台湾インフルエンサー施策の勝ち筋とは 2026年最新実践ガイド【台湾インバウンド解体新書 by カケハシ vol.3】

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連載:台湾インバウンド解体新書 by カケハシ

台湾市場を15年見続けてきた「カケハシ」がお届けする連載「台湾インバウンド解体新書」。

第3回となる今回は、「台湾インフルエンサーマーケティングは本当に効かなくなったのか」という問いに、現場の視点から答えます。

第1回:台湾で“バズる”理由とは?現地ドラッグストアに学ぶインバウンド集客のヒント
第2回:台湾大手旅行代理店に聞いた、訪日旅行市場のリアル


台湾インフルエンサー施策は、8割が成果に届いていない

ここ数年、現場でよく耳にするのが「台湾インフルエンサー施策はもう効かない」「費用に対して成果が見合わない」という声です。

実際の体感として、台湾向けインフルエンサー施策のかなりの割合がうまくいっていません。感覚としては、8割近くが期待した成果に届いていない印象です。

ただし、ここで誤解してはいけないのは、台湾インフルエンサーマーケティングそのものが終わったわけではないということです。終わったのは、あくまで従来型のやり方です。

2016〜2017年の黄金期から何が変わったか

台湾のインフルエンサーマーケティングには、はっきりした流れがあります。

2016年から2017年頃までは、まさに黄金期でした。インフルエンサーが紹介すれば売れる、行列ができる、認知が一気に広がる。企業側も「有名な人に頼めば反応が取れる」という感覚を持ちやすく、実際に成果が出ていた時期です。

ところが、2018年以降になると状況は変わります。PR案件が急増し、タイアップ投稿が当たり前になったことで、受け手側の目がどんどん厳しくなっていきました。さらに2023年から2026年にかけて、「もうインフルエンサーは効かない」という空気が強くなっています。

失敗の要因は「消費者のPR慣れ」「フォロワー数偏重」「単発施策」

従来型の施策が失敗しやすい理由は、次の3点に集約できます。

一つ目は、消費者がPRに慣れてしまったことです。

台湾では比較的早い段階からインフルエンサーマーケティングが普及した一方、PR色の強い投稿も大量に出回るようになりました。結果として、ユーザーは投稿を見た瞬間に「どうせ広告でしょ」と構えるようになり、以前ほど素直に反応しなくなっています。

二つ目は、フォロワー数だけを見て選ぶ企業が多いことです。

フォロワーが多ければ影響力があるように見えますが、それだけでは不十分です。エンゲージメント率が低い、フォロワー層が商材と合っていない、日本への関心が薄い、といった観点を見落とすと、数字は立派でも行動にはつながりません。

三つ目は、単発施策で終わらせてしまうことです。

一回投稿して終わり、タイアップして終わり、キャンペーンを打って終わり。これでは台湾ユーザーの心は動きません。訪日旅行は思いつきで決めるものではなく、比較検討して、保存して、家族や友人と相談して決めるものです。だからこそ、一度きりの接触では弱く、流れのある発信設計が必要になります。

このほか、ゴールを曖昧にしたまま始める、インフルエンサーに丸投げする、短期のROI(投資利益率)だけで成果を判断する、といった落とし穴も現場ではよく見られます。事前の目的設計と、中長期での評価軸を持つことが欠かせません。

2026年の台湾市場で起きている3つの変化

私たちは台湾で現地メディアを運営しながら、日々読者や消費者の反応を見ています。そこで感じるのは、台湾の人たちが今も日本に強い関心を持っているということです。

ただし、刺さる情報の形は変わりました。昔のようにきれいな写真と褒め言葉を並べれば動く時代ではありません。今求められているのは、もっと人間味のある情報です。

世界全体の2割が台湾ユーザー、Threadsの台頭

その変化を象徴するのが、Threadsの存在感の高まりです。

台湾ではThreadsの浸透が目立っており、世界ユーザーのうち20%以上が台湾ユーザーだといわれています。Instagramのように整えられた投稿ではなく、もっとラフで本音に近い言葉が流通する。その空気が、今の台湾ユーザーに合っているのです。

Instagramは世界観づくりやビジュアル訴求に強い一方、「整った投稿」になりやすく、見る側もPRだと身構えやすい面があります。

その点、Threadsは空気が違います。もっとラフで、本音に近い。「今、日本にいる」「これ、思った以上によかった」「正直ここは微妙だったけど、こっちは最高だった」といった、リアルタイムの感想がそのまま流通しやすいメディアです。だからこそ、ユーザーには自然な口コミとして受け取られやすいのです。

旅行の文脈でも同じです。整った感想よりも、「このエリア、思ったより全然よかった」「正直あまり期待してなかったけど、また行きたい」といった、本音が混ざった言葉のほうが強く届きます。広告色の強い市場だからこそ、飾られていない感想に価値が出るのです。

自然な口コミや信頼感が重要に

もうひとつの変化は、一般消費者の影響力が高まっていることです。

この続きから読める内容

  • 求められるのは「情報」より「体験」
  • 訪日インバウンドで成果を出す5ステップ
  • 【Step1】目的とターゲットを明確にする
  • 【Step2】フォロワー数ではなく「文脈」で選ぶ
  • 【Step3】コンテンツ設計はPR感をどう消すかが勝負
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この記事の筆者

カケハシ(媒迪亞維博有限公司)

カケハシ(媒迪亞維博有限公司)

秋山 光輔(あきやま こうすけ)

台湾法人カケハシ 代表取締役

2011年に台湾でインバウンド専門のマーケティング会社「カケハシ」を創業。大手日系企業のSNS運用、インフルエンサー施策、台湾メディアとのタイアップなどを多数手掛ける。台北101隣接エリアにオフィスを構え、現地ニュースを発信する「台北経済新聞」を運営。台湾の生活感覚や消費マインドを熟知し、台湾のテレビ番組にも出演するなど、訪日インバウンドの専門家として紹介された実績を持つ。台湾人の妻を肺癌で亡くし、シングルファザーとして子育てと経営を両立。民間と行政、現場とデータ、感性と論理を横断する存在として注目されている。


杉原 明日香(すぎはら あすか)

日本窓口営業部長/台北経済新聞副編集長

大学生時代の語学留学をきっかけに台湾に深く根を下ろし、現地コミュニティの中で培ったリアルな感覚を強みとする。台湾人のパートナーとの結婚と子育てを通じて、生活面でも台湾文化に根ざした視点を持つ。現在は営業部長として、台湾人旅行者に響くプロモーション設計をリードしている。


呉屋 徳夫(ごや のりお)

台湾向け実務担当マーケター

沖縄出身の台湾華僑。台湾と日本、両方のネイティブな文化を熟知するバイリンガルの強みを活かし、現地ネットワークづくりや台湾向けSNS企画&発信など実務全般をリード。

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