観光庁の髙橋長官は11月15日に行った記者会見で、訪日外国人数の回復状況やオーバーツーリズム対策などについて報告しました。
訪日外国人旅行者数が5か月連続で単月200万人を超え、はじめてコロナ前の水準を上まわったことについて触れた一方で、中国からの訪日者数の回復に関しては今後の動向に注視する姿勢を示しました。
また、オーバーツーリズムの未然防止抑制や地方への誘客など、総合的な観光対策を進めることについても言及しました。
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インバウンドの回復を強調
11月15日に開催された観光庁の記者会見で、髙橋長官は訪日外国人旅行者数が5か月連続で回復していることを発表しました。
2023年10月の訪日外国人旅行者数が251万6,500人となり、2019年10月を超え、着実な回復が続いていることを報告しました。
とくに個人旅行の解禁や各国市場からの訪日者増加が寄与しており、全体的にインバウンド需要が拡大していることを強調しました。
オーバーツーリズム対策「可能な限り速やかに公募を開始する」
質疑応答では、オーバーツーリズム対策のスケジュールについて記者から質問がありました。
髙橋長官は、11月10日に閣議決定された「令和5年度補正予算案」において、オーバーツーリズム対策に60億円が計上されていることをふまえ、補正予算案が国会で成立しだい「可能な限り速やかに地域の公募を開始したい」とコメントしました。
10月の訪日中国人数が2019年比65%減となった理由について
最後に、中国からの訪日者数に焦点を当て、とくに10月に中国からの訪日者数が減少した背景について言及しました。
髙橋長官は、例年は中国の連休にあたる中秋節と国慶節が離れていて別々の訪日機会になるところ、今年は中秋節と国慶節の連休期間が連続していたため、トータルでの休日の期間が例年よりも減ったとしています。そのうえで、連休期間の前半に訪日した人が多かったと予想しているとのことでした。
おもに個人旅行客向けの商品を扱う旅行会社に聞き取りを行ったところ、「中秋節、国慶節の期間を含む10月末までキャンセルが相次ぐ状況にはなく、変わらず安定した予約数を維持していた」との回答を得たとコメントしています。
JNTO(日本政府観光局)を通じて聞き取りを行った現地の旅行会社のなかには、10月中に2回目の処理水の放出があったものの、「回復を実感していると回答されたケース、あるいは、新たに訪日旅行商品を企画造成中、または販売中と回答するケースが相当程度あった」としています。
髙橋長官は中国市場の動向について今後も注視が必要であるものの、処理水放出の影響は「限定的」で、回復傾向は継続していると見解を示しました。
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<参照>
観光庁:髙橋長官会見要旨 2023年11月15日(水)16:15~16:40
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