中国向け訪日プロモーションのポイントとは?【訪日ラボ中国人スタッフが解説 vol.6】

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2024年に入り、海外旅行需要の本格的な回復を見せる中国。訪日旅行も活況で、2024年4月の中国訪日客数は韓国に次いで2番目に多い53万3,600人でした。2024年1〜3月(1Q)の中国の観光消費額は国・地域別で最も多い3,526億円で、全体の20%を占めています。

夏の旅行シーズンに向けて需要は順調に推移するとみられ、各方面で中国市場に向けた対策が急がれています。

そこで訪日ラボでは、中国市場の最新動向と中国SNSトレンドを解説するオンラインセミナーを開催。「プロ」の目線から中国の市場動向や最新の中国SNSの事情をお伝えしました。

本記事では、セミナー内で訪日ラボ中国人スタッフが紹介した中国旅行トレンドのなかからホットな内容をピックアップしてお届けします。

今回のテーマは「中国向けプロモーションのポイント」。プロモーションを成功させるための考え方や知っておくべき中国SNSの最新情報など、施策検討のヒントを解説します。

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中国SNSプロモーションのポイント

セミナーでは、訪日ラボの中国人スタッフであり、中国SNSで在日インフルエンサーとしても活躍する熊 孟華(ユウ モウカ)が登壇。複数のSNSアカウントを運用して感じた中国の旅行トレンドについて、実際の投稿をもとに紹介しました。

中国向けプロモーションを成功させるポイントは、「シチュエーションから対策を考えること」と「KFSプロモーション」の2つだといいます。

1. シチュエーションから対策を考える

従来の訪日旅行では、日本を訪れること自体に旅行者の高いモチベーションがありました。観光地選定においても、「日本にいくから◯◯を見よう(やろう)」というように、「日本に行くこと」を前提として、観光スポットを検討する傾向が強かったそうです。

しかしコロナ禍後、タイシンガポールなど中国人に対して観光ビザを免除する国が増加。東南アジアを中心に海外旅行需要が高まり、旅行先の選択肢が増えました。その結果、「花火大会に行くなら日本」「ドリアンを食べるならタイ」など、シチュエーションに合わせて訪問先を選ぶ傾向が強くなっています。

日本の企業や自治体は、日本そして自らの地域の特色やユニークポイントを把握し、“ここでしか体験できない魅力”を適切にアピールすることが必要です。

2. 「KFS」プロモーションへの対応

「KFS」プロモーションとは、以下3つのアルファベットの頭文字をとったものです。

  • K:KOL・KOC・KOS
  • F:Feeds
  • S:Search

K:KOL・KOC・KOS

KOL(Key Opinion Leader)は、有名インフルエンサーなど大きな影響力を持ったユーザーのこと。KOC(Key Opinion Consumer)は、インフルエンサーよりも消費者の目線や立場に近い発信者であり、KOS(Key Opinion Sales)は、特定の専門知識を用いて発信を行う人のことです。KOL・KOC・KOSを活用すれば、良質なコンテンツを継続的に配信することができるようになります。SNS上に情報を蓄積でき、認知度向上やブランディングに有効です。

F:Feeds

近年のSNSAIが発達し、ユーザーの嗜好に合わせたレコメンド機能が充実。中国SNSでも同様で、ユーザーのタイムライン(Feeds)には検索や閲覧履歴に基づいた類似情報が常に表示されています。自社の情報をSNS上に蓄積し、常にユーザーのタイムラインに表示させる状態(Always on Feeds)を作ることで、日常的な情報の刷り込みを狙います。

S:Search

中国SNSユーザーは、SNSを検索エンジンのように利用している人が多くいます。検索(Search)はユーザー習慣として定着しており、良質な内容を常に検索結果に表示させること(Always on Search)も重要な施策のひとつ。ターゲット層が多く使うSNSをチェックし、自社の情報がきちんと整備されているか把握することが大切です。

「KFS」を用いたプロモーションは現在の中国における主流ともいえる施策。中国市場を狙う日本の企業や自治体は必ず押さえておくべきポイントといえるでしょう。

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KOCを活用するポイント

KOL・KOC・KOSの活用において、特に注目が高まっているのがKOCを活用したプロモーションです。KOCはインフルエンサーKOL)と比べて直接的な影響力は大きくありません。しかし、友人・知人やフォロワーとの強固なコミュニティを形成しており、紹介した商品への安心感が生まれやすいというメリットがあります。

KOCマーケティングを成功させるために、ポイントとなる考え方を2つご紹介します。

1つ目は、費用と情報ボリュームの面で効果が出やすいことです。有名インフルエンサーなどKOLを活用する場合は、ある程度、高額な費用がかかります。一方、KOCの場合は同じコストでも複数のKOCを起用でき、より多くの記事や動画の発信が可能なことも。コストを抑えながら、短期間で情報を蓄積することができます。

2つ目は、SNSのアルゴリズムについてです。上記でも述べた通り、RED小紅書)を筆頭に中国の新しいSNSでは、ユーザーの興味に合わせてAIが類似情報をおすすめしてくれます。SNS上の情報が多い方が、ターゲット層におすすめ記事として情報を届けやすくなり、場合によってはトレンドを作ることも可能です。そうした面からもKOCを活用するメリットは大きいと言えるでしょう。

KOL・KOC・KOSにはそれぞれに特徴があります。さまざまな施策を組み合わせながら、適切なプロモーションを検討することが大切です。

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中国プロモーションのヒントが詰まったアーカイブ動画公開中

旅行需要が回復した中国では、日本を含め海外旅行への興味・関心が高まっています。訪日旅行のピークとなる夏に向け、中国SNSの特徴を把握し、適切なプロモーション戦略を考えていくことが重要です。

セミナー本編では、本記事で紹介した中国SNSの最新トレンド以外にも、中国の旅行需要に関する最近の動向や、SNSを活用したプロモーションのヒントなどを詳細に解説しています。

ここでしか聞けない情報ばかりですので、ぜひご視聴いただき、インバウンド対策のヒントをつかんでいただけたらと思います。

→ アーカイブ動画はこちら:中国SNS&訪日プロモーションのプロに聞く!日本のインバウンド事業者が知らない「中国現地の最新旅行トレンド」

訪日ラボでは、他にもインバウンドに関連したさまざまなセミナーを開催しています。ご興味のある方は、下記のセミナー一覧もご覧ください。

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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