なぜ対馬のクラファンに2,700万円集まったのか:海外のゲーム人気がインバウンドに与える影響とは

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人気ゲーム「Ghost of Tsushima」の舞台ともなった、長崎県対馬市の神社「和多都美神社(わたづみじんじゃ)」が、大鳥居を修復するためのクラウドファンディングで、目標の5倍超となる支援金を集め、大きな成功をおさめました。

背景には「Ghost of Tsushima」の海外での高い人気があると考えられ、対馬の観光地としての可能性に注目が集まっています。

本記事では、和多都美神社によるクラウドファンディングの詳細を解説し、「Ghost of Tsushima」の人気がインバウンドに与える影響を考察します。

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対馬の「和多都美神社」のクラウドファンディングに多額の支援が

長崎県対馬市にある神社「和多都美神社」が、2020年9月の台風10号によって倒壊した大鳥居を修復するための支援プロジェクトとして、クラウドファンディングを実施しました。

2020年11月27日からスタートし、2021年1月10日の終了時までの約1か月半の期間で集まった支援総額は2,710万3,882円にのぼり、500万円の当初目標対比542%と大きな成功を収めました。

支援者総数は2,014人で、支援者からのコメントには、対馬が舞台となったゲーム「Ghost of Tsushima」がきっかけで対馬に興味を持ったという声が多くみられました。 

クラウドファンディングの大成功や海外からの祝福など、これほどまで大きな注目を集めた背景には、「Ghost of Tsushima」の高い人気があります。

対馬が舞台となったゲーム「Ghost of Tsushima」の人気

「Ghost of Tsushima」は、2020年7月17日に、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)から発売されたPlayStation 4用ゲームソフトです。

長崎県の「対馬(對馬)」を舞台にしており、元軍(モンゴル帝国軍)の侵攻を受けた「文永の役」が題材となっています。

風で揺れるススキや荘厳な雰囲気の神社など、美麗なグラフィックも話題となり、発売から3日間で全世界での累計実売本数240万本を突破し、SIEが発売した新規IPのPS4用ソフトとしては過去最速の記録となりました。


『Ghost of Tsushima(ゴーストオブツシマ)』に対する海外の反応

長崎県の対馬を舞台にしたPlayStation 4用ゲームソフト『Ghost of Tsushima(ゴーストオブツシマ)』が7月に発売され、世界的に大ヒットしています。 実際の対馬をモデルにした美麗なグラフィックや、武士としての矜恃や「誉れ」をテーマに据えたストーリーは海外ファンを魅了し、SNS上で「あの対馬を訪れてみたい」という声が多くあがっています。対馬が新たな

海外からも大きな反響が

和多都美神社によるクラウドファンディングは海外でも話題を呼んでおり、「Ghost of Tsushima」を開発したアメリカのゲーム会社「SuckerPunchProd」のツイートには約8,000件もの「いいね!」が集まりました。

SuckerPunchProdが引用したメディア「Eurogamer」のツイートにも「いつか行ってみたい」「素晴らしい」など好意的なコメントが寄せられています。

「Ghost of Tsushima」の人気がインバウンドに与える影響を予想

「Ghost of Tsushima」の海外での人気から、実際に対馬がインバウンドの目的地として注目される可能性があります。 

どのような形のツーリズムに可能性があるのか、それぞれご紹介します。

1. 聖地巡礼

「Ghost of Tsushima」は、日本の自然を忠実に再現した美しいグラフィックが人気で、Facebookページやクラウドファンディングの記事へのコメントにも「行ってみたい」という声が多数見受けられます。 

こうしたゲームやアニメ、映画に登場する場所を訪れる「聖地巡礼」は、インバウンドの間でも人気になっています。 

今回クラウドファンディングを実施した和多都美神社は「Ghost of Tsushima」の舞台のひとつでもあり、今後聖地巡礼の需要が高まるのではないでしょうか。

2. アドベンチャーツーリズム

アドベンチャーツーリズムAT)とは、「アクティビティ」「自然」「文化体験」のうち、2つ以上の要素によって構成される旅行のことを指します。

その市場規模は2016年で約4,448億ドル(49兆円)、2023年には約1兆3,357億ドル(147兆円)まで拡大すると予測されています。

またアドベンチャーツーリズム旅行者の1回あたりの平均消費額は約3,000ドル (33万円)で、訪日外国人旅行者の平均消費額15万4千円の2倍以上となっています。

その市場規模と消費額の大きさからも、観光庁アドベンチャーツーリズムインバウンド誘致に有効な手段として推進していく考えです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、旅行者の志向は、世界的に「少人数」、「都市から離れた場所への旅行」、「自然の中を楽しむ旅行」へとシフトしています。

この傾向を満たし、かつクオリティの高い体験を提供するのがアドベンチャーツーリズムであるといえます。

対馬は山林が面積の89%を占める自然豊かな島であり、 自然を活かした白嶽や金田城のトレッキング・釣りなどのアクティビティが人気となっています。 

「Ghost of Tsushima」をきっかけに対馬の歴史・景観に興味を持ったインバウンド客の集客に活用できるのではないでしょうか。

アドベンチャーツーリズム(AT)とは

近年、国内外への旅行のハードルが下がったことにより、それぞれの旅行客が観光に求めるものも多様化している傾向にあります。アドベンチャーツーリズムは、そんな「旅の目的」の一つとして注目が集まっているアクティビティ要素を盛り込んだ旅行で、地方創生やオーバーツーリズムの改善など、観光地にとってもメリットの多い旅行形態としてその可能性が注目されつつあります。さらに、アメリカのアドベンチャーツーリズムの消費額は、来年には2019年比の93%の水準に戻るとAdventure Travel Trade A...


人気ゲームの舞台となった対馬:自然と歴史を活用したインバウンド対策につなげる

対馬はゲーム「Ghost of Tsushima」のヒットをきっかけとして、海外からの注目が大きく高まっています。

今回の和多都美神社によるクラウドファンディングの大成功は、それを裏付ける出来事となりました。

コロナ禍を経て、アドベンチャーツーリズムの高まりが期待でき、自然と歴史を活用したインバウンド対策が今後さらに重要となるでしょう。

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<参照>

CAMPFIRE:対馬 和多都美神社の大鳥居再建プロジェクト

ソニー・インタラクティブエンタテインメント:Ghost of Tsushima

観光庁:地域の自然体験型観光コンテンツ充実に向けたナレッジ集

JTB総合研究所:With/Afterコロナ時代に期待されるアドベンチャーツーリズム

対馬観光物産協会:スペシャルな対馬

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

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【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

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そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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