オーストラリアは訪日旅行における消費金額が多く、日本のインバウンドにおいて重点市場と位置付けられています。
そのオーストラリアは現在、欧米豪の中でも比較的、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きつつあります。
本記事では、オーストラリアの最新の国内状況や、インバウンドの状況を紹介します。
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2020年10月15日、オーストラリアのスコット・モリソン首相は日本、韓国、シンガポールの3か国の首脳と「隔離を伴わない渡航」についての議論を進めていることを明らかにしました。もし協議が合意すれば、インバウンド回復が遅いと予想される欧米豪市場のうち、訪日オーストラリア人観光客の回復が一足先に回復するでしょう。そこで、今回の記事はこれまでの訪日オーストラリア人観光客の特徴をおさらいし、それに合わせてコロナ禍におけるオーストラリア人の最新国内旅行動向や訪日意欲についても紹介します。インバウンド...
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落ち着きを見せるオーストラリアの感染状況
オーストラリア国内における新型コロナウイルスの累計感染者数は、11月26日時点で27,867人、死者は907人となっています。
地域別に見るとメルボルンを擁するビクトリア州の感染者が最も多く、累計感染者数が20,345人、死者が819人となっています。
オーストラリアでは2020年3月頃に感染が拡大して以降、8月頃に感染者数が急増しましたが、その後は減少傾向にあります。
11月に入ってからは1日あたりの感染者数が一桁から20数人の間で推移しており、国内の感染状況は落ち着きを見せています。
国内の行動規制は徐々に緩和
オーストラリア国内では、行動規制が徐々に緩和されています。
11月24日、クイーンズランド州首相は、8月から規制されていた、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州の往来を12月から再開すると発表しました。
クイーンズランド州には人気の観光スポットがあるため、観光の盛り上がりが期待されます。
また3週間以上にわたり市中感染がゼロとなったビクトリア州でも、11月23日から規制が緩和され、12月13日からさらに規制が緩和される予定です。
11月23日以降、屋外のマスク着用義務が引き下げられ、社会的距離が保たれればマスクを着用しなくてもよくなり、屋外での集まりは50人まで、自宅での受け入れは15人まで認められます。
12月の緩和では、クリスマスまでに個人宅に30人まで集まれるようにするということです。
国内旅行は制限なし
オーストラリアでは現在、国内旅行については特に制限はなく、オーストラリア政府観光局は公式サイト上で、安全に旅行するための情報や、交通機関や宿泊機関の最新の状況などを発信しています。
またカンタス航空はクリスマスに向けて、ビクトリア州とニューサウスウェールズ州から、クイーンズランド州への往復便を1,200便以上運航すると発表しました。
コロナ禍でのインバウンドの動向
観光立国であるオーストラリアは、コロナ禍でどのようなインバウンド施策を取っているのでしょうか。
それぞれの施策について見ていきます。
ニュージーランドからの観光客を受け入れ再開
オーストラリアは10月16日より、ニュージーランドから隔離措置不要で観光客の受け入れを開始し、同日にはニュージーランドから数百人が空路でシドニーに到着しました。
ただしニュージーランドへの渡航者は管理下での2週間の隔離が求められます。
国境は依然封鎖されたまま
ニュージーランドからの観光客受け入れは再開したものの、依然としてオーストラリアの国境は閉鎖されています。
オーストラリアに入国できるのは、オーストラリア人、オーストラリア在住者、近親者、過去14日間にニュージーランドに滞在した旅行者に限定されています。
コロナ禍でも世界に向けて魅力をアピール
オーストラリア政府観光局は、8Dオーディオで世界に向けてオーストラリアの魅力を発信する取り組みを行っています。
8Dオーディオは、周囲の全方向から音が聞こえてくるよう設計されており、立体感と臨場感のあるサウンドを楽しめます。
動画シリーズは、美しい海を満喫できる「青」、太古の熱帯雨林や自然豊かな国立公園を楽しめる「緑」など、色別に分類されており、いずれもオーストラリアの文化や自然美を体感できるものとなっています。
また有名な観光スポットだけでなく、比較的知名度が低いスポットも紹介しています。
例えばオーストラリアの観光では、グレートバリアリーフのサンゴ礁が有名ですが、サンゴ礁はオーストラリアの北東部の海岸線の3分の2に渡っているため、他の地域でも美しいサンゴ礁を楽しめると提案しています。グレートバリアリーフ以外にも、ジンベエザメの生息する、パースの北約1,250 kmに位置する世界遺産「ニンガルー海洋公園」や、干潮時に海からサンゴ礁が現れる「モンゴメリーリーフ」などを紹介しています。
観光客の受け入れが再開されてから、有名な観光スポットを避けて旅行したいという観光客にも訴求することが出来そうです。
コロナ禍でも情報発信を欠かさないオーストラリア
新型コロナウイルスの感染状況が比較的落ち着いてきているオーストラリアですが、依然として厳しい入国制限を続けており、ニュージーランド以外からの外国人観光客の受け入れにはまだ時間がかかりそうです。
一方で8Dオーディオを活用した臨場感ある動画でオーストラリアの魅力を表現するなど、コロナ禍でも世界に向けたPR発信は欠かしていません。
観光地としても人気が高いオーストラリアのコロナ禍におけるインバウンド施策は、今後の日本のインバウンド施策の検討の参考になるでしょう。
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<参照>
Australian Government Department of Health:Coronavirus (COVID-19) current situation and case numbers
ロイター:豪クイーンズランド州、主要2州との往来再開へ 観光業界に朗報
Australia.com:COVID SAFE TRAVEL IN AUSTRALIA
ロイター:Australia opens up more borders in domestic travel boost, eyes vaccine
ロイター:NZから豪への「隔離なし」渡航開始、数百人がシドニー到着
Australian Government Department of Health:Coronavirus (COVID-19) advice for international travellers
オーストラリア政府観光局:オーストラリアを8Dオーディオで体感
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2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。
では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。
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