「#開国しなさいニッポン」沸き起こるシュプレヒコール…現代の”鎖国“非難する彼らの言葉からわかること。

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「#開国しなさいニッポン」、Twitter上でこのハッシュタグをつけたツイートがタイムラインに溢れています。

Yahoo!リアルタイム検索によると、過去30日間でこのツイートは1,760件呟かれています。日本では、9月末に全都道府県への緊急事態宣言が解除され、10月25日には東京、大阪でも飲食店に出されていた時短要請も解除され街に活気が戻りつつあります。

一方で、その日本に対しての外国人を中心とした声が、Twitter上で湧き上がっているのです。「#開国しなさいニッポン」が盛り上がっている背景を見ていきましょう。

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「#開国しなさいニッポン」流行のワケ

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、一時期は硬く閉ざされていた世界各国の国境も、ワクチン接種完了を条件に外国人の入国・入境を受け入れる動きが活発化してきています。

フランスではEU域外からの渡航者もワクチン接種証明を提示すれば隔離不要で入国することができ、米国政府も外国から空路で入国する渡航者に対し、11月上旬からワクチン接種完了を条件に隔離なしの入国を認めることを発表しました。

タイやインドネシアでも、低リスク国からのワクチン接種完了者であれば観光客も隔離なしで受け入れるとしています。

このように世界が入国規制緩和へと動き出しているなか、日本政府は外国人の入国についても依然として厳しい制限措置をとっています。在留資格をすでに持っている人や、日本人の配偶者がいるなど「特段の事情」のある外国人を除いて、原則すべての国と地域からの外国人の入国を認めていません。

「#開国しなさいニッポン」のツイートの背景には、このような厳しい措置をとり続ける日本に入国したいと思っている外国人の姿があります。主に日本で留学を希望する学生や日本で働きたい人々が積極的に発信しており、Twitter上での一つの動きとなっています。

関連記事:【入国制限まとめ】10/25更新:入国後の待機期間を変更/日本・世界のコロナ対策渡航制限 最新情報が一目でわかる一覧表

▲#開国しなさいニッポンのツイート:Twitterより


日本に入国することができない留学生

現在日本へは観光目的での入国は一切認められておらず、外国人が入国するためには、「留学」や「技能実習」といった法務省が発行する在留資格認定証明書を申請してもらった上で、外務省が発行するビザを発行してもらう必要があります。しかし新規ビザの発給は原則停止しているめ、日本に来たくても来ることができない外国人が多くいます。

法務省の出入国在留管理庁では、2020年1月以降から57万8,000人に認定証明書を交付したものの、新型コロナウイルス対策の水際対策でビザが発行されず来日できていない外国人が10月1日時点で約37万人もおり、その7割が技能実習生や留学生ということです。

現在、国費留学生など一部が特例で認められていますが、留学生の95%を占める私費留学生は原則入国できない状態。出入国在留管理庁発表のデータによると、2021年の上半期は日本への新規留学生は7,078人で、2019年同期の6万1千人より約9割減となっています。

G7加盟国において、現在、外国人留学生の新規入国を原則認めていない唯一の国が日本なのです。 ▲女子留学生

日本の大学へ留学しているにも関わらず入国が許されず、自国からオンラインで授業を受けている学生が多勢います。

「#開国しなさいニッポン」のリツイートからは彼らの疲れや戸惑い、失望感が伝わってきます。

日本時間に合わせて深夜から早朝まで時差と戦いながらオンライン授業を受けることによる疲れ。リアルでも始まっている講義では、発言者の声が聞き取れなかったり、チームでのワークにも参加しづらいといったハイブリット授業の難しさ。何より楽しみにしていた日本の学校でのキャンパスライフや暮らしを体験できないオンライン留学の寂しさや、このまま日本に入国できないのなら他の大学を受け直した方がいいのか…といった思い詰めたツイートもみられます。

長年思い描いていた留学後の日本での就職の見直しなど、彼らが直面する現状が見えてきます。

そんな彼らのリツイートの言葉に共通する思いは「政府に明確なタイムラインを示して欲しい」ということです。新規の在留資格がいつ許可されるのか、日本政府が一向に「いつ水際対策が緩和されるのか」を明確にしない点に、彼らは不信感を募らせています。

「政府は検討します、を繰り返すばかりで私たちはいつまで待てばいいの?あと1年?2年?一日の感染者数がこれくらい減ったら入国制限を緩和する、ワクチン接種率が何%を超えたら外国人を受け入れる、などタイムラインを明らかにしてほしい」「なんで曖昧にするんだろう。はっきり言って欲しい!!!開国しないと日本も不利益になるのに、なんで戸惑っているの!?何年迷うの!??」と訴える声もあります。

日本政府の見解は?

日本政府は、海外からの入国制限を段階的に緩和する方針を打ち出してきました。

10月には、これまで海外からの入国者に求めていた14日間の自宅待機期間を10日間に短縮するなど、徐々に制限は緩くなってきてはいます。

しかし、「#開国しなさいニッポン」をツイートする外国人の希望である、新規のビザの発給がいつ本格的に再開されるの正式発表はまだありません。

21日、日本政府に対して留学ビザ発給と新規入国の停止措置の解除を求める米大学教授ら656名からの要望書を、米ニューヨークの日本国際基督教大学財団のポール・ヘイスティング氏が在ニューヨーク総領事館に提出しました。

ハーバード大やプリンストン大などの米国名門大学など各国の大学教授や学生ら656名が署名した要望書は、日本からの学生の海外留学は再開されているにも関わらず、日本への留学生を受け入れていないことは「日本の大学の国際化の進化を逆行させるもので、日本の教育機関の評価が国際社会において下がることになる」と指摘しています。

米ニューヨーク 総領事館 要望書 日本国際基督教大学財団 ポール・ヘイスティング氏(左)山野内総領事
▲米ニューヨーク総領事館で要望書を提出した日本国際基督教大学財団のポール・ヘイスティング氏(左)山野内総領事:同財団提供

政府は、31日に投開票が行われる衆院選の結果を受け、水際対策を段階的に緩和していく方針ですが、まずは行動範囲を限定できる短期出張者を対象としたものになっていく見られています。それ以外の外国人の新規入国には感染再拡大につながりかねないと、慎重な姿勢をとっています。

過去30日間で「#開国しなさいニッポン」のハッシュタグをつけたツイートが1,760件呟かれていることから分かるよう、現代の「鎖国」状態にある日本にそれでも留学したい、働きたいと希望する外国人が多いことも事実です。彼らが日本へ来るの夢を諦めてしまわないよう、一日も早い入国規制の緩和が国の外からも求められています。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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