中国では近年ライブコマースが流行しており、ユーザー数や流通金額が拡大を続けています。そうした中、2021年4月に中国国家が管理措置を発行し、5月から施行しました。
これまで、中国国家は「ライブコマース」というビジネスモデルに対して直接的な法令などは定めていませんでした。市場が急速に発展していく中、企業が不当な利益を獲得したり責任を不十分にしたりすることがないよう、国家による監視の目が強まっていくことが考えられます。
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中国、ライブコマース管理弁法を施行
ライブコマースとは、インフルエンサーやKOLがSNSのリアルタイム配信などを通じて商品を紹介し、視聴者に販売するというビジネスモデルです。現在中国ではライブコマースが市場拡大を続けていますが、国家は2021年5月から管理措置を施行しています。
ライブコマース管理弁法とは
中国が2021年4月に発表した「インターネットライブコマース管理弁法」は、国家インターネット情報弁公室、公安部、商務部など7部門によって構成されました。5月25日よりすでに施行しています。
弁法は全30か条、全5章で構成されています。
目的は、未成年者の保護、消費者の権利と利益の保護、個人情報の保護、ネットワークなどのメカニズムと対策を確立および改善すること、そしてライブコマース産業の健全な発展を促すことなどです。
対象行為は、ビデオライブ、オーディオライブ、グラフィックライブ放送、インターネットサイト、アプリケーション、ミニプログラムを通じたマーケティング商業活動となっています。
中国のライブコマース市場、管理弁法導入でどうなる？
中国では最近ライブコマースがトレンドとなっており、市場拡大が進んでいます。
三井物産戦略研究所が2020年12月に発表した「拡大する中国のライブコマース市場」では、コロナ禍による「巣籠もり」需要の拡大も影響し、中国のライブコマースユーザー数は2020年に入り大きく増加したとされています。
同年6月末時点の同ーザー数は、3月末比4,400万人増の約3.1億人に上ったということです。これは中国の全インターネットユーザー（約9.4億人）の3割強、ネット通販ユーザー（約7.5億人）の4割強を占めます。
2017年からの推移を見ても、中国ライブコマース市場が右肩上がりに拡大を続けていることがわかります。ライブコマース市場規模、ネット通販に占める比率のどちらも急速に増加しています。
引用元：三井物産戦略研究所「拡大する中国ライブコマース市場」
ライブコマース管理弁法の目的は「より良いライブコマース市場を築くこと」です。管理弁法により、閲覧数やいいね数の虚構や改ざんは禁止されることになりました。
また、ライブコマースの場となるプラットフォームに対しても、法規制に違反したマーケティング担当者などはブラックリスト登録することが義務付けられています。
これまで直接の法令などがなかった「ライブコマース市場」にライブコマース管理弁法が導入されたことで、今までなかった監視の目にさらされることになります。ライブコマースを展開している企業やインフルエンサーは、これまで以上に慎重な姿勢が求められるでしょう。
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＜参照＞
JETRO：ライブコマース管理弁法を発表、管理規制強化の動き
Cyberspace Administration of China（国家インターネット情報弁公室）：网络直播营销管理办法（ライブコマース管理弁法）
三井物産戦略研究所：拡大する中国ライブコマース市場
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