農水省「食かけるプライズ2021」表彰式・交流会が開催 インバウンド需要回復を見据え、多くの魅力的なプロジェクトが受賞

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11月22日、農林水産省が主催する「食かけるプライズ2021」の表彰式・交流会が実施されました。

食かけるプライズ2021」とは、日本各地の食・食文化を深く知ることができる魅力的な食体験を表彰するものであり、今年で3回目の実施となります。

コロナ禍でも食の体験を磨き上げ、上質なコンテンツに昇華させた国内各地の受賞団体を紹介します。

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「食かけるプライズ2021」表彰式、全15事例の団体を表彰

食かけるプライズ2021」は、今回受賞が決定した15事例の団体に対する表彰式から始まります。

表彰式では主催者代表として、農林水産省大臣官房 審議官の安楽岡 武氏よりご挨拶がありました。

安良岡氏は、農林水産省として現在1兆円の輸出を2030年には5兆円にという目標を踏まえ、食かけるプライズによってインバウンドと輸出の好循環を作っていく効果を期待する」とコメントしました。

▲食かけるプライズ2021表彰式・主催者挨拶より農林水産省大臣官房 審議官 安楽岡 武氏

本年度の受賞事例一覧

本年度は、全175の応募事例のうち、15事例が受賞しました。

賞名

体験場所・所在地

団体名・企業名

表彰事例

食かける大賞

神奈川県

BentoYa Cooking

ヴィーガン和食でサステナブルな食体験を!

食かける賞 栃木県

有形文化財ホテル 飯塚邸(株式会社大田原ツーリズム) 

食x田舎の心:農家でお食事体験

食かける賞

群馬県

公益財団法人前橋観光コンベンション協会

食×ローカル線×発酵 上毛電気鉄道沿線旅

食かける賞

東京都

Wakalture Experience

食×書道×ローカル友達作り♪

食かける賞

神奈川県

わしょクック株式会社

オンラインで世界と繋がる食×アニメ×弁当

食かける賞

新潟県

十日町市教育委員会文化スポーツ部文化財課

十日町縄文ツアーズ

食かける賞

岐阜県

馬瀬総合観光株式会社

清流馬瀬川伝統漁法火ぶり漁と馬瀬川上流鮎

食かける賞

岐阜県

みたけ華ずしの会

食×みたけ華ずし×中山道ぶらり散策

食かける賞

京都府/東京都

BOJ株式会社

舟屋だけではない、伊根の食と地酒を堪能!

食かける賞

三重県

まるてん有限会社(かつおの天ぱく)

御食つ国で和食の原風景に出会う

食かける賞

奈良県

Village to Table Tours

食×発酵 3日間の発酵ステイプログラム

ネクストブレイク賞 神奈川県

鎌倉BENTO COOKING

食×サステイナブル

ネクストブレイク賞

京都府/東京都

株式会社ワントリップ(旧名㈱インテージア

食×発酵ツーリズムHaccoを世界語に!

特別賞

北海道

テンザホテル&スカイスパ・札幌セントラル

もったいない野菜をおいしいごちそうに!

特別賞

京都府

MATA TABI

地酒x地元木材で作るマイカップで飲み比べ

審査委員座長 田中里沙氏によるご講評

食かけるプライズ2021」では、受賞者の選定に携わった審査委員の方々の紹介もありました。

紹介のあった審査委員の方々は以下の通りです。

  • 田中 里沙氏 (事業構想大学院大学 学長)
  • 大羽 昭仁氏 (株式会社未来づくりカンパニー 代表取締役)
  • 楠本 修二郎氏(カフェ・カンパニー株式会社 代表取締役社長)
  • 小西 利行氏 (株式会社POOL 代表取締役)
  • 西川 太郎氏 (株式会社JTB 地域交流事業推進担当部長)
  • 伏谷 博之氏 (タイムアウト東京代表 ORIGINAL Inc. 代表取締役)
  • 牧野 友衛氏 (株式会社グッドイートカンパニー 取締役 CSO)
  • 内田 冨美夫氏(株式会社RE&S Japan 代表取締役)

また表彰式では、審査委員を代表して事業構想大学院大学学長の田中里沙氏よりコメントがありました。

田中氏はコロナ禍で行われる活動への苦労についての理解を述べた上で、「コロナ禍だからこそ美味しいものと出会いたい、その場所にいかないと食べれないものを食べたい」という人々の思いの強まりを強調し、改めて食文化を磨き上げ、発信していくことの重要性についてお話されました。

▲食かけるプライズ2021表彰式・全体講評 審査委員座長 田中里沙氏
▲食かけるプライズ2021表彰式・全体講評 審査委員座長 田中里沙氏

受賞団体によるプレゼンテーション

全15事例の受賞した団体・企業によるプレゼンテーションも実施されました。

ここでは、受賞枠ごとに複数団体を取り上げてプレゼン内容をご紹介します。

食かける大賞/「ヴィーガン和食でサステナブルな食体験を!」

食かける大賞とは、応募事例の中で最も趣旨に沿った最も優れたプロジェクトに与えられる賞です。2021年の食かける大賞は、一般社団法人日本ヴィーガンベジタリアン和食料理教室協会、BentoYa Cookingの「ヴィーガン和食でサステナブルな食体験を!」でした。

BentoYa Cookingは、「野菜だけで作る、再現可能な和食を世界に!」をコンセプトに、専任講師(全国に15名)による、外国人向けヴィーガン和食料理教室を英語で開催しています。

ヴィーガンの外国人の方でも安心して日本食を楽しめることや、地球環境問題・サステナビリティなど、直面する社会問題を考えるきっかけになるような料理教室を提供している点が特徴です。

▲食かけるプライズ2021表彰式・食かける大賞 BentoYa Cookingの「ヴィーガン和食でサステナブルな食体験を!」

食かける賞/「十日町縄文ツアーズ」

食かける賞は、応募事例の中で優れた食体験を提供していると評価されたプロジェクトに与えられる賞です。

全10事例が食かける賞を受賞しました。ここでは、新潟県十日町市十日町市教育委員会文化スポーツ部文化財課の事例を取り上げて紹介します。

十日町縄文ツアーズは、新潟県の誇る縄文の至宝・火焔型土器(国宝)にまつわる衣食住を体験できるツアーです。

復元弓矢を使った縄文狩猟体験、縄文レストランで現代風にアレンジされた縄文フルコース+火焔型土器鍋を提供するというもので、体験者は縄文文化を体験しながら学ぶことができます。

▲食かけるプライズ2021表彰式・食かける賞 新潟県十日町市十日町市教育委員会の「十日町縄文ツアーズ」

特別賞/「もったいない野菜をおいしいごちそうに!」

特別賞は、「持続可能性や食の多様性への対応等社会貢献に資する食体験」として評価された賞です。今回、全2事例が特別賞として表彰されました。

ここでは、北海道のテンザホテル&スカイスパ・札幌セントラルによる「もったいない野菜をおいしいごちそうに!」を取り上げ、紹介します。

北海道のテンザホテル&スカイスパ・札幌セントラルは、2021年春から地産地消メニューを開発し、ホテルの朝食メニューに札幌市の農家で取れる、規格外野菜を使用することでフードロス削減に貢献しています。

▲食かけるプライズ2021表彰式・特別賞 テンザホテル&スカイスパ・札幌セントラルの「もったいない野菜をおいしいごちそうに!」

審査委員と受賞事例の代表者との対談も

受賞事例によるプレゼンテーションの後には、今回審査に携わった各業界の専門家でもある審査委員の方々と、受賞事例の団体の代表者との対談も実施されました。

ここでは食かける賞を受賞したVillage to Table Toursと審査委員の大羽 昭仁氏の対談について紹介します。

Village to Table Toursは奈良県での「3日間の発酵調味料ステイプログラム」として、案内人による英語でのツアー案内により和食の基本となる調味料の作り方を学ぶことができるものです。

料理研究家、シェフ、発酵愛好家など食に関心のある外国人をターゲットとしており、まさに日本の食文化を海外に持ち帰ってもらうという目的に沿ったツアーとなっています。

大羽 昭仁氏との対談の中ではツアーにおける訪日外国人による質問のされ方についてが話題となり、外国人は予想以上にたくさんの、そして思わぬ角度からの質問をしてくることがあるため、訪日外国人を受け入れるときにはそういった質問への心構えも重要だということが語られました。

▲食かける賞を受賞したVillage to Table Toursと審査委員の大羽 昭仁氏の対談


より磨きのかかるインバウンドの食体験、世界へ発信

今回の「食かけるプライズ2021」の表彰式・交流会でも紹介されているように、コロナ禍の中でも日本国内の「食の体験」はより磨きがかけられています。

そして十日町市の縄文ツアーズの受賞から見受けられるように、コロナ禍というある種の「準備期間」が生まれたことで、日本人が日本の観光資源についてより深く見つめ直す時間も生まれたのではないでしょうか。

また体験の磨き上げには世界の価値観の潮流を意識し、サステイナブルな視点を取り入れることもまた、訪日客を受け入れる上で重要な要素となっていると考えられます。

今回すべての受賞事例を詳細に紹介することはできませんでしたが、どの受賞事例もインバウンドの先進事例として、大変魅力的なコンテンツでした。

この「食かけるプロジェクト」によって、より日本の食体験の魅力がより深まり、世界に発信されることに期待します。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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