Booking.com(ブッキングドットコム)は大手旅行サイトのひとつで、ホテルや旅館だけでなく民泊などさまざまな宿泊施設を掲載できるため、訪日外国人をターゲットとする宿泊施設の事業者にとって有力な集客手段となっています。
施設を掲載するだけでなく、口コミを増やすことでさらなる集客効果が期待できます。
この記事では、Booking.com(ブッキングドットコム)の基本情報や評判、口コミの評価基準について詳しく解説します。Booking.com(ブッキングドットコム)の独自のアワードである「Guest Review Award」の概要やアワード受賞のための条件なども紹介します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
Booking.com(ブッキングドットコム)とは
Booking.com(ブッキングドットコム)はオランダに本社を置く世界最大級のOTA(Online Travel Agent)で、世界70か国に198の支社を展開しています。
世界中の宿泊施設のオンライン予約を行える点が最大の特徴で、ホテルや旅館のみならず、アパートメントやバケーションレンタル、ゲストハウスやホームステイなど、さまざまな形式の宿泊施設を予約できます。
また、宿泊施設だけでなくフライトやレンタカーの料金比較・予約手配なども行えるので、一気通貫したユーザー体験を提供できる点も特徴といえます。
多言語に対応している点もポイントで、日本語や英語をはじめとした40以上の言語に対応しているなど、掲載することでインバウンド集客も期待できるでしょう。
差額返金で最安値保証、アフターサポートも充実
Booking.com(ブッキングドットコム)では宿泊施設の予約に関する手数料は発生せず、他社サイトや他代理店においてさらに安い宿泊プランが出ていた場合には差額を返金する最安値保証システム「プライスマッチサービス」を取り入れています。また、緊急時や不明点がある場合には24時間・年中無休のカスタマーサポートに問い合わせることで即座に対応してもらうことが可能です。
カスタマーサポートについても40以上の言語に対応しているため、誰でも充実したアフターサポートを受けられます。
Booking.com(ブッキングドットコム)のメリット・デメリット
ほかのOTAと比較してBooking.com(ブッキングドットコム)にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。以下では、Booking.com(ブッキングドットコム)のメリット・デメリットについてユーザー・事業者2つの観点から解説します。
【ユーザー】メリット:多数のレビューを参考に選べる
Booking.com(ブッキングドットコム)には世界中から多くの口コミが寄せられ、宿泊施設の利用を検討しているユーザーは多くのレビューを参考にできます。たくさんのレビューを参考に選べるので、より自身の希望にマッチした宿泊施設を探しやすくなる点がユーザー側のメリットといえます。
【ユーザー】デメリット:キャンセル時トラブルが起きやすい
世界中で多くのユーザーが利用しているBooking.com(ブッキングドットコム)ですが、実際に利用したユーザーからの評判を調べると、予約の変更やキャンセルなどを行う際に連絡がうまくいかずトラブルにつながったケースが散見されます。
Booking.com(ブッキングドットコム)では、24時間・年中無休で対応可能なカスタマーサポートを用意しているものの、対応が遅れるケースも少なくないようです。
【事業者】メリット1:民泊の掲載も可
Booking.com(ブッキングドットコム)ではホテルや旅館に限らず民泊も掲載できるなど、多種多様な宿泊施設についての掲載や予約手配を行っています。なかには民泊を掲載できないOTAもあり、民泊事業者はプロモーションの場が限られることが珍しくありませんでした。
これまでは民泊事業者の間では民泊仲介に特化したAirbnbが人気を集めていましたが、2016年に民泊の掲載が開始されてからはBooking.com(ブッキングドットコム)も注目されています。
インバウンド復活で、グループや家族連れなども利用しやすいことから、民泊需要はさらに増加しています。民泊の掲載ができることは、宿泊事業者にとって大きなメリットになるでしょう。
【事業者】メリット2:高評価を得ると表彰される
Booking.com(ブッキングドットコム)ではゲストに対して質の高いサービスや優れたおもてなしを提供している宿泊施設を表彰する「Traveller Review Awards」を毎年発表しています。200を超える国と地域にある宿泊施設の中から選出される同アワードを受賞するには、前年の12月1日の時点で以下の条件を満たしている必要があります。
- 平均クチコミスコアが8~10であること
- Booking.com(ブッキングドットコム)ユーザーからのクチコミが3件以上投稿されていること
Booking.com(ブッキングドットコム)において同アワードを受賞していることはどんなゲストに対しても質の高いサービスを提供できていることの証明にもなります。
2024年に発表された同アワードの受賞施設数を国別にみるとイタリア、スペイン、フランスと欧州圏の国が上位3位を独占しており、日本では1万5,511にものぼる宿泊施設が「Traveller Review Awards 2024」を受賞しました。
「Traveller Review Awards」を受賞することで露出が増え、世界中から集客が期待できるでしょう。
Booking.com(ブッキングドットコム)で人気の施設の傾向・評価基準
Booking.com(ブッキングドットコム)で集客するためには、人気の施設や評価基準について理解しておくことが重要です。ゲストのニーズに合わせたピンポイントな対策を講じれば、評価や印象について高評価を得ることも不可能ではありません。
以下では、Booking.com(ブッキングドットコム)で人気の宿泊施設の特徴、口コミの評価基準について解説します。
人気の施設の傾向
日本国内で「Guest Review Award 2024」の受賞施設が特に多かったのは「1位 ニセコ町(北海道)」でした。次いで、「2位 野沢温泉村(長野県)」「3位 由布市(大分県)」でした。宿泊施設のタイプでは通常のビジネスホテルに比べてゲストハウスやファームステイ、B&B(宿泊と朝食がセットになった簡素なタイプの宿のこと)などのユニークな宿泊施設のほうがアワードの受賞率が高く、全体の傾向としてゲストは温泉や自然あふれる居心地の良い体験を求めていることがわかります。
口コミの評価基準×7
Booking.com(ブッキングドットコム)の口コミでは下記の6つの項目について10点満点で評価を行います。- 清潔さスタッフ
- 施設・設備
- 清潔さ
- 快適さ
- お得感
- ロケーション
- WiFi(無料)
スコアは、全総合スコアの合計の平均から自動的に算出されます。アワード受賞のためには平均点を上げる必要があるため、まんべんなく高い評価を得られるように比較的低い評価の項目について対策をしていくとよいでしょう。
口コミスコアをアップさせる方法
口コミスコアをアップさせるコツをご紹介します。
1. 期待値を正確に保つ
ユーザーが滞在時に期待できる点が、施設ページのコンテンツに正確に反映されているかを確認しましょう。特に、下記の点を確認してみましょう。
- 施設に関する情報がすべて正確で、間違いないか
- 写真が最新のものか
2. 朝食を提供する
朝食はゲストが施設で最後に食べる食事なので、できる限り提供することで、良い思い出として記憶させることができます。朝食の提供が難しい場合は、チェックインの待ち時間の合間に、無料のドリンクや軽食を提供するのもよいでしょう。
3. 質の高いサービスを提供する
ゲストに一層の努力を尽くすことで、思い出に残る経験を提供できます。これまでに投稿された口コミを読んで返信し、ゲストから指摘のあった点は改善しましょう。
4. 快適さ・清潔さを保つ
衛生面に配慮し、ゲストができる限り快適に過ごせるようにしましょう。必要となる可能性のある備品(地図や飲料水、WiFi、周辺や館内での騒音が気になる環境の場合は耳栓など)を準備することで、ゲストが快適に過ごすための準備を整えられます。
5. 口コミへ返信する
口コミはゲストの体験について理解するだけでなく、満足度を高める絶好のチャンスです。口コミを書いてもらったらリピーターになってもらえるよう、すべてに返信することをおすすめします。
口コミに返信する際は、以下の点に注意しましょう。
- 肯定的な口コミに返信する場合は「個人」ではなく「組織」の視点から、否定的な口コミには「組織」ではなく「個人」の視点から返信する
- 内容が肯定的であっても否定的であっても、口コミに対して感謝の気持ちを表す
- 定型文を使って返信していると思われないよう、内容は適宜変更する
- 不明な点がある場合は、問題点を明確にすることを目的に詳細の提供をお願いする
施設利用後は、Booking.com(ブッキングドットコム)に口コミを投稿するようお願いすることも重要です。
Booking.com(ブッキングドットコム)で高評価な口コミを集めて集客力アップ
Booking.com(ブッキングドットコム)はホテルや旅館はもちろん、民泊も掲載できる点が特徴です。ユーザー数も多く、掲載するだけでも一定の集客効果が期待できるうえ、実際に宿泊したゲストから高い評価を得られれば、さらなる集客を見込めるでしょう。
ゲストから高い評価を得るためには評価基準を意識した対策やゲストのニーズに合わせた対応を行うとより効果的です。
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<参照>
Booking.com(ブッキングドットコム)
- Booking.comについて
- 一般取引条件
- Traveller Review Awards 2024:よくある質問
- Traveller Review Awards 2024の受賞者を表彰!
- ブッキング・ドットコム、全世界で148万を超える宿泊施設が「Traveller Review Awards 2024」を受賞
-
ブッキング・ドットコム、「Traveller Review Awards 2024」と共に「日本で最も居心地の良い旅先」10選を発表
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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