IATA(国際航空運送協会)によれば、2023年3月の世界の航空旅客需要は、2022年の同月比で41.2%増加し、コロナ禍前の2019年3月の9割近い水準まで回復しています。
日本航空(以下、JAL)の2023年4月の国際線利用率は74.5%で旅客数は2か月連続で50万人を突破し、全日本空輸(以下、ANA)は同76.7%で旅客数は50万人を超えました。
またANAは羽田空港第2ターミナル国際線施設からの運航を、7月19日から3年ぶりに再開すると発表しました。ロンドンや台北/松山行きなど5便が第2ターミナル出発となります。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
※この記事では、2023年6月5日時点における世界の航空便の運航情報をまとめています。以降の運行状況は変更されている場合があります。
<参照>
IATA:Air Travel Growth Continues in March
日本航空:JALグループ マンスリー レポート
全日本空輸:月次輸送実績
全日本空輸:ANA国際線、羽田空港第2ターミナルからの運航を3年ぶりに再開
【東アジア】春秋航空、6月に福岡~上海/浦東線を開設
東アジアでは、各国で路線の新規開設や増便が相次いでいます。
日本 JAL、羽田~NY線を1日2往復に増便
JALは5月28日に羽田~ニューヨーク便を1日2往復に増便したほか、成田~ホノルル線を8月に5往復追加運航し、グアム線は9月以降も週4往復の運航を継続します。
同社は8月下旬の夏休みに出発するモンゴルツアー向けに、成田~ウランバートル間のチャーター便を2往復運航します。運航日は成田発が8月24日と28日で、ウランバートル発が8月28日と9月1日。
また混雑緩和のため、那覇空港に最新の保安検査システム「JALスマートセキュリティ」を2024年3月めどに導入する予定です。ノートパソコンやペットボトルなどの液体物を、カバンから取り出さずに保安検査を受けられるようになり、検査時間の短縮が期待されます。

ピーチ・アビエーションは9月24日から、沖縄/那覇〜台北/桃園線を1日3往復に増便します。
スプリング・ジャパン(旧春秋航空日本)は6月25日から成田~寧波線を再開し、25日〜30日の6日間でトータル4往復、7月2日以降は1日1往復(週7往復)ずつ運航します。
ZIPAIRは7月28日から8月25日まで、成田~ホノルル線を増便し、最大週7往復(1日1往復)運航します。
デルタ航空がDOT(米国運輸省)に提案している、羽田空港における国際線発着枠の柔軟な運用案「羽田ゲートウェイフレキシビリティ」について、羽田に乗り入れる米国航空会社4社のうち、ユナイテッド航空は唯一同案に反対しています。
デルタ航空はユナイテッド航空の意見書に対し、「ユナイテッド航空はANAとのJV(ジョイントベンチャー)によって、米国内のどこからでも羽田に就航できる」と反論しました。
また神戸市は、2025年大阪・関西万博やその先の航空需要を見据え、2025年3月末に神戸空港の新ターミナルの供用を開始すると発表しました。
なお大型の台風2号の影響で6月1日、沖縄方面を発着する国内線を中心に310便以上が欠航し、約2万7,000人に影響をおよぼしました。
<参照>
日本航空:2023年度夏期 国際線路線便数計画を決定
日本航空:2023年度夏期 国際線路線便数計画を追加決定
日本航空:【関東】夏のモンゴルを満喫、ウランバートルチャーター便を8月に運航決定
日本航空:2024年3月那覇空港国内線に「JAL SMART SECURITY」導入
ピーチ・アビエーション:時刻表
スプリング・ジャパン:2023年6月~8月 国際線および国内線の増便について
ZIPAIR:夏休み期間の東京(成田)=ホノルル線増便!
神戸市:神戸空港 新ターミナルの整備
中国 春秋航空、6月に福岡~上海/浦東線を開設
春秋航空は6月5日に福岡~上海/浦東線を再開し、週4往復を運航します。
中国東方航空でも6月12日から福岡~上海/浦東線を再開し、週2往復で運航します。7月1日からは那覇~上海/浦東線も再開し、1日1往復で運航します。
上海吉祥航空は新規で日本2路線を7月1日に開設します。ひとつは北京/大興~関西線、もうひとつは北京/大興~中部線で、いずれも週7往復のデイリー運航となります。
<参照>
春秋航空:春秋航空は日中国際線を6路線就航開始
中国東方航空:日中線最新運航スケジュールのお知らせ
中部国際空港:吉祥航空が北京線(大興)の就航を発表
関西エアポート株式会社:関西国際空港 上海吉祥航空が関西=北京大興を新規就航!
台湾 スターラックス、9月に熊本~線台北を開設
台湾の新興航空会社であるスターラックス航空は、9月1日から熊本~台北/桃園線を週3往復で開設すると発表しました。熊本~台北/桃園間の定期便就航は初めてです。
また8月15日には台北/桃園~クラーク線を開設し、1日1往復を運航します。
タイガーエア・台湾は5月27日から、岡山〜台北/桃園線を1日1往復に増便します。
<参照>
スターラックス航空:スターラックス航空、2023年9月1日熊本=台北(桃園)線を新規開設
スターラックス航空:スターラックス航空、2023年8月15日台北=クラーク線を新規開設
タイガーエア台湾:時刻表
韓国 大韓航空、千歳~仁川線を週11往復に増便
大韓航空は7月18日から、札幌/千歳〜ソウル/仁川線を週11往復に増便します。
また大韓航空が進めているアシアナ航空の買収について、EC(欧州委員会)は5月17日、異議告知書を韓国に送付したと発表しました。欧州~韓国間の旅客・貨物市場で競争が制限される可能性があるとの見解を示しており、ECは8月上旬までに最終決定を下す見通しです。
なお韓国の大邱国際空港では5月26日、アシアナ航空の機内で乗客が着陸寸前に非常口のドアを開ける事故がありました。
<参照>
大韓航空:札幌(新千歳)⇔ソウル(仁川)を増便
香港 香港航空、7月に香港~中部線を開設
香港航空は6月29日から、福岡~香港線を1日1往復に増便します。7月8日には香港~中部線を週4往復で開設し、8月21日からは1日1往復に増便します。
キャセイパシフィック航空は6月1日に台北/桃園経由の香港~関西線を再開しました。8月1日からは香港~ヨハネスブルク線を、10月3日からは香港~シカゴ線をそれぞれ週3往復で再開します。
<参照>
福岡空港:香港航空(HX) - エアラインインフォメーション
中部国際空港:香港航空が香港線の就航を発表
キャセイパシフィック航空:日本線の最新スケジュール
キャセイパシフィック航空:香港発ヨハネスブルグ行き |(HKG - JNB)行きのフライト
キャセイパシフィック航空:香港発シカゴ行き |(HKG - ORD)行きのフライト
【東南アジア】ベトジェット、広島~ハノイ線を7月開設
東南アジアでは、ベトナムのベトジェットエアが広島~ハノイ線を7月に開設する予定です。
ベトナム ベトジェット、広島~ハノイ線を7月開設
ベトジェットエアは7月19日に、同社で8番目の日本路線となる広島~ハノイ線を週2往復で開設します。
またお盆期間中に仙台〜ダナン線でチャーター便の運航を設定しており、エイチ・アイ・エス(HIS)がツアーを販売しています。日程は仙台発が8月11日、ダナン発が8月15日の1往復です。
<参照>
べトジェット・アビエーション・ジョイント・ストック・カンパニー:ベトジェット、G7広島サミット2023 の開催を記念して広島-ベトナム間の初の直行便就航を発表
エイチ・アイ・エス:【キャンセルサポート付】 《8月11日(祝)出発 》ベトジェットエア 直行チャーター便で行く!仙台発 フリープラン ダナン5日間
インドネシア ガルーダ、成田~デンパサール線の一部便をマナド経由に
ガルーダ・インドネシア航空は、成田~デンパサール線の一部の便をマナド経由で運航します。
3月に一部の便から実施していましたが、期間を延長して10月25日まで継続します。
<参照>
ガルーダ・インドネシア航空:GA880/GA881便(デンパサール-成田)、週1便GA884/GA885便(デンパサール-マナド-成田)への運航経路及び便名変更について
【北・南米】ハワイアン航空、羽田~コナ線を再開
アメリカでは、ハワイアン航空が羽田~コナ線の運航を再開します。
アメリカ ハワイアン航空、羽田~コナ線を週3往復で再開
ハワイアン航空は10月29日から、羽田〜コナ線の運航を週3往復で再開します。一方、札幌/千歳〜ホノルル線の運休は、2024年3月31日まで延長することが決定されました。
大型の台風2号の影響で閉鎖されていたグアム空港では、ユナイテッド航空が5月30日から成田~グアム線を再開しました。
<参照>
ハワイアン航空:ハワイアン航空、8月に羽田―ホノルル線を毎日運航で再開
【オセアニア】カンタス航空、羽田~シドニー線を1日2往復に増便
オセアニアでは、オーストラリアのカンタス航空が日本路線を増便します。
オーストラリア カンタス航空、羽田~シドニー線を1日2往復に増便
カンタス航空は11月26日から日本路線を増便し、羽田~シドニー線は1日2往復に増便します。このうち、早朝に羽田へ着発する便にはボーイング787-9型機を投入します。
また羽田着発のメルボルンとブリスベンの2路線を成田へ移管します。日本路線は3路線(シドニー、メルボルン、ブリスベン)合わせて週14往復を運航していますが、増便後は週28往復に倍増します。
<参照>
カンタス航空:カンタス航空 直行便で行くメルボルン
カンタス航空:東京成田 (NRT)発ブリスベン (BNE)行きのフライト
【ヨーロッパ】ITAエアウェイズ、8月から羽田〜ローマ線増便
ヨーロッパでは、イタリアのITAエアウェイズが羽田〜ローマ線を8月1日から週6往復に増便します。またフランスでは、鉄道で2時間半以内の代替手段がある航空路線の運航を禁じる法律が施行されました。
ドイツ ルフトハンザグループ、伊ITA株41%取得で合意
ルフトハンザ・グループは5月25日、イタリアの国営航空会社であるITAエアウェイズの一部株式取得に関して、伊経済財政省(MEF)と合意したと発表しました。
同グループは3億2,500万ユーロ(約487億6,900万円)を増資し、ITA株の41%を取得します。
<参照>
ルフトハンザグループ:Lufthansa Group reaches agreement on the acquisition of 41 per cent stake in ITA Airways
イタリア ITAエアウェイズ、8月から羽田〜ローマ線増便
ITAエアウェイズは8月1日から、羽田〜ローマ線を週6往復に増便します。
現在は週5往復で運航していますが、羽田発が月・火・水・金・土・日曜、ローマ発は月・火・木・金・土・日曜の週6往復を運航します。
<参照>
ITAエアウェイズ:東京 ローマ
フランス 鉄道2時間半以内の国内線禁止
フランスでは5月23日、鉄道で2時間半以内の代替手段がある航空路線の運航を禁じる法律が施行されました。CO2(二酸化炭素)排出量削減を狙ったものです。
パリのオルリー空港を発着する国内線のうちリヨンとナント、ボルドーの3路線が対象で、運航していたエールフランスはすでにこれらの路線から撤退済みです。
【中東】エティハド航空、アブダビ~関西線を10月開設
中東では、アラブ首長国連邦のエティハド航空が、10月にアブダビ~関西線を開設するほか、トルコのターキッシュエアラインズが12月からイスタンブール~関西線を再開します。
アラブ首長国連邦 エティハド航空、アブダビ~関西線を10月開設
エティハド航空は10月1日から、アブダビ~関西線を開設すると発表しました。関空発は月・水・金・土・日曜、アブダビ発は火・木・金・土・日曜の週5往復を運航します。
<参照>
エティハド航空:Say Konnichiwa to Osaka! Etihad Airways announces new route to Japan
トルコ イスタンブール~関西線を12月から再開
トルコのターキッシュエアラインズは12月から、イスタンブール~関西線を週4往復で再開します。成田線も12月から、週7往復(1日1往復)に増便します。
また同社は5月3日、イスタンブール〜クラクフ線を開設しました。ポーランドの就航都市は、ワルシャワに次いで2都市目となります。
<参照>
関西エアポート株式会社:ターキッシュ エアラインズ 関西=イスタンブール線を運航再開!
ターキッシュエアラインズ:Book Flights from Krakow
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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