イギリスのデジタル航空情報会社、OAGによると世界での国際線の運航について、依然として通常時の10%未満にとどまるなど、厳しい状況が続いています。
しかし、ヨーロッパやアメリカ大陸市場においては、傾向が変化しつつあります。
ヨーロッパ発の路線は増加傾向にあり、5月末時点の今週は西ヨーロッパで44万席、東ヨーロッパで14万席の増加がみられました。
またアメリカーメキシコ間では2019年と比較して7.5%増加しており、コロナ禍で唯一増便した国際路線となっています。
新規航空会社の参入も控えているため、国際線市場が徐々に復活の兆しにあると言えそうです。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
世界の国際線運航、欧米で回復の兆し
OAGによると、最も利益の大きい国際線では依然として厳しい状況が続いています。
2020年1月には4,160万席分運行されていたのにもかかわらず、2021年6月8日以降7日間で運航予定の総座席数が約1,260万席にとどまるなど、国際線のサービスは激減しています。
特に深刻なのはインドを含む南アジアで、変異株の影響もあり世界で最も国際線の回復が遅れています。
日本などが含まれる東アジアでも、変異株の感染拡大により、2019年の水準と比べると航空便の座席数では20.5%減少しています。
一方、ヨーロッパやアメリカ大陸の路線については、徐々に回復傾向が表れています。
ヨーロッパ市場|西欧で44万席、東欧で14万席増加
ヨーロッパでは、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種状況や検査結果についてをデジタルで証明する「EU Digital COVID Certificate」が7月1日から利用できることを受けて、増席傾向が続いています。
またヨーロッパの人々の間でも、「夏はヨーロッパ各地に遊びに行ける」という楽観的な見方が広がりつつあります。
国家間で比較すると、ドイツ・スペイン間とドイツ・イギリス間が回復の兆候を示しています。
関連記事:EU、夏の観光再開に最終合意 7月1日からデジタル健康証明書の制度を導入
アメリカーメキシコ間、世界で唯一コロナ前より「7.5%」増席
アメリカーメキシコ間では2020年1月時点における座席数で比較すると、2021年5月現在7.5%増加しています。
これはメキシコ政府がパンデミック期においても運航を継続したことが背景としてあげられると、OAGは指摘しています。
なおアメリカ国内市場については、2月以降アメリカの国内線キャパシティは67%増加しましたが、2019年の水準を引き続き15%下回っています。
しかし国際線のサービスが回復し、乗り継ぎ便が再度利用可能となった場合には、夏の終わりまでには2019年との差が10%未満となる可能性があります。
新規航空会社も参入、新規国際路線開拓へ
さらにアメリカでは新たな航空会社、AveloとBreezeの両社がサービスを展開し始めており、競争が激化しています。
新規路線も発表されており、ジェットブルー航空はニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港からロンドン・ヒースロー空港およびガトウィック空港への運航開始を宣言しました。
最初の運航は8月に予定されています。
アジアにおいては感染拡大傾向が止まらないこともあり引き続き厳しい状態が続いていますが、欧米市場では徐々に回復の兆しが見えています。
そのため、日本も欧米からの本格的な渡航往来に備える必要があると考えられるでしょう。
関連記事
既に国外旅行解禁の国も...日本と海外のコロナ対応の差(前編)
急速に進む観光業界の「反転攻勢」日本と海外のコロナ対応の差(後編)
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
<参照>
OAG:夏季を迎えるなか、停滞する航空会社のキャパシティ
2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
2024年も残りわずかとなりました。来年2025年は大阪・関西万博が開催されるほか、中国市場の回復などもあり、今年以上の盛り上がりが予想されています。2025年に向けて、訪日旅行者へ向けたマーケティング戦略を強化していきたいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、株式会社movが毎月開催している「訪日ラボトレンドLIVE」をスペシャルver.としてお届け。今こそ知っておきたい「インバウンド×デジタルマーケティング戦略」を徹底解説します!
<本セミナーのポイント>
- 観光・インバウンドに詳しい専門家3名が登壇!
- 2025年に向けた「インバウンド×デジタルマーケティング」の戦略や施策について、「深掘り」した情報を「いち早く」「無料で」学べる!
-
質疑応答の時間もご用意。インバウンドに関する疑問・お悩みについて、専門家から直接「ヒント」を得られる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!