秋の高山祭や川越まつり、アイヌの神事まで インバウンド観光客も訪れる日本国内の注目イベントまとめ【2026年10月】

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秋本番を迎える10月は、全国各地で多彩な祭りが行われ、訪日需要も高まる時期です。

本記事では、日本各地で10月に開催される訪日外国人にも人気があるイベントを、訪日ラボコンサルタントが紹介します。


1. まりも祭り

  • 開催地:阿寒湖(北海道釧路市阿寒町)
  • 開催期間:2026年10月8日~10日
▲まりも祭りの様子:北海道公式観光サイトより
▲まりも祭りの様子:北海道公式観光サイトより

まりも祭りの概要

1950年、国の特別天然記念物に指定されている「阿寒湖のまりも」を保護し、湖へ還すことを目的に始まったのがまりも祭りです。

北海道各地からアイヌの人々が阿寒湖温泉に集まり、アイヌに伝わる祈りの儀式「カムイノミ」のもと、丸木舟を浮かべて「まりもを迎える儀式」「まりもを護る儀式」「まりもを送る儀式」を厳かに執り行います。

タイマツの大行進やアイヌ古式舞踊も行われ、アイヌ文化を体感できる貴重な機会となっています。

まりも祭りのインバウンド動向

まりも祭り自体の外国人来場者数は公表されていませんが、阿寒湖温泉を含む釧路地域の2025年度の延べ訪日外国人宿泊客数は18万4,497人泊で、前年度比8.5%増となりました。コロナ前2018年度(18万7,399人泊)と同水準まで回復しています。

国・地域別では、台湾が8万4,029人泊(構成比45.5%)で最多を占め、中国2万2,976人泊(12.5%)、香港1万727人泊(5.8%)が続きます。特に台湾は前年度比20%増と過去最高となったほか、アメリカ(同26%増)やイギリス(同10%増)など欧米も伸長しました。

同時期には「阿寒アイヌアートウィーク」も開催され、独自の伝統文化や芸術に関心の高い観光客が訪れる可能性があります。釧路・阿寒湖観光公式サイトは、日本語のほか、英語・中国語(簡体字・繁体字)に対応しています。

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2. 川越まつり

  • 開催地:川越市街中心部(埼玉県川越市)
  • 開催期間:2026年10月17日・18日
▲川越まつりの様子:川越まつり公式サイトより
▲川越まつりの様子:川越まつり公式サイトより

川越まつりの概要

川越まつりの起源は慶安元年(1648年)。川越城主・松平信綱が氷川神社に神輿2基や獅子頭、太鼓などの祭具を寄進し、江戸の天下祭(神田祭・山王祭)にならって神幸祭を興したのが始まりと伝えられています。

その後、川越独自の特色を加えて発展し、2005年に「川越氷川祭の山車行事」として国指定重要無形民俗文化財に、2016年には「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

小江戸・川越の象徴である蔵造りの町並みを中心に、約8mを超える山車が町を練り歩く姿は圧巻です。最大のみどころ「曳(ひ)っかわせ」では、向かい合う山車同士が至近距離で囃子を打ち鳴らし競演します。

東京・池袋から電車で約30分という近さも、多くの人を集める理由のひとつです。

川越まつりのインバウンド動向

川越市が公表した2025年入込観光客数によると、2025年の川越まつり来場者数は66万1,000人(前年比10.4%減)でした。開催日の天候不順が減少要因のひとつとみられますが、その規模は引き続き市全体の観光をけん引しています。

一方、2025年の外国人観光客数(推計)は80万6,000人で、前年(推計69万9,000人)から増加しました。市の観光案内所利用者データでは、国・地域別で台湾が27.8%と最多を占め、香港11.0%、アメリカ8.6%、中国6.3%が続きます。

多言語対応については、川越まつり公式サイトや小江戸川越観光協会による観光サイトが、英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・タイ語などに対応しています。また、NPO法人 英語の通じる街実行委員会と小江戸川越観光協会は「川越市英語ボランティアガイド育成講座」を2021年から実施しており、過去の川越まつりではガイドが川越駅・本川越駅で外国人ゲストを案内しました。

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3. 秋の高山祭(八幡祭)

  • 開催地:櫻山八幡宮周辺(岐阜県高山市)
  • 開催期間:2026年10月9日・10日
▲秋の高山祭(八幡祭)の様子:飛騨高山旅ガイドより
▲秋の高山祭(八幡祭)の様子:飛騨高山旅ガイドより

秋の高山祭(八幡祭)の概要

春と秋に行われる高山祭は京都祇園祭、秩父夜祭と並ぶ日本三大美祭のひとつで、重要無形民俗文化財やユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

秋の高山祭は、毎年10月9日・10日に開催される櫻山八幡宮の例祭で、正式には八幡祭(はちまんまつり)といいます。屋台の曳廻しは秋の高山祭だけで行われ、4台の屋台が町を巡る姿が眺められます。

秋の高山祭(八幡祭)のインバウンド動向

高山市が公表した「外国人観光客宿泊統計」によると、2025年の高山市の外国人宿泊者数は97万8,312人(前年比27.1%増)で、過去最高を更新しました。特に10月の外国人宿泊者数は11万2,775人と、年間を通じて最も多い月となっています。

国・地域別では、台湾(11万9,595人)、中国(9万1,906人)、アメリカ(5万8,775人)に続き、スペイン(5万2,730人)が多くなっています。ヨーロッパは全体の22.5%を占めており、欧米での注目度の高さがわかります。

2026年春の高山祭の観光客入込み状況(国内観光客を含む)は前年と比べて約9%増加しており、秋の高山祭も前年以上の盛り上がりが期待されます。

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4. 時代祭

  • 開催地:京都御苑~御池通~平安神宮(京都府京都市)
  • 開催期間:2026年10月22日(雨天の場合は23日に順延)
▲時代祭の様子:京都観光Naviより
▲時代祭の様子:京都観光Naviより

時代祭の概要

時代祭は、平安神宮の創建と平安遷都1100年を記念して明治28年(1895年)に始まった大祭です。明治維新によって衰退した京都の町おこし事業の集大成として平安神宮が創建され、そこに寄せられた人々の熱意の象徴として創始されました。

葵祭・祇園祭と共に京都三大祭りに数えられており、明治維新時代から平安京が造営された延暦時代まで、約2,000人の市民が時代ごとのスタイルに扮して京都の町を練り歩きます。

時代祭のインバウンド動向

京都市が公表した「京都観光総合調査」によると、京都市全体の2025年の観光消費額は2兆474億円、経済波及効果は2兆2,193億円と、過去最高を更新しました。外国人観光客数は1,268万人で、こちらも過去最高となりました。

京都市観光協会の2025年データにおいても、京都市内の主要宿泊施設における外国人比率は66.4%と、統計開始以来の最高値を記録しました。

時代祭においても、一部の有料観覧席では専属講師による日本語・英語の解説付きイヤホンガイドが用意されているなど、外国人観光客に配慮した観覧環境が整えられています。

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5. 長崎くんち

  • 開催地:諏訪神社・お旅所・中央公園・八坂神社ほか(長崎県長崎市)
  • 開催期間:2026年10月7日~9日
▲長崎くんちの様子:長崎伝統芸能振興会公式サイトより
▲長崎くんちの様子:長崎伝統芸能振興会公式サイトより

長崎くんちの概要

長崎くんちは、独特でダイナミックな奉納踊が披露される、長崎の氏神「諏訪神社」の秋季大祭です。踊りを奉納する町は踊町(おどりちょう)と呼ばれ、7年に1度出番がまわってきます。鎖国時代に中国やオランダとの交流拠点であった長崎らしく、西洋や中国の影響を色濃く受けた演し物が多いのが特徴です。

1979年には「長崎くんちの奉納踊」として国指定重要無形民俗文化財に指定されました。

長崎くんちのインバウンド動向

観光庁の「宿泊旅行統計調査」によると、2025年の長崎県の外国人延べ宿泊者数は76万4,760人泊で、前年比18.9%増となりました。

長崎の観光を後押ししているのがクルーズ船です。国土交通省が公表した「訪日クルーズ旅客数及びクルーズ船の寄港回数(2025年速報値)」によると、2025年に外国クルーズ船が最も多く寄港した港湾は長崎港(194回)で全国1位となりました。長崎港では、地元ガイドが英語で観光案内を行う「Nagasaki Crew(ナガサキクルー)」の育成など、クルーズ客の受け入れ環境整備も進められています。

長崎くんちの公式サイトでは、演し物のスケジュールやチケット情報が英語で案内されています。2025年には地元の高校生が英文パンフレットを1,000部作製。JR長崎駅の総合観光案内所などで無料提供したほか、500部を長崎市に寄贈するなど、外国人に長崎くんちの魅力を伝えるための取り組みが行われています。

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訪日ラボコンサルタント 林 明慧のコメント

台湾人は、春節のある1月〜2月や夏休みシーズンが訪日ピークとなる傾向にあります。しかし2025年10月の訪日台湾人数は59.6万人と、同年の中でも8月、7月に次ぐ多さとなりました。

背景には、2025年から祝日になった光復節(毎年10月25日)があると考えます。2026年も国慶日(10月9日〜11日)と光復節(10月24日〜26日)が3連休となるため、10月は旅行しやすい月となりそうです。

訪日台湾人観光客はリピーターがとても多く、定番の観光地以外にも、自然や温泉、お祭りといった地方ならではの体験を求める人が多くなっています。

対策としては、紅葉が見られる時期やお祭りの日程といったイベント情報、その観覧方法を繁体字で発信することに加え、予約が集中しやすいタイミングを見据えて、宿泊や交通の案内を早めに出すことが有効です。

台湾人がよく使うInstagram、ThreadsなどのSNSで現地のトレンドを収集し、情報発信にはGoogleマップなどのツールも活用しましょう。

関連記事:台湾インフルエンサー施策の勝ち筋とは 2026年最新実践ガイド

プロフィール:林 明慧

株式会社mov インバウンド支援事業本部 コンサルティング部

台湾政治大学新聞学科と日本語学科卒業後、名古屋大学大学院に進学。新卒でWebサービス会社に入社し、サービスの企画および新卒採用業務を担当。2020年より株式会社movにジョイン。訪日ラボ編集部を経てインバウンド事業部に所属し、日本の民間企業・自治体の海外向けプロモーションの企画・実施を担当。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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