東京都のインバウンド訪問先 1位は2年連続で渋谷

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東京都産業労働局が発表している「国・地域別外国人旅行者行動特性調査」は、東京都を訪れた外国人旅行者の行動特性を国籍または地域別に四半期毎に調査しているものです。

本記事では、6月21日に発表された最新版の内容をご紹介します。外国人に人気のエリアや、その場所で行ったアクティビティまでの新たなデータがわかります。

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訪問先のトップは2年連続で「渋谷」

調査結果によると、外国人観光客が最も訪れた場所は2年連続で「渋谷」(67.1%)となりました。「新宿・大久保」(57.4%)、「銀座」(50.1%)が続いています。

国・地域別で見た際に、渋谷は20の国・地域のうち中国を除いて3位以内に挙げられていました。また「一番期待していた場所」「一番満足した場所」としても、渋谷は最も多くなっています。

しかしすべての国の人が「渋谷」を訪れているわけではなく、一部の国ではまったく別のエリアが第1位となっています。たとえば台湾からの観光客は「浅草」、インドおよびベトナムからの観光客は「東京駅周辺・丸の内・日本橋」を最も訪れています。

それぞれのエリアで行ったアクティビティについての詳細は次に触れますが、台湾人観光客の主なアクティビティは「日用雑貨等のショッピング」、インド人観光客は「高層ビル等の探索」、ベトナム人観光客は「伝統建築等の見学」となっており、それぞれの目的に合わせて人気のエリアが異なっている様子がわかります。

▲訪問した場所:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より
▲訪問した場所:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より

日本食は相変わらず絶大な人気

「訪問して一番満足した場所で行った活動」は、多くのエリアで「日本食を楽しむ」が選ばれました。それぞれのエリアには特徴の異なる多くの飲食店があるため、銀座で高級な寿司を堪能し、浅草で食べ歩きを楽しむなど、さまざまな形と価格帯で日本食を楽しめるのも人気の理由と推察できます。

項目別満足度でも「食事施設」(84.2%)が1位を占めており、多くの訪問者が期待通り、もしくは期待を上回る満足度を得られたようです。

訪問先として人気の渋谷でも「日本食を楽しむ」が選ばれており、そのほかに「高層ビル、近代的な街並み・景観・建築物の探索」「服・服飾雑貨のショッピング」が上位にランクインしています。

訪問したエリアごとに行ったアクティビティは異なり、品川では「テーマパーク、レジャー施設で遊ぶ」、八王子・高尾山では「自然を感じる」アクティビティが選ばれており、訪れるエリアによって異なる目的や体験を求めていることがわかります。

▲訪問中に行った活動:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より
▲訪問中に行った活動:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より

一人当たり支出額は約18万円、リピーターが半数を占める

東京を訪れた外国人観光客の消費動向について、一人当たりの支出額は17万9,154円と推計されており、その内訳を見ると全体で支出額が最も多いのは「宿泊費」です。ほかに目立つ項目として「娯楽入場費」は9,491円で、2019年の調査と比較して245.3%増加しました。

▲一人当たりの東京滞在中の消費額:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より
▲一人当たりの東京滞在中の消費額:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より

また、これまでの訪都回数は1回目(初めて)が 45.7%、2回目以上(リピーター)が 51.4%と、リピーターの方が多い結果となりました。回答数が異なるため純粋な比較はできませんが、前回調査のリピーター63.4%という結果と比較して、今回は12ポイント減少しています。国別に見ると、台湾香港からの観光客は7割以上がリピーターということがわかりました。

宿泊数は「4〜6泊」が 40.7%と最も多く、訪都目的は「観光・レジャー」が 85.1%で最も多くなっています。

▲これまでの訪都回数:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より
▲これまでの訪都回数:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より

課題は「外国語表記・コミュニケーション」

訪都の満足度は「大変満足」(43.6%)「満足」(40.5%)「やや満足」(6.4%)となり、合計で90.5%と非常に高い結果になりました。多くの観光客が東京での体験に満足している一方で、いくつかの課題も明らかになりました。
▲訪都の満足度:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より
▲訪都の満足度:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より

まず、「食事施設」における満足度は圧倒的に高いものの、「外国語でのコミュニケーション」は満足度が低い結果となりました。不満の理由として最も多かったのは「スタッフが英語を話せなかった」という点です。この課題は、「宿泊施設」「観光施設」「商業施設」「交通機関」でも共通して見られました。

逆にコミュニケーションにおける満足度が高かった理由として、最も多く挙げられたのは「スタッフが英語を話せた」ことであるため、英語でのコミュニケーションの可否が満足度向上に直結しているといえそうです。

同様に「外国語による表示・表記」に関する不満の理由として最も多かったのは、「英語表記がなかった」ことでした。また、「参考となる写真や解説文がない」という点も不満の一因となっています。これらの課題を解決するためには、訪日外国人の視点に立って表示や表記を見直すことが求められます。

また今回の調査では、2019年の調査と比べて全般的に満足度が低くなっていることが指摘されています。

▲項目別満足度:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より
▲項目別満足度:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より

課題は残るものの、東京への再訪問意向は非常に高く、「必ず来たい」(52.0%)「来たい」(30.6%)「やや来たい」(8.0%)を合わせると、90.6%に達しています。これだけ多くの観光客が再訪問を希望する背景には、東京には多彩なアクティビティやコンテンツがあり、繰り返し楽しめることがあるといえそうです。

さらに訪都外国人観光客が考える東京の魅力として、「人が親切」(58.5%)が最も多く、次いで「衛生的」(53.3%)「治安がよい」(51.8%)が挙げられました。

▲東京への再訪問意向:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より
▲東京への再訪問意向:東京都産業労働局「令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」より

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<参照>

東京都:令和5年 国・地域別外国人旅行者行動特性調査の結果

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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