新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年はインバウンド市場にとって大変厳しい年となりました。
訪日ラボでは、インバウンド主要市場の1年を振り返っていきます。
今回は新型コロナウイルスの流行が早期に始まった中国を取り上げます。
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2020年の中国における新型コロナウイルスの感染拡大状況
2020年の中国における新型コロナウイルスの感染拡大状況を、時系列で見ていきます。
1〜2月には爆発的な感染、都市封鎖も
2019年12月初旬に初めての原因不明の肺炎患者が報告され、12月31日には武漢を中心に肺炎の流行が始まりました。
1月8日にタイで国外初の原因不明の肺炎患者が報告され、1月12日にはWHOによって肺炎の名前が「新型コロナウイルス(COVID-19)」と名付けられました。
1月23日には感染拡大防止対策として武漢の封鎖が開始され、1月31日には、中国の累計感染者9,692名、2月には累計感染者78,824名となるなど感染が爆発しました。
3月以降は感染の落ち着きをみせる
1〜2月に急速に感染者数が増加した中国ですが、3月以降は徐々に感染が落ち着いていきました。
3月18日には武漢のある湖北省で新規感染者数ゼロが報じられ、4月には武漢の封鎖が解除されました。
以降、1日の新規感染者数はおおむね2桁を維持し、12月4日の感染者数は17人にとどまり、そのうちの15人が海外からの渡航者となっていました。
【速報】ついに中国湖北省で新感染者ゼロ!武漢封鎖後、初の快挙!
中国の衛生当局は3月18日時点で、感染源地と思われる湖北省武漢市で、新型コロナウイルス感染者が新たに確認されていないことを発表しました。目次武漢封鎖後、初の新感染者ゼロ武漢封鎖後、初の新感染者ゼロ中国の衛生当局は公式サイトで、現地時間3月18日時点の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数を公表しています。それによると、中国国内で最も感染者数が多かった湖北省で新たに確認された症例は0人(武漢で0人)としています。また795人が新たに回復し(武漢で733人)、8人(武漢で6人)が亡く...
コロナ禍で生まれた中国の旅行・消費トレンド
コロナ禍の中国で、どのようなトレンドが生まれたのか考察します。
国内旅行:近場・家族での旅行がトレンドに
中国では海外への渡航制限に伴い国内旅行が人気を集め、2020年の国慶節(10月1日〜8日)には、国内の旅行者数は6.37億人となり、前年の79.0%まで回復しました。
国慶節連休は今年の数々の連休において最大の市場規模を記録しており、旅行者数も観光収入も今年度最高を更新しています。
中国の大手オンライン旅行会社「携程」(Trip.comグループ:2019年10月まで、中国国内では「Ctrip」の名称で展開)と中国最大の検索エンジン「百度」が公開した全国の人気観光地ランキングデータでは「武漢」が人気観光地に選ばれました。
武漢は最も早く新型コロナウイルスの感染が広がり「震源地」とも言われていますが、早期に感染を封じ込めたことでその安全性をアピールしたほか、一部観光地の入場を無料にする、湖北省政府による「惠游湖北」観光誘致キャンペーンなどが奏功したとみられます。
そのほか、中国国内での人気旅行先としては、壮大な山脈を眺める天門山や華山、原始林に覆われる九寨溝、チベット高山自然生態系が残る稲城亜丁など「自然風景」が楽しめる観光地や、黄鶴楼をはじめ、円明園、故宮(紫禁城)、張家界など中国の歴史を感じられる「文化史跡」などがあげられます。
一方で長距離移動を伴う旅行は敬遠される傾向にあり、地元民による地元の遊覧を意味する「本地遊」や、3泊4日以内で居住地周辺を遊覧する「周辺遊」が主流となっています。
旅行スタイルとしても、家族での旅行・レンタカーでの移動など、他人との接触をさける旅行がトレンドになっています。
中国、人気観光地1位がなんと「武漢」に:上海ディズニー抑え...なぜ?
来週10月1日より、中国では国慶節という大型連休を迎えます。国慶節は、例年国内外を旅行する人が多いシーズンでした。今年は新型コロナウイルスの世界的流行によって海外旅行にいけないかわりに、延べ6億人の中国人が国内旅行に出かけると推計されています。そうした中、Trip.comの調査によると、人気の観光地1位は新型コロナウイルスの"震源地"である「武漢」が選ばれました。日本人からするとぎょっとするような現象が、現在の中国の旅行シーンで起きています。なぜ、新型コロナウイルスの発生地である武漢が一躍...
中国8連休の旅行者は予想上回る6.37億人:「家族旅行」「95後」がトレンドに
中国では、2020年10月1日から8日の間、国慶節から始まる大型連休を迎えていました。新型コロナウイルスの感染拡大により、中国の旅行産業は大きな打撃を受けましたが、8連休となった国慶節連休中は、多くの人が旅行に出かけました。中国国内における新型コロナウイルスの沈静化や旅行に対する「リベンジ消費」の影響もあり、旅行者数と観光収入が今年度最高を記録し、当局の予想を上回った結果となっています。今回は、国慶節8連休における中国の観光地の様子とアフターコロナで生まれた新たな旅行トレンドについて解説し...
消費動向:巣ごもり消費の活発化、独身の日セールも過去最高を達成
中国では外出自粛が続く中、巣ごもり消費が活発化し、EC市場が拡大しています。
中国のアリババグループが11月5日に発表した2020年7~9月期決算は、売上高が前年同期比30%増となる1,550億元(約2兆4千億円)にのぼりました。
毎年11月11日に開催される中国の一大ECセール「独身の日セール(ダブルイレブン)」でもその影響は顕著となっており、 2020年のダブルイレブンのGMV(流通取引総額)は過去最高となる4,982億元(約7兆7,200億円)を達成しました。
ダブルイレブンの越境ECにおける国・地域別GMVランキングにおいて、日本は2016年以来、1位を達成し続けています。
取引総額7兆円超え、過去最高に 中国「独身の日」日本ブランド人気最多、「ライブコマース」も加熱
2020年11月1日〜3日と11月11日にかけて、中国最大のECセールイベント「独身の日」が行われました。中国では11月11日が独身を祝う日として認識されており、「光棍節」や「ダブルイレブン」とも呼ばれます。従来は「独身の日」には独身者が集まってパーティーが催されていたもので、現在では独身者に限らず多くの人がネットでセール品など買い物をする一大イベントとなっています。その筆頭となるのがアリババグループによるECセールイベント、「2020 天猫ダブルイレブンショッピングフェスティバル」(以下...
2021年の中国はどうなる?
日本と中国は11月30日から、ビジネス目的に限り往来を再開しました。
2020年10月現在、中国から4,500人ほどが訪日しており、中国出境游研究所(COTRI)は2021年に中国の海外旅行客が1億人まで回復すると予測しています。
最大の旅行先としてはマカオが見込まれていますが、日本やタイ、ラオス、シンガポールなどといったアジア圏や、ヨーロッパのシェンゲン協定国への旅行者も増えるとみられています。
日本側も東京オリンピック開催を前に、2021年4月をめどに外国人観光客の受け入れの検討を進めています。
中国の海外旅行需要と、日本の入国制限の緩和により、訪日需要が回復していく可能性がありそうです。
中国人観光客の回復に備えて準備を
中国は世界で最も早く新型コロナウイルスの感染が拡大しましたが、徹底した封じ込めを行い、現在は国内旅行が活況をみせているほか、巣ごもり需要でEC市場が拡大しています。
中国からのアウトバウンド市場は他国よりも回復が早いともみられており、混雑しておらず中国人に対してフレンドリーな目的地が選ばれる傾向がありそうです。
日本でも来夏の東京オリンピックに向けて外国人観光客受け入れの検討が加速していくと考えられ、中国の海外旅行需要をうまくつかめれば、中国人観光客が戻ってくる可能性があるでしょう。
来たるべき中国人観光客の回復の時期に備え、需要の掘り起こしやプロモーションの準備など、今からできる備えを進めていけると良いでしょう。
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<参照>
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年2月28日版)
WHO:China
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今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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