の各市場における福岡県の話題量順位]:ソリッドインテリジェンスプレスリリース

2019年の福岡県は、市場を問わず多く話題にされていることがわかります。上記の表では、市場別の話題量を順位で表しています。

上記の表から、ロシアを除く15市場全ての国・地域から上位10位以上の話題量を持つタイミングがあったことがわかります。

また、地理的な近さも手伝ってか、通年では東アジアや東南アジアにおける話題量の順位が高い傾向にあります。

福岡県の16市場別話題量比 ソリッドインテリジェンスプレスリリース
▲[福岡県の16市場別話題量比]:ソリッドインテリジェンスプレスリリース

福岡県の話題量を16市場別に比較した円グラフを見ると、やはり東アジア、特に韓国における話題量の割合が大きいことがわかります。

福岡県は、地理的に韓国や中国、台湾、香港などと近いことに加え、福岡と北九州にそれぞれ国際空港を持っていることからアクセスが良く、日本旅行の行き先として知名度が高い傾向にあります。

実際に、2019年の福岡県を訪れた訪日外国人の割合は韓国が約50%であるほか、台湾と香港、中国も合わせると東アジアだけで約87%となっています。

東アジアにおける福岡県の話題量の多さは、実際に東アジアからの訪日客が多いことを改めて裏付けるデータとなりました。

福岡県のインバウンド需要

訪日韓国人はインバウンド市場において、国別訪日外客数シェアで第2位となる国です。福岡は福岡空港、博多港など入国ルートも多く、また地理的にも距離が近いため、旅行代金の安さ、移動時間の短さなどのメリットも多いため訪日韓国人によるインバウンド需要が多いのが特徴です。

福岡県のインバウンド事例

空港と港の二つの玄関口を持つ福岡県は、特に韓国を中心にアジアからアクセスしやすい立地となっています。今回はインバウンド対策に積極的に取り組んでいる福岡県の2018年のインバウンド需要や人気の観光スポット、インバウンド事例について解説していきます。目次2018年の福岡県のインバウンド需要はどうだった?訪問者数は全国5位訪日外国人の10人に1人が福岡から入国?韓国人が半数以上の理由は?福岡県で人気の観光施設を紹介1. 海の中道海浜公園2. マリンワールド海の中道3. 天神地下街福岡県のインバウ...

アメリカ市場における都道府県別の話題量

アメリカ市場における都道府県別の年間話題量ランキング ソリッドインテリジェンスプレスリリース
▲[アメリカ市場における都道府県別の年間話題量ランキング]:ソリッドインテリジェンスプレスリリース

アメリカ市場における都道府県別の2019年の話題量ランキングでは、東京や大阪、京都などの人気観光地が上位にランクインしました。

長崎県や大分県、鹿児島県といった九州地方と、宮城県や岩手県、青森県といった東北地方の話題量の順位が上がっています。

2019年の訪日アメリカ人観光客は初めての訪日が約52%、2回目以上が約48%でした。約半数に上っているリピーター層が、九州や東北といったゴールデンルート以外の地方に対してより高い関心を持っていることが考えられます。

また、新型コロナウイルスの流行によって渡航制限が敷かれた2020年の1月〜6月の期間においても、引き続き新潟や青森、茨城、香川、和歌山など、全国各地の県が話題量の順位を上げました。

アフターコロナの訪日旅行の需要回復期には、リピーター層を中心に地方への興味がさらに高まることが考えられるため、各自治体や観光事業者は引き続きSNSやメディアを通じて、情報発信をすることが求められます。

データでわかる訪日アメリカ人観光客

ニューヨーク人口密度は1,800人/km2(日本でいうと東京の1/3くらい。埼玉と同じくらいの人口密度)。国全体の人口密度は33.7人/km2(日本でいうと東京の1/200くらい。北海道の1/2くらいの人口密度)

アメリカ市場における都道府県別の年間話題量の推移 ソリッドインテリジェンスプレスリリース
▲[アメリカ市場における都道府県別の年間話題量の推移]:ソリッドインテリジェンスプレスリリース

アメリカ市場における都道府県別の話題量について、月ごとの推移をみると、東京や京都、大阪などの有名観光地を持つ地域は、年間を通じて話題量が多いことがうかがえました。

長崎県の話題量の順位が度々10位以内に急上昇している現象については、毎年2月に開催されるランタンフェスティバルの様子がSNSやメディアで何度も取り上げられ、投稿量が大幅に増加したことが関係していると考えられます。

このように、季節ごとのイベントや観光スポットの様子がSNSやメディアで拡散されることで、地域の認知拡大に繋がる可能性が期待できます。

新型コロナ流行前後における都道府県別の話題量の比較

全16市場における新型コロナ流行前後の話題量増加率
▲[全16市場における2019年〜2020年の話題量増加率]:ソリッドインテリジェンスプレスリリース

全16市場における、2019年1月〜6月から2020年1月〜6月の話題量の増加率をみると、新型コロナウイルスの感染拡大による渡航制限の影響から、多くの自治体で増加率が低迷しました。

一方で、話題量の増加率が上昇した地域も見受けられます。増加率105.7%を記録した北海道や120%となった山梨県については、タイや韓国から「日本が恋しい」といった内容が過去の旅行記に投稿され、共感を呼びました。

「新型コロナウイルスが収束したらこの目で見てみたい」「来年必ず行きたい」など、ポジティブなコメントとともに拡散している投稿も散見されます。

台湾では「行ったつもり」旅行がブームに

青い海と道路と晴れた空
▲海と道路の写真のInstagram投稿:編集部スクリーンショット


Instagram:台湾人の投稿(https://www.instagram.com/p/CFcY-YHFU0n/)


台湾では、苗栗県にあるホテル「馥藝金鬱金香酒店」がFacebook上で「県内の観光地だけで世界旅行が楽しめる」とし、海外の有名観光スポットに似た苗栗県のスポットを画像とともに投稿し、大きな反響を集めました。

新型コロナウイルスの流行前には多くの訪日旅行客が訪れていた、アニメ『スラムダンク』の聖地「鎌倉高校駅前踏切」に似たスポットとして、苗栗県の新埔「台61線 新埔交流道」も投稿され、話題となりました。

このように、新型コロナウイルスの影響で訪日旅行ができないなかでも、引き続き日本の観光スポットへの興味関心がうかがえます。アフターコロナに再訪したいといった需要を捉え誘客に繋げるためには、SNSやメディアを通じた継続的な情報発信が重要といえます。

台湾で「日本そっくりスポット」が大混雑…「聖地」への憧れがコロナ禍で加速

いま台湾では、新型コロナウイルスの影響で海外旅行ができないなか、「行ったつもり」旅行がブームとなっています。 台湾の苗栗県にあるホテル「馥藝金鬱金香酒店」は、Facebookで「県内の観光地だけで世界旅行が楽しめる」といった投稿をし、大きな反響を呼びました。 今回は、台湾の「行ったつもり」旅行ブームについて、Facebookや


アフターコロナのインバウンド再誘客に向けたSNS発信の強化を

ソリッドインテリジェンスのレポートから、新型コロナウイルスの感染拡大により訪日旅行ができなくなった2020年の上半期も、地方を中心にSNSや海外メディアにおける話題量の増加が見受けられました。

アフターコロナの訪日旅行需要の回復期を見据え、自治体や観光事業者が地域の魅力や観光スポットの情報などを、SNSやメディアを通して継続的に発信することが、インバウンド需要を獲得する鍵となるでしょう。

<参考>

ソリッドインテリジェンス株式会社:ソリッドインテリジェンスが「日本旅行」に関する海外SNSデータを収集、海外16市場の話題を都道府県別に調査した分析レポートを公開

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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