2022年が始まりました。日本では1月1日を正月として連休となりますが、中国では旧正月を祝う事が一般的です。この旧正月を中心とした連休のことを「春節」と呼び、中華圏では毎年大々的に祝われています。
この記事では2022年の春節の様子について、日程や祝われ方を改めて確認するとともに、主に中国内での人流の移動について予想します。
なお、昨年の春節の様子については以下で紹介しています。
関連記事:今年の「春節」中国の様子は?大都市ホテルの予約300%増・日本舞台の映画売上1位に・お年玉はデジタル送金(2021年)
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春節とは
春節とは中国・中華圏における旧暦の正月です。中国本土を中心に、香港や台湾などでも祝われています。祝日や休暇については、毎年変動しており今年は2月1日が旧暦の元日にあたります。
正月に伴う休暇について、中国政府の公式発表によると今年は1月31日(月)から2月6日(日)が休日となります。振替出勤日として1月29日(土)と1月30日(日)が当てられています。
なお、今後の日程については以下の通りです。この日程の前後にある休暇の正式な日程については、前年の11月までに中国国務院(中央政府)から発表がなされます。
2022年の春節 | 2月1日 |
2023年の春節 |
1月22日 |
2024年の春節 |
2月10日 |
2025年の春節 |
1月19日 |
2026年の春節 |
2月17日 |
なお、中国には春節以外にも「国慶節」など大規模な祝日があります。その日程については、以下を確認してください。
関連記事:【2022年】中国の休日・祝日カレンダー
春節の祝い方
春節のメインカラーは赤で、毎年この時期になると街中が赤色で染まります。現地紙によると、今年も街中では赤色の提灯などの飾りつけが行われています。また下着などにおいても、赤を身につけることで幸運を呼ぶとされています。
また日本と同様に、年越しには様々な行事が行われます。一般的な過ごし方について、時系列で説明します。
1月24日~30日 | 帰省開始、大掃除や買い出しなど ※法定休日ではありません。 |
|
1月31日 | 除夕(大晦日) |
家の飾りつけ、魚(繁栄を意味する)や餃子(富をもたらすことを意味する)「団欒飯」と呼ばれる大晦日の晩餐、 |
2月1日 | 春節(元日) | 深夜に魔除けの意味をこめ爆竹や花火を鳴らす、お年玉を渡す |
2月2日、2月3日 |
初二、初三 |
日本の「三が日」に相当し、知人訪問や、来客歓迎などを行う |
2月4日~2月6日 |
初四、初五、初六 |
徐々に日常生活へ ※今年の場合、法定休日は続いています。 |
2月7日~2月15日 |
初七~十五(元宵節) |
休日が明け仕事始め、Uターンラッシュによる混雑 初八を「8」という数字の縁起を担いで営業再開日にするところもあります。 |
中国の名物番組「春節聯歓晩会」と「お年玉」
ここで春節聯歓晩会について解説します。
春節聯歓晩会とは除夕(大晦日)~春節(元日)の年越しのタイミングで、CCTVを始めとして全国で生中継される番組のことです。日本の「紅白歌合戦」にあたるものとされています。
その出演者数、放送時間、視聴率、視聴者数はギネス世界記録にも認定され、毎年多くの人が視聴しています。
2015年に中国でよく利用されているSNS、WeChatの開発を行うテンセントが電子お年玉を配布したことでも人気になりました。
また2021年には、TikTokの開発を行うバイトダンスが視聴者に専用アプリを通じて総額12億元(約197億円)のお年玉を電子データで配りました。
なお中国では、お年玉に関して個人間で送り合う際にも「WeChat Pay」などのオンライン決済サービスがよく利用されています。
ちなみに新型コロナウイルス禍以前では、春節の休暇に合わせ、多くの中国人が来日していました。
春節を締めくくる「元宵節」
今年は2月15日にあたる、春節(元日)から15日目には元宵節(げんしょうせつ)が存在します。日本でも「小正月(こしょうがつ)」として、「どんと焼き」などが行われる日にあたります。
元宵節は、旧暦新年の最初の満月の日にあたり、元宵節が過ぎると春節は終わりを迎えます。各地で飾りをつけた提灯を見て、元宵(あんこの入った団子)を食べながら一家団欒をして過ごすことが一般的となっています。
2022年の春節の様子
平常時であれば帰省や旅行などで多くの人が移動し賑わうものの、新型コロナウイルスの影響で今年は様変わりしそうです。
また北京五輪の開催を控え感染者数を減らしたい思惑も見られるため、人流が大幅に抑制される可能性もあります。
中国政府、春節時の移動を制限
中国政府は、今年の春節について移動を制限する旨を発表しています。
中国国家衛生健康委員会(NHC)は昨年12月18日の記者会見の際に、帰省をなるべく控える旨の発表をしました。「ゼロコロナ」を目指す中国政府の意識が表れていると考えられます。
また、各地域でも元旦・春節にかけて帰省をやめるような呼びかけが行われました。
特に北京では、感染者が1人でも出た地域からの入境に際して、PCR検査や2週間の健康管理を義務付けられています。
上海でも、不要不急への市外への移動は控えるよう呼びかけられ、行事などを計画しないように求めています。
河北省では、党・政府機関関係者などは今いるところで年越しをするよう呼びかけられました。
海外各紙によると、このような政府の対応を受け今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため帰省、それに伴う移動が減少すると見込まれています。
なお、台湾でも同様に海外からの入境者に対する規制が実施されています。海外から入境する場合には14日間の隔離が義務付けられています。
春節期間中に北京五輪が開催、感染者数抑制へ
さらに、中国政府による先月20日の記者会見でも言及された通り、まもなく中国では北京冬季オリンピック・パラリンピックが開催されます。
オリンピックは2月4日に開会式を迎え、2月20日に閉会します。つまり、開会式から数日は春節の期間とバッティングすることになります。
移動が相次ぐと感染リスクは高まることから、このような大規模イベント開催にあたり、感染者を減らしたい思惑があると考えられます。
鉄道切符は販売開始
しかし、春節の休暇に向けてすでに鉄道関連のチケットは販売されています。
中国では春節に当たり「春運」という特別運行が実施されます。現地紙によると、2022年の鉄道の春運は1月17日から2月25日までの40日間です。
1月17日に、大晦日に当たる1月31日の列車チケットの発売が開始されます。
今年の春運に関しては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ピーク時を避けるよう呼びかけられています。またオンラインサービスを拡充し、払い戻しにも発車時刻まで対応するということです。
なお鉄道の利用者数を見ると、今年は昨年よりも大幅に増加しています。中国国家鉄路集団有限公司によると、2022年の春運期間中の鉄道利用者は前年同期比28.5%増で、延べ2億8000万人に達すると予想されています。
このように、新型コロナウイルス禍であった昨年よりも多い利用者数が見込まれていることから、人流は一定程度抑制されるものの、その数値については読めない部分も多くあります。
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