イギリスのデジタル航空情報会社、OAGの7月30日の発表によると、世界での国際線のキャパシティは、ヨーロッパなどでも感染が拡大し始めた2020年3月16日以降で最大となりました。
また欧米を中心に多くの国がロックダウンを緩和するなか、国際線のキャパシティが過去10週間で80%以上増加しています。
またいくつかの主要市場が今後数週間で規制を緩和することから、国際線のキャパシティは7月最終週までに週2,400万席となり、現時点よりもさらに400万席増える見込みです。
ただし変異株の影響で感染が拡大し、規制を強めている国もあることからキャパシティは今後も大きく変動しそうです。
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国際線の座席数、過去10週間で80%以上増
OAGは地域別定期航空便キャパシティ、国別キャパシティを発表しました。
地域別では1位が北東アジア、続いて北アメリカ、西ヨーロッパとなっています。また国別では1位がアメリカ、次いで中国、ロシアとなり、日本は7位となっています。
OAGによると、日本を含む北東アジア地域では約93万席が追加され、現在のところ世界のキャパシティの4分の1以上を占めています。
この地域の主要3カ国の市場は全て、国内線市場の規模の大きさから利益を得ています。
北東アジア地域で現在提供されているキャパシティの実に97%が国内線向けであり、国際線のキャパシティは2020年1月の640万席と比べて、7月はわずか71万6000席でした。
中国をみると、中国におけるキャパシティはここ数週間で増加しています。6月初めと比較すると300万席増加という結果になりました。機体の平均稼働率は低いものの、座席数を必要に応じて増減させることにより収益を上げられています。
また国際線市場で最大規模を誇る西ヨーロッパでは、約1020万席が提供され、この地域の国内線を含めた全座席数のうち国際線が3分の2を占めています。
夏の旅行シーズンのピークを前に旅行客が海辺の行楽地に向かうため、この国際線のキャパシティのうち大部分を占める70%が、西ヨーロッパ地域内で提供される予定です。
また西ヨーロッパすべての主要市場で、前週よりキャパシティが増加しています。
ただし、これら以外の地域では変異株を含む感染拡大があり減少傾向が続いています。東南アジア地域で26%減、アフリカ南部地域で14%減、南西太平洋地域で11%減となりました。
特にインドネシアではロックダウンが開始されたことによりキャパシティが急減しています。
またオーストラリアでは、ロックダウンが開始されたことに加え、主要航空であるカンタス航空は2022年まで国際線の運航を停止することを発表しています。
アメリカ、中国が航空会社のキャパシティ数多く
また、OAGは航空会社のキャパシティに応じたランキング付けをしています。1位はアメリカン航空となり、それ以降もアメリカや中国の航空会社が続きました。
これらの航空会社の特徴として大規模な国内線市場があるということが見受けられます。
一方、全日空や日本航空などは依然コロナの影響が大きく、コロナ前のような運行状況に戻るのはかなり先になると見込まれます。
東京五輪が開催されているとはいえ、日本の国内線、国際線のキャパシティはそれほど多くなく、コロナ禍からの回復にはなかなか時間がかかりそうです。
しかし北東アジア地域では国内線市場が活発に動いているため、規制が緩和されたときには近隣諸国から多くの観光客が訪れることが予想されます。
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<参照>
OAG:世界的のキャパシティ、8000万席の大台に届かず
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
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