パンデミックが始まってから2年が経ち、世界各国ではウィズコロナとして感染抑制と観光再開を両立させる動きが広まっています。
ヨーロッパでは4月の航空利用率がコロナ前である2019年4月の82%程に回復、アメリカでもアウトバウンド再開の流れが目立っています。
ヨーロッパ、アジア、日本の各地域における今後の観光の動きはどのように変化しているのか航空量のデータや旅行の予約量の視点から紹介します。
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ヨーロッパ、コロナ禍以前より航空量約80%回復
航空交通管理組織であるEurocontorolの2022年4月のデータによると、ヨーロッパにおける航空交通は2019年のレベルの80%以上に回復しています。
先週の航空利用率は2019年の82.5%に達しており、特に格安航空会社(LCC)であるライアンエアーとウィズエアーが成長を牽引しています。
ライアンエアーの4月3週目の運航便数は2019年の同じ週に比べ10%増加、ハンガリーを拠点とする格安航空会社ウィズエアーでも運航便数が2019年に比べ17%増加しています。
ヨーロッパにおける運航便数上位10社のうちの残り8つの航空会社は未だ2019年の運航便数を下回っています。
主要航空会社であるルフトハンザ、ブリティッシュエアウェイズ、エールフランス、KLM、SASはすべて2019年の同じ週より約20%少ない運航便数で稼働しています。
空港の利用者数も回復しており、イギリスの空港での発着便は1日あたり平均4,771便です。これは2019年の利用便数の約82%を占めています。
各空港や航空会社でばらつきはありますが、ヨーロッパでの空港は着実に回復し続けています。
アメリカでは国内観光に次いでアウトバウンドの需要も増加
旅行保険会社であるAllianzPartnersによると、2022年の春休みの旅行予約は2021年の予約と比べて134%増加しました。春休みの旅行の予約の8割が米国内での旅行を予定しています。
2022年2月18日から4月18日までの間に計画された5-8日間の旅程を分析したところ、ディズニーワールドがあるオーランドが6年連続で1位。フロリダの都市からも4つランクインしています。
また、ニューヨークやロサンゼルスなど、主要な大都市への旅行が約6倍に増加しています。
国際観光は依然として入国制限などの規制により未だ大きな回復は見られません。
しかし、航空会社による路線の再開や、観光客が2年間の間旅行体験を求めていたことにより需要は増加しています。海外の人気観光地はメキシコの都市が1位から3位にランクインしています。
日本では国内観光が主流に 国内ホテルの検索ボリューム244%増加
日本における国際観光回復の動きは未だ見られていません。
しかし国内旅行の需要は高まっています。
世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー」の日本語版サイトの利用状況データによると、2022年のゴールデン期間中の国内旅行に関する検索ボリュームは昨年同時期と比べると増加しています。国内ホテルの検索は昨年比で244%上昇しました。
行動規制の緩和やワクチン接種の普及率に加え、昨年より平均宿泊費が下がっていることもゴールデンウィーク中の旅行を後押しする要因になっています。
2022年ゴールデンウィークの人気観光地には箱根町(1位)や函館市(4位)熱海市(8位)等、温泉や自然が多い場所が多くランクイン。
ユニバーサル・スタジオジャパンや海遊館等の観光施設も充実した人気都市である大阪市(10位)や、東京ディズニーリゾートのある浦安市(2位)も人気観光地としてランクインしています。
海外では規制を緩和し、国際航空も再開しています。しかし日本では訪日観光客受け入れ再開の動きは見られず、ゴールデンウィークも国内観光が主要になるでしょう。
今後の国際観光の動きは
日本では未だインバウンド観光再開の動きがが少ないため国際観光回復の動きを実感することは少ないですが、各国の航空量のデータや春の旅行予約を見ると、インバウンド・アウトバウンド共にコロナ前の水準に戻りつつあります。
日本でのインバウンド事業再開へ向けて、各国の国際観光再開における動きを注視していくことが重要でしょう。
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<参照>
BTN EUROPE:European flights recover to 80 per cent of 2019 levels
TRAVEL WEEKLY:Americans' travel to Europe expected to increase sixfold this summer
Allianz Partners:Spring Break Bookings Skyrocket as Americans Flock to Warm Weather Destinations
Tripadvisor:トリップアドバイザー、2022年ゴールデンウィークにt直すめる文化観光ツアーと人気観光地を公開
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2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
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