小売店における多言語対応とは?重要性や具体的な対応方法を解説

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増加する訪日客へ快適なショッピング環境を提供するために、小売店における多言語対応が重要となります。

しかし「どう多言語対応すれば良いのかわからない」「何から始めるべきなのか……」と悩んでいる人も多いはずです。本記事では、小売店でどのように多言語対応すれば良いのか解説します。

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1. 小売店における「多言語対応」の重要性

なぜ小売店で多言語対応する必要があるのでしょうか。まずは重要性について解説します。

1-1. インバウンド客は「食」の次に「買い物」を楽しみに訪日している

観光庁が調査した「訪日外国人の消費動向(2019年)」によると、訪日外国人が訪日前に期待していたこととして「ショッピング」が52.6%で、「日本食を食べること(69.7%)」に次いで多くの回答を得ています。

次回日本を訪れた際にしたいことでも、42.9%の訪日外国人が「ショッピング」と回答。「日本食を食べること(57.6%)」に続き、「温泉入浴(49.2%)」「自然・景勝地観光(45.0%)」といった体験・アクティビティ、いわゆる「コト消費」への移行が見られるものの、「ショッピング」はそれに次いで4番目に多い回答を得ています。

多くのインバウンド客が、買い物を楽しみに日本を訪れていて、次回訪日した際も買い物を楽しみにしていることが分かります。

1-2. 小売店で多言語対応されていなくて困るケースも……

2019年度に観光庁が実施した「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」では、日本国内の「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」について困る割合の高い施設としては、都市部・地方部共通して 「飲食店」「百貨店・ショッピングセンター」 「その他小売店(ドラッグストアやコンビニ、土産物店、量販店など)」が高い結果となりました。

今後は訪日リピーターが増えることで、人気観光地以外の地方部にも外国人観光客が増え、多言語対応が必要になってくる可能性があります。

関連記事:今すぐできる飲食店の多言語対応とは?

2. 小売店で多言語対応するには〜基礎知識編〜

小売店ではすべてのお客様に対して歓迎の気持ちが伝わり、快適にショッピングが楽しめる多言語対応が重要です。

同時に小売事業者の負担軽減や、生産性向上も意識する必要があります。ここでは小売店で多言語対応するために必要となる基礎知識を解説します。

2-1. まずは「基本の3ステップ」から

多言語対応は、3つのステップで考えてください。1つ目のステップとして、笑顔で歓迎の気持ちを伝えましょう。外国語が苦手でも心のバリアを解消することが大切で、店舗入口に歓迎メッセージを表示することも効果的です。

次に2つ目のステップとして、基本情報を分かりやすく伝えましょう。店頭表示やピクトグラムを活用して、伝えるべき情報やよく聞かれる質問などを、訪日客目線で分かりやすく表示します。

▲出典:一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会「小売業の多言語対応 店頭表示」(https://welcome.japan-retail.or.jp/guideline/shop/)

基本情報をピクトグラムなどで表示しておくことで、日頃の接客の負担軽減や生産性向上にもつながるでしょう。

3つ目のステップとして、ショッピングをより楽しんでもらえるよう日本らしさや商品の背景などの魅力を伝えましょう。直接言葉を交わすことはもちろん、写真や動画を活用したり試食、試着を提供したり、さらには翻訳アプリなどのデジタルツールを活用したりするのも効果的です。

2-2. 対応言語と対応分野

これから多言語対応に取り組む場合、まずは英語に対応していきましょう。次に多くの割合を占める中国語や韓国語にも対応できれば、さらに多くの訪日客が買い物しやすくなります。

また小売業では「接客とコミュニケーション」「店頭表示」「商品情報」の3分野の多言語対応が必要です。セルフレジを導入している小売店なら「店頭表示」と「商品情報」に注力するなど、販売方法や業態によって重要度は異なります。

2-3. 誤訳に注意

多言語に変換するには、言語能力の高い人に依頼したり、クラウドサービスを利用したりさまざまな方法があります。

Google翻訳など身近なサービスを利用して自ら対応することもひとつの手段であり、費用を抑えられるでしょう。ただし自動翻訳をそのまま使用すると誤訳してしまい、間違った情報が伝わるリスクもあるので注意。できればネイティブチェックを入れると安心です。

3. 小売店で多言語対応するには〜実践編〜

実際に小売店で多言語対応するには、どうすれば良いのでしょうか。

ここからは店舗入り口と店内、レジ周辺それぞれについて実践的な対応を解説します。

3-1. 店舗入り口

扉や入り口横など視認性の高い場所に、営業時間や休業日、免税店表示、取扱カード、無線LANの情報を掲出しましょう。

飲食禁止や禁煙、撮影禁止、ペット持ち込み禁止、年齢制限などの注意事項や、手荷物一時預かり所や手荷物宅配などのサービス情報も必要に応じて表示するようにしてください。

歓迎表示として、桜マークを基調とした訪日観光シンボルマーク「Japan Shopping!」などのロゴマークを活用すると良いでしょう。ただしロゴマークを使う際は、一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会などの機関や団体に申請が必要です。

3-2. 店内

店内では免税店表示や無線LAN、価格表示など商品に関する案内を表示します。価格表示は税抜き、税込みなどの税額や、軽減税率の取り扱いについても説明しましょう。

年齢制限や立入禁止、「触るな」などの注意事項、お手洗いやエレベーターなど、必要に応じて情報を表示すると良いでしょう。訪日客に見えやすいよう、店舗環境に応じて壁面や天井からの吊り下げ、什器の上、商品棚などに掲出しましょう。

3-3. レジ周辺

レジ周辺では、前述の歓迎ロゴマークのほか、TAX FREE表記などの免税表示、取扱カードなどの情報を表示します。

さらに返品ポリシーや手荷物宅配、手荷物一時預かり所など、必要に応じて情報を表示するようにしてください。レジ周辺のほか、レジカウンター後背部の壁面やレジカウンター側面などに掲出すると見やすいでしょう。

店舗入り口や店内よりもレジ周辺のほうが訪日客との距離が近いため、小さいサイズで掲出しても問題ありません。

出典:一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会「小売業の多言語対応 店頭表示」(https://welcome.japan-retail.or.jp/guideline/shop/)

4. 小売店の多言語対応に関するよくある質問

最後に、多言語対応を始める小売店が疑問に感じやすい点について解説します。

4-1. 「商品についてはどう多言語化すれば良い?」

すべての商品について、少なくとも商品カテゴリーや商品アイテム名が分かるように他言語対応するのがおすすめです。プライスカードや値札に英語で併記したり、コーナー単位でカテゴリー名を英語で併記したりする方法があります。

商品名を翻訳する場合は、固有名詞をローマ字に変換するだけでは訪日客の理解が難しいため、説明を捕足しましょう。

4-2. 「多言語化におすすめのツールはある?」

人手不足を補うためにもツールの活用は効果的です。「小売業の多言語対応ガイドライン」に、店頭でのコミュニケーションに使える「接客用多言語シート」が無料で配布されているので活用しましょう。

接客中の会話を随時多言語に翻訳できるツールも、複数の機関や企業から提供されています。特に健康や安全にかかわる説明については、ネイティブチェックにより翻訳の正確性を確認すると良いでしょう。

5. 多言語への即応で、訪日客の需要をつかむ

多くの訪日客がショッピングを楽しみにしている一方で、小売店で多言語対応されておらず困るケースが見受けられます。増加する訪日客の需要をつかむためには、小売店における多言語対応は欠かせません。

提供されているツールやサービスを活用しながら、まずは英語、ピクトグラムの対応から始めると効率的でしょう。

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<参照>

観光庁:訪日外国人の消費動向(2019年 年次報告書)
観光庁:令和元年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」 調査結果
一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会:小売業の多言語対応ガイドライン

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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