「教育旅行」意外と知らない真の意義とは

教育旅行とは、観光分野における人材育成を目指した教育のことです。

本記事では、教育旅行の意義や訪日向けの教育旅行について解説します。

教育旅行とは|修学旅行をはじめとした学習の機会

修学旅行をはじめとした教育旅行が、なぜ学生のうちから実施されているのか説明します。

観光立国実現のため 日本の観光意義を学生のうちから教育

観光庁観光立国を実現するため、観光を「地方創生への切り札、成長戦略の柱」として重視しています。

また観光は、その裾野の広さと経済波及効果の大きさを活かして、日本のあらゆる地域社会を活気づける役割を担っており、修学旅行も学生時代の思い出作りにとどまらない明確な意義を有しています。

成長の早期段階にある学生のうちから、地域固有の文化や歴史、観光による交流の意義や経済的な効果等を学ぶ教育を推進することで、観光の意義への理解を深め、日本や地域の愛着と誇りの形成を図ることが、教育旅行の大きな目的です。

学習の見直し|求めるのは観光産業を変えていくような人材

観光庁が令和2年度に開催した、初等中等教育における教育旅行の推進に関する協議会に参加した委員からは、以下のような意見が出ています。

まず人材像については、観光を支える人材だけでなく、観光に関わることでどう人が育つのか考える必要があるとして、観光を通じて人々の交流を深め、地域を活性化していくことへの理解を示す市民社会の形成が必要だとしています。

また観光を様々な産業が関わる基幹産業として広めていくため、日々の生活との関連性や貿易立国としての視点、産業構造についても学んでほしいとしています。

地方の将来の指針にも大きく関わっており、「観光産業としての教育旅行」から「社会における観光教育」への意識の転換が求められています。

さらに現在必要な人材だけにとどまらず、産業を変えていく人材を育成する必要性も言及され、狭義の観光産業だけではなく、金融・不動産・農林水産など様々な産業をヒアリング等で巻き込んでいくべきとしています。

「何を学んでもらうのか」「どのように学んでもらうのか」としいう視点では、WHATとして経済面やインバウンドSDGs、人生を楽しむための旅などが、HOWとしてアクティブラーニングや地域連携、高大連携などが挙げられました。

新学習指導要領にどのように取り入れるのかという点については、「総合的な学習の時間」や「総合的な探求の時間」にどのように取り入れていくのかが議論され、「観光ビジネス」科目を大いに活用して教育旅行の認知度を上げる必要性があるとしています。

これまでの教育は成長過程で学びが分断されており、例えば高校で学ぶ国語や社会が、大学での学びにどうつながるのかイメージしにくいといった課題がありました。

今後はより縦の連携(小中高)と横の連携(地域)が重要となり、観光庁はこれまでの教育旅行を評価するとともに、観光教育の意義をあらためて確認することや、目的と方向性を共有し観光教育を更に普及するためのプログラム開発などに取り組むことが重要だとしています。

訪日教育旅行|学習の機会は海外の学生にも

訪日教育旅行とは、教職員などの引率のもとで行われる、海外の学校に通う児童や生徒による訪日(インバウンド団体旅行のことです。

学校教育の一環として行われ、修学旅行とは区別されます。

訪日教育旅行のメリットは

日本は安全性の高さや教育素材の豊富さから、教育旅行の訪問地として人気があります。

コロナ禍以前は、海外の多くの青少年が「国際交流」や「語学習得」、「異文化学習」など独自の学習テーマを持って日本を訪れてきました。

訪日教育旅行を受け入れるメリットとしては、児童・生徒と学校にとっての「教育的メリット」と、地域にとっての「経済的メリット」が期待されます。

児童・生徒への効果としては、国際理解教育の促進のほか、実践的な英語学習や、主体的・対話的で深い学びの実現が挙げられます。

学校の効果としては、地域社会との連携強化のほか、継続的な国際交流の足掛かりとなり、また地域への効果としては将来の観光リピーター獲得による地域振興への期待が挙げられます。

今後の訪日教育旅行における課題は

コロナ禍の現在、対面での訪日教育旅行は中断されており、オンラインでの交流が実施されています。

日本政府観光局JNTO)では、日本全国で訪日教育旅行の受け入れを担当している組織・団体(都道府県の観光部署や観光振興団体など)に対し、2020年度の訪日教育旅行の受け入れに関するアンケート調査を実施しました。

その調査結果からは、オンライン交流を含む学校交流の今後の課題が見えてきました。

まずコロナ禍が落ち着き対面での学校交流の受け入れを再開する場合、どのような安全対策を行うのか、再開を判断する基準や安心安全な交流を行うためのガイドライン作成などが必要となります。

またオンライン交流を行うための環境の整備として、インターネット環境の整備や通信用デバイスの確保などが必要で、公立校など学校や地域での設備格差をめぐる課題なども浮き彫りとなりました。

さらに今後オンライン交流を希望する学校が増えても、海外の学校との交流に積極的な学校が少ないなど、互いの要望に応えられる学校斡旋に関する課題も挙げられました。

教育旅行再開に向けて、改めて意義の理解を

コロナ禍が落ち着きを見せ始め、海外では渡航制限を解除する国が増えてきています。

新型コロナウイルス感染拡大が収束し、国内での教育旅行や対面での訪日教育旅行が再開する前に、改めて教育旅行の意義を理解することが重要です。

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<参照>

観光庁初等中等教育における観光教育の推進に関する協議会

JNTO訪日教育旅行ガイド

JNTO2020年度 訪日教育旅行実施状況に関するアンケート調査の公表

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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