インバウンドの食体験向上・食材輸出拡大へ 農水省「食かけるプライズ2022」表彰式【イベントレポート】

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2023年2月8日、「食かけるプライズ 2022 表彰式・交流会」が東京ビッグサイトで開催されました。

食かけるプロジェクト」は、訪日外国人に日本の食と歴史や自然等の異分野とを掛け合わせた多様な食文化を提供するとともに、帰国後の日本食の再体験による日本産食材等の輸出拡大につなげることを目的とする取り組みです。

各地域に根ざした特産品や文化をブラッシュアップし上質なコンテンツに昇華させた、国内各地の受賞団体を紹介します。

農水省「食かけるプライズ2022」表彰式
▲農水省「食かけるプライズ2022」表彰式:編集部撮影


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「食かけるプライズ 2022」、全10事例の団体を表彰

2022年5月から7月にかけて行われた体験事例の募集で101件の応募があり、外部審査員等による審査の結果から、表彰される10件が決定されました。

農林水産副大臣の勝俣 孝明氏の挨拶では「日本に来られる外国人の方がもっとも楽しみにされているのは、日本の食と言われています。さらに旅行者のニーズとして、生産している場所を訪問して体験したい、生産者の話を聞きたいと希望する方も多いと聞いています」とし、その上で「地方を訪れ日本の食文化を体験するニーズは、ますます高まっていくのではないかと考えています」とコメント。

2030年における農林水産物、食品の輸出額5兆円という大きな目標のもと「インバウンドと輸出の好循環に向けてしっかりと確実に前進させていきたいと考えている」とも述べました。

食かけるプライズ 2022
▲「食かけるプライズ 2022」、全10事例の団体を表彰:編集部撮影

本年度「食かけるプライズ 2022」選考基準

なお、「食かけるプライズ 2022」の選考基準は、以下の通りです。

  • 「食×〇〇」と説明できるような食と何かが絡んだ体験であるか。
  • 訪日観光客にとって魅力的な体験事例か。
  • 日本の食の魅力が十分に伝わる取組であるか。
  • 体験事例を通じて地域産品の消費(輸出)につながる取組であるか。
  • 輸出につながる食品・食材を利用した取組であるか。
  • ターゲット国を明確にしているか。
  • 持続的な訪問実績が見込める取組であるか。

受賞者には、以下のような副賞も用意されています。

  • PR 動画の制作(1分程度/本)
  • 訪日外国人向け旅行商品販売サイト等における情報発信
  • 体験コンテンツを商品化するための専門家等の派遣
  • 体験商品・コンテンツに関する農林水産物・食品の輸出商品化に向けた磨き上げ、販路開拓支援及び越境 EC への掲載支援
  • 食体験の先進事例発表会での紹介

インバウンドで外国人客を呼び込もうと、訪日意欲をかき立てるような食と異分野を掛け合わせた体験であることが選考のポイントになっています。

本年度「食かけるプライズ 2022」受賞者

今回の受賞者一覧は、以下の通りです。

【食かける大賞】

体験地

表彰事例

団体名・企業名

静岡県

景観美と世界農業遺産“わさび”を満喫する旅

和とモダンが織りなす里山の古民家 白壁

【食かける賞】

体験

表彰事例

団体名・企業名

宮城県

震災を知り、復興を感じる"食×復興"体験

南三陸ワイナリー株式会社

埼玉県

老舗醤油蔵での伝統醸造の学び体験

笛木醤油株式会社

東京都

地球と体にやさしい和食ヴィーガン料理体験

Smart VEGAN LAB

長野県

信州三年味噌の御膳と杉桶並ぶ味噌蔵探検

株式会社石井味噌

静岡県

日本茶製造の秘密発見ツアー

株式会社おさだ製茶

三重県

自分で漁して獲った魚でつくるペットフード

株式会社ゲイト

滋賀県

発酵を極める旅~味噌・醤油から寿司の起源「鮒寿司」まで~

株式会社平和堂

【ネクストブレイク賞】

体験

表彰事例

団体名・企業名

山形県

【食×北前船】鶴岡を彩る雛菓子

DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー

愛媛県

みかん農家×リアルな暮らし×マーマレード

(一社)八幡浜市ふるさと観光公社

受賞団体によるプレゼンテーション

表彰式では、受賞団体・企業によるプレゼンテーションも実施。地方創生や農林水産業におけるユニークな工夫が次々と語られ、場を盛り上げました。

ここでは、受賞枠ごとにいくつかの団体を取り上げてプレゼンテーション内容をご紹介します。

食かける大賞/ 景観美と世界農業遺産“わさび”を満喫する旅(和とモダンが織りなす里山の古民家 白壁)

食かける大賞/ 景観美と世界農業遺産“わさび”を満喫する旅
▲食かける大賞/ 景観美と世界農業遺産“わさび”を満喫する旅:編集部撮影

今回の食かける大賞には、和とモダンが織りなす里山の古民家 白壁による「景観美と世界農業遺産“わさび”を満喫する旅」が選ばれました。

清流で⽣産される⽇本古来の和製ハーブ『わさび』の収穫、わさび漬け作りを体験し、国⽴公園内の豊かな自然に囲まれた旅館でわさび鍋を楽しむ食体験となっています。

天城⼭系⽔源地を旅して清流保全の⼤切さを学ぶとともに、徳川の歴史と密接な伊⾖のわさびの歴史を知ることもできる内容です。伊豆湯ヶ島温泉 白壁の鈴木氏は、「よりインパクトのある日本の旅を提供したい」と語りました。

食かける賞/震災を知り、復興を感じる"食×復興"体験(南三陸ワイナリー株式会社)

食かける賞/震災を知り、復興を感じる"食×復興"体験
▲食かける賞/震災を知り、復興を感じる"食×復興"体験:編集部撮影

食かける賞には、南三陸ワイナリー株式会社ほか全7事例が選ばれました。

南三陸ワイナリー株式会社の「震災を知り、復興を感じる"食×復興"体験」は、東⽇本⼤震災で甚⼤な被害を受けた南三陸町で牡蠣やホタテの収穫体験ができるほか、ワイナリーを⾒学できる内容となっています。

南三陸ワイナリーの鈴木氏によると「移住した宮城でたまたまワインの仕事をしたことをきっかけにワインの地域や食を繋げるという魅力にとりつかれた」と話します。また、「ワインで何か復興の力になれないか」とも次第に考えたそうです。

⽣産者の想いや復興を⽬指した取組の軌跡を直接聞きながら、収穫した⾷材を使った絶品料理とワインのマリアージュを楽しめる内容となっていました。

ネクストブレイク賞/【食×北前船】鶴岡を彩る雛菓子(DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー)

ネクストブレイク賞/【食×北前船】鶴岡を彩る雛菓子
▲ネクストブレイク賞/【食×北前船】鶴岡を彩る雛菓子:編集部撮影


ネクストブレイク賞には、DEGAM鶴岡ツーリズムビューローほか全2事例が選ばれました。

北前船の商⼈たちによって運び込まれた京⽂化に由来する「鶴岡雛菓⼦」。北前船の歴史を勉強した上で、職⼈の指導を受けながら、縁起物や地元特産品をかたどった美しく美味しい雛菓⼦作り体験ができます。

DEGAM鶴岡ツーリズムビューローの担当者は「体験は1時間から2時間くらい。日本の文化に触れながら、2種類のお菓子を作れます」とアピールしました。


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以上、「食かけるプライズ2022」表彰式のレポートをお届けしました。

今年はユネスコ無形文化遺産に和食が登録されてから10年。コロナ禍を乗り越え、水際対策も大幅緩和された「インバウンド復活」の年でもあります。

インバウンドの本格的な回復と、日本食の輸出拡大に向け、食文化体験の磨き上げや積極的な発信などの取り組みが期待されます。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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