民泊バスターズに民泊ポリスが登場!? 民間企業が違法民泊の調査に乗り出している理由とは

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違法営業や近隣住民の苦情などの懸念から、導入が慎重に進められている民泊。これまで適切な法対策がとられず、グレーな扱いをされていたこともあり、日本でもトラブルが発生しています。

そんな現状を反映して、ついに「民泊バスターズ」という民泊専門の探偵/調査会社が登場しました。いったい違法民泊にはどのような問題点があり、そして、どのようにして暴き出すのでしょうか。今回は、民泊バスターズの取り組みについてご紹介します。

 


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違法民泊を専門に調査する民泊バスターズとは

民泊バスターズは、違法な民泊の調査から問題解決までをトータルに行う探偵/調査会社。主な利用者はマンション、戸建てなどの賃貸物件の所有者のようです。一般的な住宅が民泊用の宿泊施設として想定外な方法で使われ、訪日外国人観光客が夜中まで騒いだり、共有スペースで迷惑な行為をしたり、ゴミの分別を守らなかったり……そのようなトラブルにより、物件の価値が下がることを回避するために利用することが多いと思われます。また、さらに悪質な場合、売春、違法薬物の使用などの違法行為が行われる可能性も考えられます。

2016年4月から民泊を行う際には届け出が必要になりました。そのため、転貸を許可する契約内容だったとしても、条例違反などのかたちで責任追及することが可能です。

違法民泊の調査パターン

調査方法パターンの一例を紹介してみましょう。

Airbnb(エアビーアンドビー)をはじめとした民泊仲介サイト(バケーションレンタルサイト)で、疑わしい物件がないか調査
架空予約で住所部屋番号まで特定して裏をとってから、届け出の有無などを調べ、法的に問題がないか確認
さらに不法投棄について調べるゴミの調査、オーナーや管理会社主体のもと行う居住者アンケートなども実施

さらに問題解決に向けた相談、アドバイスを行うことも可能で、違法民泊のトラブルを一貫して対応する能力を持っています。

 

民間からの取り組みの背景には、行政の後手後手な動きが

なぜ、民間企業がここまで積極的に違法民泊対策に取り組む必要があるのでしょうか。民泊バスターズは東京都の警察署、新宿/渋谷区保健所、大田区保健所に取材を行い、行政調査の実態を明らかにしています。ざっくりとした内容をご紹介しましょう。

東京都の警察署

「区としての行政報告がないと警察の元まで内容が降りてこないため、現状把握できない」というのが現状。住民からの苦情があがっていても、まずは保健所に電話するよう勧めています。仮に住民が証拠を揃え、訴えに出た場合でも動きが取れないそう。

新宿/渋谷区保健所

一方、新宿区渋谷区保健所でもスムーズに対応できるというわけではありません。保健所は私有地内に立ち入ると不法侵入になってしまうため、基本的にはポスティングなどによる勧告を行うのみ。よほど悪質な場合、警察に相談し動いてもらうこともできるようですが、そのようなケースは稀のようです。

大田区保健所

民泊特区として認められている大田区の保健所でも事情はさして変わらず、うまく対応できていないもよう。苦情があがっていることは把握しており、リスト化を行っています。

警察、保健所は民泊を取り締まれていない現状

以上の内容を見れば分かるように、違法民泊の取り締まり権限は警察、保健所にまたがり、なかなかうまくいっていないのが実情。その代わりに、調査能力を持つ民間企業が動き、なんとか問題解決しようと動いています。

 

「民泊バスター」に加え、「民泊ポリス」もサービス開始

他社ではありますが、平成28年(2016年)10月に、全国初となる違法民泊通報サービス民泊ポリス」がオスカーから発表されました。こちらは民泊仲介サイトを調査し、その結果を報告する「パトロールサービス」(不動産オーナー向け)、任意の住所付近で民泊募集が行われていないか調べる「民泊募集住所データ提供サービス」(居住者向け)などを提供しています。

このような形で、民泊の法的な位置付けの明確化、住民からの苦情の多発などに伴い、違法民泊を民間で取り締まる動きが進んでいます。今後、民泊がよりよい形で日本に浸透することが期待されます。

 

まとめ:民間が民泊の健全化に一役

近隣住民とのトラブルなどが問題視されている民泊の違法営業。行政の対応は遅れており、うまく取り締まれていない現状が続いています。その一方で、違法民泊で迷惑を被る不動産オーナーや居住者支援に乗り出す民間企業が健全化に向けて動いています。民泊の黎明期を象徴するような出来事といっても過言ではないのではないでしょうか。

今後、民泊市場が活性化すると、トラブルはさらに増加していくでしょう。そのような事態の回避のためにも、民泊事業者のあり方、それを取り締まる行政のあり方などを模索していく必要があるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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