タイ向けの訪日プロモーション施策のキホン&2025年の情報発信タイミングまで徹底解説!【訪日ラボコンサルタントが教える「超実践的」インバウンド対策 タイ編 vol.2】

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こんにちは。株式会社mov 訪日ラボ コンサルティング部のウオンサタンです。私はタイ出身で、訪日タイ人向けのプロモーションを中心に、インバウンド対策をサポートするコンサルタントとして働いています。

連載2回目となる今回は、タイ市場における訪日プロモーション施策の基礎と、2025年に向けた情報発信のタイミングについてお話しします。タイの観光客に日本の魅力をどのように伝えるか、日本在住タイ人の視点も交えながら解説していきます。

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タイの巨大掲示板サイト「Pantip(パンティップ)」とは

タイで訪日旅行プロモーションを行う際に欠かせないのが「Pantip」です。日本の「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」のような掲示板サイトで、Pantip上ではタイのネットユーザーがさまざまな話題について自由に意見交換しています。

カテゴリ(掲示板のテーマ)の種類は多く、旅行、恋愛、買い物、韓国(KPOP)、留学などいろいろです。カテゴリの中でさらに細かくテーマが分けられることもあり、例えば旅行カテゴリでは、日本の旅行に関するチャンネルが一番人気があります。

また、Pantipの特徴として、投稿にいくつかの種類があります。

  • 個人が投稿した記事
  • CR(カスタマーレビュー): 個人が投稿した記事のなかで、実際の体験に基づく投稿には〈CR〉という表記をつけます。
  • SR(スポンサードレビュー): 企業がライターに依頼して書かれたレビューです。
  • BR(ブランドレビュー): Pantip公式のライターが書いた記事です。

CRは原則、自分でお金を払って自分で体験した内容を書くため、信頼性が高く読者からも人気ですが、自然発生的なもので狙って書いてもらえるものではありません。

もし日本の企業がPantipを使ってプロモーションを行いたい場合には、公式ライターによる「BR」を利用します。ライターを現地に招いて取材してもらい、記事化してもらうのが一般的です。Pantipは、タイの消費者に直接リーチできる強力なツールとして、今後さらに注目が高まっていくと考えられます。

訪日プロモーションではPantipとSNSを併用

私が実際にタイ人向け訪日プロモーションを提案する際には、Pantipと、SNSインフルエンサー施策などを合わせてご提案する場合が多いです。

タイで人気のSNSには、YouTubeFacebookTwitter(X)、そして若者に特に人気のTikTokがあります。インフルエンサーを活用したプロモーションは非常に盛んですが、SNS上では文章が短く、簡潔なレビューが中心となるため、より詳細な情報を求めるユーザーはPantipを利用します。

例えば「横浜 Pantip」と検索すると、実際に横浜を訪れたタイ人旅行者の具体的な体験やリアルな感想が見つかります。Pantipには、投稿にコメントを残せる機能もあり、SNSのようにユーザー同士が交流できる点も魅力です。投稿に対して「参考になりました!」というフィードバックが閲覧者から寄せられることで、投稿者のやる気が高まり、さらに多くの情報が共有されるサイクルが生まれています。

このようなユーザー間のコミュニケーションが、Pantipを訪日プロモーションにおいて重要なプラットフォームとしている理由の一つです。

訪日タイ人は旅マエに、どこまで情報を調べているのか?

タイ人観光客は、旅行前に購入するアイテムや訪れる場所を徹底的にリサーチします。特に、インフルエンサーが詳しくレビューした情報を参考にし、「買い物リスト」を作成して計画的に行動するのが一般的です。たまに「単価の低いものもリストを作るんですか?(安いものはその場で決めるのでは?)」と聞かれることがありますが、実はお菓子お土産などの単価が低いものでも、事前にしっかり調べたうえで購入することが多いんです。ですので、「旅マエ」の情報発信が非常に重要になりますね。

彼らは、旅行初日にはあまり買い物をせず、最終日に空港近くやホテル周辺のお店でお土産を買う傾向があります。事前に行くお店を調べて、地図にピンを立てておく人も多いです。

また、タイ人旅行者の行動範囲は比較的広いものの、買い物をする場所はホテル近くが多いという特徴もあります。買い物を済ませたら、ホテルに戻ってスーツケースにお土産を詰めるという流れが一般的なので、あまりに遠い場所だとホテルまで持って帰るのが大変なんです。

2025年に向けたプロモーションのタイミング

タイ人誘客に向けたプロモーションを計画する際、重要なタイミングがいくつかあります。

1つ目は、4月に行われるタイの「ソンクラーン」という春の祝日。訪日のピークを狙って集客を狙う場合、情報発信は2〜3月、早ければ1月から開始する必要があります。

2つ目は、11月から12月にかけての冬のピーク。この期間に向けたプロモーションは、8〜9月にスタートすると効果的です。

特に11月に開催される旅行博までにPRをしっかり行うことが大切です。旅行博に行く時には旅行先がだいたい決まっていて、本当に行くかどうかを決めるタイミングなので、旅行博までにしっかり魅力をアピールする必要があります。

また、8月と2月にも旅行博が開催され、特に2月の旅行博では団体旅行のパッケージが多く販売されています。この時期のプロモーションは、旅行博後に行き先を決める人も多いため、2月に実施するプロモーションでも十分に間に合います。


以上、 訪日ラボ コンサルティング部のウオンサタンより、訪日プロモーションに欠かせないPantipの活用法と、タイ市場向けプロモーションタイミングについて解説しました。今後も訪日ラボコンサルティング部の外国人コンサルタントによる独自の情報をお届けしていきますので、お楽しみに!

前編を見る:【超実践的】訪日タイ人の最新旅行トレンド&ショッピング事情とは?

著者プロフィール:ウオンサタン ジェサダーポン


株式会社mov コンサルティング部 コンサルタント

タイ国チェンマイ県出身。チェンマイ大学卒。 2016年から地方自治体・民間企業への企画案件提案、海外現地イベントや旅行博出展、タイ現地旅行会社メディアへのセールス業務、海外現地でのセミナー・商談会開催、タイメディアへの広告出稿、外国語SNS運用等、訪日インバウンドマーケティング及び海外プロモーション案件に従事。イベント運営ディレクターからメディア旅行会社招請のアテンドまで幅広く担当し、訪日インバウンド事業ディレクター実績多数。2022年より株式会社movに参画し、民間企業・地方自治体への提案、東南アジアメディアインバウンドコンサルティングなどを行う。

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この記事の筆者

ウオンサタン ジェサダーポン

ウオンサタン ジェサダーポン

株式会社mov コンサルティング部 コンサルタント

タイ国チェンマイ県出身。チェンマイ大学卒。 2016年から地方自治体・民間企業への企画案件提案、海外現地イベントや旅行博出展、タイ現地旅行会社メディアへのセールス業務、海外現地でのセミナー・商談会開催、タイメディアへの広告出稿、外国語SNS運用等、訪日インバウンドマーケティング及び海外プロモーション案件に従事。イベント運営ディレクターからメディア旅行会社招請のアテンドまで幅広く担当し、訪日インバウンド事業ディレクター実績多数。2022年より株式会社movに参画し、民間企業・地方自治体への提案、東南アジアメディアインバウンドコンサルティングなどを行う。

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