インバウンド向けキャッシュレス決済対応の重要性とは?リクルート「Airペイ」担当者に聞く

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

コロナ禍が収束し、10月には月間の訪日外客数がコロナ禍前を上回る水準まで回復した2023年。訪日需要の拡大に伴い、各地の飲食店小売店などでは、インバウンド客を見越した受け入れ態勢の構築が急務とされています。

そこで今回は、株式会社リクルートでキャッシュレス決済サービス「Airペイ」のプロダクト担当を務める山本 智永氏にインタビューを実施。インバウンドにおけるキャッシュレス決済のメリットや、Airペイのインバウンドに関する取り組みについて伺いました。

株式会社リクルートでキャッシュレス決済サービス「Airペイ」のプロダクト担当を務める山本 智永氏
▲株式会社リクルートでキャッシュレス決済サービス「Airペイ」のプロダクト担当を務める山本 智永氏


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。


お店の決済サービス「Airペイ」とは

Airペイは、クレジットカード、交通系電子マネー、QRコード決済、ポイントに対応できるキャッシュレス決済サービスです。対応する決済ブランドは業界最多水準の68種類で、様々な決済方法にiPadまたはiPhoneと1台のカードリーダーで対応できます。

中小規模の事業者を中心に、百貨店など大規模事業者まで、幅広く導入が進んでいるといいます。専用アプリとカードリーダーを使ったシンプルなオペレーションで、初期費用や月額コストがかからない点も利用者の増加を後押ししているようです。

リクルートが運営するお店の決済サービス「Airペイ」
▲リクルートが運営するお店の決済サービス「Airペイ」

Airペイでできるインバウンド対応は

ーー Airペイでできるインバウンド対応について教えてください。

AirペイのQRコード決済サービス「AirペイQR」では、中国の「Alipay」「WeChatPay」や韓国の「Kakao Pay」など合計18種類の海外ブランドに対応しています。

AirペイQRを導入すれば、外国人観光客は自国で利用している決済手段を使って支払いができます。初期費用がかからず運用ハードルも低いので、地域の飲食店や小さなお土産店などでも、手間をかけずにインバウンド対応していただけます。

リクルート キャッシュレス決済サービス Airペイ
▲株式会社リクルートでキャッシュレス決済サービス「Airペイ」のプロダクト担当を務める山本 智永氏

ーー 2023年11月に、対応する海外決済サービスに大幅な追加がありましたね。

連携している「Alipay+」の対応ブランドの拡大に伴い、新たに8種類の海外決済ブランドが追加されました。これにより、元々中国韓国フィリピン等、各アジア諸国のQRコード決済に対応しておりましたが、今回新たにイタリアやモンゴル、マカオのQRコード決済ブランドにも対応しました。

インバウンド向けキャッシュレス決済対応のメリットは

ーー外国人観光客にとってのキャッシュレス決済のメリットは。

やはり両替する必要がないのは、カスタマーにとって大きなメリットですね。旅行の終盤に手元の現金を計算しながら買い物をするという煩わしさもありません。

また、各決済サービスにもよりますが、ポイント還元率についてクレジットカードでの買い物よりも高く設定されているサービスもあります。スムーズに支払いができることに加え、お得に買い物ができるということも、カスタマーにとっては嬉しいですよね。

ーー事業者にとってのメリットについてはいかがでしょうか。

手元の現金を気にせずに買い物ができると、カスタマーの購買意欲は上がります。その結果、一人上がりの購買単価が高くなる可能性が高く、事業者としては売上アップが期待できます。

また、日本国内のQRコード決済事業者は時折、大幅なポイント還元キャンペーンや販促クーポンの配布を行いますが、これは海外でも同じです。海外の決済サービスが展開する販促キャンペーンの恩恵を受けられることも、外国人向けにキャッシュレス対応を行う大きなメリットだと思います。

インバウンド キャッシュレス決済対応 メリット
▲インバウンド向けキャッシュレス決済対応で、外国人の顧客は手元の現金を気にせずに買い物ができ、購買意欲が上がる

Airペイがインバウンド対応を拡大する背景とは?

ーー Airペイがインバウンド対応を拡大している背景にはどのような想いがあるのでしょうか?

私たちの根底にあるのは「事業者の課題を解決したい」という想いです。

Airペイは、私たちリクルートが提供する業務・経営支援サービス群「Airビジネスツールズ」に含まれる一つのサービスです。Airビジネスツールズが目指すビジョンは「商うを、自由に」。Airペイ以外にも、業務管理や効率化を叶える16のツールを提供しています。

※Airビジネスツールズ:https://airregi.jp/brand/

飲食店であれば、料理の提供や、来店客への接客に集中できたらいいですが、決済や勤怠管理など店舗運営には煩わしいことがたくさんありますよね。インバウンド対応しようにも、小さいお店であれば人材などにも限りがあり、“やりたくでもできない状況”になっている場合はたくさんあるはずです。

そうした状況を、私たちのサービスでできる限り解決したいと思いながら日々、事業に取り組んでいます。

ーー Airビジネスツールズの中で、Airペイ以外にもインバウンド対応に活用できるサービスはありますか?

Airペイと合わせて、レジ決済サービス「Airレジ」や管理分析アプリ「Airメイト」を導入すると、インバウンドによる売上について、より詳細な分析をすることができます。Airビジネスツールズのサービスは、「AirID」1つで紐づけて導入できるので、組み合わせて活用いただいている事業者様も多いですね。

また、飲食店のオーダーシステム「Airレジオーダー」は、多言語に対応していて、言葉の壁を気にせず注文作業が可能です。さらに受付管理サービス「Airウェイト」は、カスタマーに対して待ち時間を多言語で表示し、呼び出し機能もついています。専用のスタッフを配置する必要がなく、対応工数や人件費の削減にもつながると、導入事業者様からは好評です。

インバウンド向けキャッシュレス決済対応の重要性が増している

ーー Airペイを導入している企業の特徴を教えてください

2023年9月時点で全国43万件の事業者の方々にAirペイを活用いただいています。業種としては小売業が多い他、同じリクルートでホットペッパーグルメ、ホットペッパービューティーを展開している関係で、飲食店や美容室の導入が多い点もAirペイの特徴です。

ーー インバウンド対応という観点で、どのような事業者にAirペイを活用してもらいたいですか?

これまでインバウンド対応に対して「自分たちには関係ない」と考えていた事業者の方々にこそ、Airペイを使っていただきたいなと思います。

コロナ禍前後で、訪日外国人の消費行動は大きく変化しました。AirペイQRの海外決済は、以前はいわゆる「爆買い」に代表されるように、百貨店ドラッグストアなどで利用されることが多かった認識です。しかし今は、リピーターの増加に伴い、京都などの有名観光地以外の場所を訪れる外国人観光客も増加傾向にあることから、地域の小規模事業者の決済が増えてきています。町の洋服屋や土産物屋、着物レンタルなどの体験アクティビティなどへの消費も増えました。

エリアや事業規模に関わらず、インバウンド対応の必要性は日本全国に広がってきていると言えるでしょう。そうした状況だからこそ、これまでインバウンドを意識してこなかった事業者の方々に、Airペイを使っていただきたいと思います。

ーー 最後に、Airペイの今後の目標を教えてください。

「商うを、自由に」というビジョンに沿って、事業者の皆さんの課題を少しでも多く解決できるよう、サービスを推進していきたいですね。Airペイは決済サービスなので、チャンスがあれば今後もできる限り多くの決済ブランドに対応して利便性を高めていきたいと考えています。

あとは、Airペイを知らない人に、いかにサービスを知っていただけるかも今後の課題ですね。店舗の運営や経営課題に悩む事業者の方々は多いですが、インバウンドに限らず、店舗の課題に合わせたソリューションはきっとあると思っています。「知らなくて損した」という状況をなくすためにも、より多くの事業者の方々に私たちのサービスに触れていただく機会を作っていきたいです。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!

訪日ラボに相談してみる

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる


完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに