観光庁の「インバウンド消費動向調査」によると、2024年、日本滞在中に消費税免税手続きを実施した人は全体の55.3%に達しています。
そのため、2026年11月に予定されている、訪日外国人旅行者向けの免税制度見直しは、インバウンド業界に大きな変化をもたらすことが予想されています。
改正までの残り1年となったなか、現場の最前線で訪日客と向き合う事業者は、この機会をどのように捉えているのでしょうか。
訪日ラボは、店舗で免税対応を行う現場担当者に取材しました。
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免税制度とは?
免税とは、外国人旅行者などの非居住者に対し、税金を免除することを指します。一般的に街中で見かける免税店は「TAX FREE」と表記され、消費税を免税して販売することができます。
この免税制度について、政府は2026年11月から、不正利用の排除などを目的に「リファンド方式」に変更することを決めました。
現行の制度では、所定の手続きを踏めば、店舗にて免税や還付のサービスが受けられますが、リファンド方式は、旅行者はまず課税価格で商品を購入し、出国時に税関で持ち出しの確認がされてから消費税分の免税対応を受けることになります。
また、リファンド方式の移行にあわせて、他の運用についても見直しが行われます。
- 消耗品(化粧品や食品、薬など)と一般物品の区分をやめ、消耗品の購入上限額50万円を撤廃
- 消耗品における特殊包装の廃止
- 免税対象品の「通常生活の用に供する物品」を廃止
- 免税成立時期の明確化(税関の持ち出し確認前90日以内の購入が対象)
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現場の「リアルな声」を聞いてみた
訪日ラボでは今回、一般型*で免税対応を行う事業者に、制度改正に関して取材を行いました。
*現行制度では、免税販売を行うには納税地を所轄する税務署から「輸出物品販売場」の許可を受ける必要があり、この許可には「一般型」と「委託型」の2種類があります。販売事業者が自ら許可を取得して免税手続きを行う場合は「一般型」と呼ばれ、百貨店やショッピングセンターなどが許可を取得し、テナント店舗が手続きを委託している場合は「委託型」と呼ばれます。(2026年の制度改正後はこの区分は統合され、一本化される予定です)
ーー今回の制度改正について、所感を教えてください。
免税対象は「通常生活の用に供する物品」*という規定がありますが、店舗では判断が難しいため、判断が不要になった点は、現場の意見が反映されたと感じます。手間がかかる消耗品の梱包が撤廃されたのも、同様です。
また現行の制度では、販売後に「免税要件を満たしていない」と判定された購入者を特定できない場合、販売や免税手続きにおける不備を免税事業者に問われることがありました。課税販売に切り替わることで、こうしたリスクは軽減されると考えられるため、そこは制度改善に向けた前進といえるでしょう。
またこれまでは、免税販売カウンターでは特定の店舗の商品しか手続きができませんでしたが、今後はこうした要件が緩和され、施設周辺エリアの店舗の免税販売を一括して対応できるようになると考えています。そのため、これまで免税販売ができなかった小さな店舗でも販売が可能になるのは、メリットと言えるのではないでしょうか。
ただ正直なところ、現場ではメリットよりも不安に感じる点の方が多いですね。
*事業用、または販売用であることが明らかな商品は免税対象にならない
ーー具体的に、どんな点が不安に感じていますか。
改正後は、出国時に空港で商品の持ち出し確認を行うことで、免税分の金額を受け取ることができます。
そうした手続きにお客様がどれだけ負担を感じるのか、また案内方法をどうするべきなのか、その詳細が把握できていない点が不安材料となっています。主要空港以外でも、同様の手続きができるのかも疑問が残ります。
また、免税手続きが購入当日から「90日以内に税関での手続き」に変更されるため、数か月前の購入をお客様が覚えていなかったり、お菓子などは賞味期限が切れてしまったりすることもあると思います。手続きのタイミング次第ではお客様に不便が生じる可能性もあるため、運用面での慎重な見極めが必要だと考えています。
ーーこれまで店頭で行われていた返金のタイミングが出国時に変わることで、「街中での訪日客の消費に影響が出るのではないか」という意見もありますが、どうお考えでしょうか。
ガチャガチャや飲食店など、その場で現金が還付されることで生まれる二次消費を考えると、影響はあると思います。そのため、制度改正により街中での消費が減る懸念はありますね。
この続きから読める内容
- 改正に向け、店舗対応も着実に準備 利用客への説明範囲を明確に
- 日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
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