ブッキング・ドットコムは4月16日、2025年ゴールデンウィーク(GW)における国内・インバウンド旅行動向予測の発表会を開催しました。
インバウンドに注目されている都市や国別の動向などを発表したほか、トレンドキーワードとして「没入型リトリート+温泉」を挙げました。

GWのインバウンド旅行予約、那覇・箱根・広島などに注目。市場別ではイタリア市場が高い伸び
ブッキング・ドットコム 東日本地区 統括部長 信濃氏によると、同社OTAにおけるGWの旅行予約は国内旅行者が20%、インバウンドが80%の割合で、いずれも前年を大きく上回りました。
インバウンドがGWに注目しているスポットとしては、以下の10地域を挙げています。
- 那覇
- 箱根
- 広島
- 横浜
- 富士河口湖
- 金沢
- 神戸
- 高山
- 岡山
- 熊本
また、国・地域別の予約状況では、台湾・韓国・米国・中国など従来から高い市場に加え、イタリアが高い伸びを見せているということです。
GWの旅行トレンド、キーワードは「没入型リトリート+温泉」
近年、世界の旅行者の旅行トレンドとして、「ウェルネスツーリズム」など健康にフォーカスした旅行が注目を集めています。信濃氏は、今年のGWのキーワードとして「没入型リトリート+温泉」を掲げました。
リトリートとは「日常生活から離れ、心と体を癒す旅」を指しますが、最近では短期的な疲れを癒すだけでなく「長寿」につながるような、より長期的な健康を求める傾向にあり、その習慣の一つとして「温泉」に注目しているといいます。
日本の温泉地の年間トレンドを見ると、繁忙期と閑散期の差が大きく、どうしても寒い時期に集中しがちです。そこで、インバウンドの旅行者が重視するウェルネスに紐付け、「オフピークの温泉地」へ集客することを提案しています。
AIを活用した旅行検索が進化
さらに同社はAIを活用して「隠れた名所への誘導」を行っているといい、例えば「裏草津」など、外国人が知らない・検索しないような温泉地をAIがおすすめしている様子を紹介。
「今までは知っている場所を検索するしかなかったが、ぼやっとした『こんな旅をしたいと思っている』といった要望にも回答してくれる」として、AIによる旅行検索のメリットを強調しました。
温泉だけでなく「温泉地」そのものを楽しむ
続いてパネルディスカッションでは、「没入型リトリート+温泉」をテーマに登壇者が議論。温泉療法に詳しい東京都市大学教授 早坂氏によると、温泉によるリフレッシュ効果は「(温泉だけでなく)温泉地を楽しむ」つまり周辺の観光地で何らかのアクティビティを楽しむ方がより効果的だということで、登山、ウォーキング、周遊観光、エステ・マッサージなど、現地の観光なども合わせて体験することを推奨しています。
秘湯探検家の渡辺氏は、箱根や長野、北海道、鹿児島などの秘湯を紹介。「行かなきゃ損。見たことのない景色も見れて、実際に入るとこんなに効能があったんだと体感できる。ぜひ行ってください」と呼びかけました。
インバウンド向けの対策は:温泉の効能など「正確な情報発信」が求められる
さらに早坂氏は、温泉地におけるインバウンド向けの対策を問われると「温泉にはそれぞれ特徴があるが、必ずしも正確でない情報が多い。インバウンドに向けた正しい情報の発信が大事なのではないか」とコメント。
箱根・きのくにや旅館の川邉氏も「観光を受け入れる側ですら、温泉のことについてわかっていないことが一つの問題点。むしろ観光に来る人の方が知っていたりする。まずはいろんな温泉があって、効能が違うといったことを、それぞれの宿が勉強しなければいけない」と話しています。
別府・シーサイドホテル 美松大江亭 支配人の松野氏は、「温泉の成分表を英語で作ったり、わかりやすく何に効くかを発信したりすると良い。熱い温度に慣れていない方やタトゥーが入っている方に向けては、地元の人の理解も得ながら、隠すシールを常備したり、貸切湯を紹介したりしている」「日本の人が見ればわかるものも、外国の方にはわからない。外国の方の目線に立って、入りやすい温泉を作る工夫が必要」と語りました。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
【9/11開催】実例から学ぶ!店舗とECの露出最大化に向けた小売のためのOMO戦略
デジタルとリアルの垣根がなくなりつつある今、小売企業にとって「店舗とECのつながり方」は売上や顧客体験に直結する重要なテーマとなっています。
本セミナーでは、「Googleサービス × 在庫情報」によって来店とオンライン購入を両立させるmovのOMO戦略と、EC上でもリアルな接客を実現するvisumoのビジュアルマーケティング手法を、実例とともに徹底解説。
OMOの取り組みを“戦略で終わらせない”ために、今すぐ使える具体施策・成功パターンをお届けします。
<セミナーのポイント>
- Googleサービスと在庫情報を連携させた“店舗&EC”への送客手法がわかる!
- ECサイトから店舗への送客を生むコンテンツ設計が学べる!
- 店舗とECをスムーズにつなぐ“OMOの成功パターン”が学べる!
詳しくはこちらをご覧ください。
→【9/11開催】実例から学ぶ!店舗とECの露出最大化に向けた小売のためのOMO戦略
訪日ラボ主催「THE INBOUND DAY 2025」アーカイブ配信中!
訪日ラボを運営する株式会社movが8月5日に開催した、日本最大級のインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」のアーカイブ動画が公開中です。
アーカイブ配信では、元大阪府知事の橋下 徹氏と大阪観光局理事長の溝畑 宏氏による基調講演のほか、脳科学者の茂木 健一郎氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏、アパグループ 社長兼CEOの元谷 一志氏などの貴重な講演の様子を一挙公開(一部を除く)。
参加できなかった方はもちろん、もう一度議論を見直したい方も、ぜひご覧ください。
【インバウンド情報まとめ 2025年8月後編】訪日客、一部で前年割れも「成長軌道」 / ドンキ運営のPPIH、2035年までに免税売上4,000億円を目指す ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に8月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→訪日客、一部で前年割れも「成長軌道」 / ドンキ運営のPPIH、2035年までに免税売上4,000億円を目指す ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年8月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!