民泊は取り締まりの対象!? グレーゾーンから違法との見方が強くなった「闇民泊」について解説

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訪日ラボでも何度か触れている「民泊」。2016年4月に民泊に対応すべく旅館業法の緩和を行ったり、6月には民泊新法に関する最終報告書が提出されたりしたことは記憶にあたらしいです。
<民泊に関する規制緩和についてはこちら>

民泊検討会、最終報告書を発表:旅館業法とは異なる新たな法制度をつくり、実態把握を図る見込み

世界的に人気を博しているものの、宿泊業者や地域住民の生活に悪影響を及ぼすおそれが懸念されている民泊。観光地として世界的に有名なフランス・パリでは、ホテルの宿泊率が減少し、家賃相場が上昇し住宅不足が発生。ひどいところでは学級閉鎖まで起こっていると言われています。民泊の本来的な魅力は、ホテルや旅館では体験しにくい地域住民との関わり、体験の共有など。しかし、低コストで運営できるため、宿泊業者より価格が低く、実際には違法な業者が営業していることも少なくないと言われています。このような問題があること...

そのような規制緩和がおこなわれつつも、そもそも旅館業法においては民泊の形式は想定しておらず、民泊に関してダイレクトに定めたルールがないのが現状です。そこで問題となっている、いわゆる「闇民泊(ヤミ民泊)」の問題点について解説していきます。

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闇民泊とは、旅館業法の制限を受けずに営業されている民泊のこと

闇民泊とは、旅館業法で必要となる営業許可がない状態で宿泊希望者を宿泊させることです。現在、旅館業法上適法ではない状態で民泊物件を運用している事業者について問題となっています。先月7月13日にも、都内2社に対してのこの闇民泊の取り締まりが行われました。
> 外国人観光客向けに無許可で「民泊」をさせたとして、警視庁は13日、再生エネルギー関連会社「ハイブリッド・ファシリティーズ」(東京都港区六本木6丁目)、親会社の「ピクセルカンパニーズ」(同)と、この2社の役員や社員ら計6人を旅館業法違反(無許可経営)容疑で書類送検し、発表した。ー朝日新聞デジタル「無許可で「民泊」経営の疑い、都内の2社を書類送検」

そもそも民泊とは?

それでは、なぜ今まで民泊が黙認ないし問題とならなかったのでしょうか? もちろん、ボリューム的に顕在化しなかったというのもありますが、そもそもの民泊は「非営利目的」であったためです。

ロジックとしてはこうです。「家に使ってない部屋があるor使っていないマンションの1室を所有している」→「民泊したい希望者がいる」→「貸したらたまたま『謝礼』としてお金をもらえた」という格好でしたので、営利目的ではない、とされていました。

しかしながら、現在ではビジネスとして成り立っており、またAirbnb(エアービーアンドビー)などの仲介サービスの台頭により認知も広まってしまいました。また、この民泊の形式は今までの旅館業法が想定していなかった形式であったため、どのように法的に取り扱うかも含めて問題として提起されはじめました。

 

闇民泊の何が問題なのか?

いまでは「闇民泊」とまで言われてしまっている無許可の民泊。一見、安く宿泊したい旅行者と余っている部屋を有効活用したい所有者にとってWin-Winの関係に見えますが、何故、問題として提起されているのでしょうか。

その理由として、おもに以下の3点が取り沙汰されています。

  1.  旅行者の安全が確保できない
  2. 宿泊業界からの反発
  3. 近隣住民への迷惑や賃貸契約の問題

それぞれを見ていきましょう。

1. 旅行者の安全が確保できない

旅館業法第1条には
> 第一条  この法律は、旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達を図るとともに、旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進し、もつて公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。
とあります。旅館業の健全な発達と利用者の安全のために制定された法律です。旅館業のカテゴリ分けや、宿泊者への対応などを定めており、また旅館業法の具体的な細則を定める「旅館業法施行令」には施設に求められる基準が定められています。

いわゆる闇民泊は、集合住宅や民家の1室を貸すものであるため、旅行者が宿泊するために設計された施設ではありません。そのため、旅館業法および旅館業法施行令で求められる基準を満たしていないことも多く、旅行者にとって安全・快適な宿泊を提供できていないことも考えられます。

例えば、民泊で貸している部屋を有する施設は耐震基準を満たしているでしょうか? また、災害が起きた時の避難経路が確保されているでしょうか? これらを考慮するためのルールがない状況が問題となっています。

2. 宿泊業界からの反発

旅館業を始めるためには旅行業法および旅館業法施行令、その他関係法令を順守した設備の用意、申請などをしなければならず、大きな初期投資がかかります。また、先日のラブホテルの改装利用に関する記事でも取り上げたように、ラブホテル向けの条例の影響で、そもそも新規でホテルを建てられない場合もあります。

ラブホテルは訪日客の宿泊施設不足の救世主!?:大阪の宿泊施設の41%がラブホテル 政府も改装支援方針決定

先日7月29日に観光庁より宿泊旅行統計調査の5月の第2次速報および6月の第1次速報が発表されました。観光庁によれば、6月の全体の延べ宿泊者数は3,771万人泊で、前年同月比+0.7%、外国人延べ宿泊者数は、前年比+13.1%とのこと。そこで問題に上がってきているのが宿泊施設不足です。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時には、およそ1万室以上の客室不足が懸念されています。その解決策として注目されているのが「ラブホテル(レジャーホテル)」。先月6月11日に、政府がラブホテルの改...

そのような中、関連法令の制限を無視した闇民泊が横行すれば、宿泊業界のダメージは回避できません。そのため、現状で民泊のルールを定めていると言える「国家戦略特区法」においても、合法的に民泊を始めるには大きな障壁を定めています。

① まず国家戦略特区であること。これが大前提です。
② 更にその国家戦略特区が民泊(外国人滞在施設経営事業)について区域計画を策定すること
③ その計画を内閣総理大臣が認定すること
④ 民泊施設(営業者)が厚生労働省令、その他区域内の民泊条例等の要件をクリアしていること
ー民泊許可・旅館業(簡易宿所)サポート「民泊と国家戦略特区」
という前提があった上で、さらに最低宿泊日数を6泊7日としており、現状では簡単には民泊を始められないようになっています。

3. 近隣住民への迷惑や賃貸契約の問題

この問題についてはメディアでも取り上げられているので知っている人も多いのではないでしょうか。集合住宅の1室を民泊として貸し出したところ、騒音やゴミの問題、見慣れない外国人が出入りすることへの不安などから、集合住宅の住民から苦情がある、といった問題です。

また、賃貸契約の問題もあがっています。日本の賃貸の商習慣的に、賃貸借契約において「転貸」を認めていない場合が多く、管理会社に無断で「転貸」にあたる民泊行為を行っているケースもあります。

 

まとめ:今後の民泊関連法令の動向に注目

以上にあげた問題点をはらみ、またビジネスとしてのボリュームが急激に拡大したために顕在化した「闇民泊」問題。関係業界とのバランスや、安全面での問題からある程度のルールは必要となります。しかしながら、国家戦略特区法に定めるルールにのっとって「ホワイト民泊」を行うには非常に障壁が高く、新規での参入は難しいのが現状です。

いわゆる民泊新法が年内にも施行される見通しです。新しい民泊のルールが作られることによって、民泊ビジネスがどのように変容していくのか、今後の動向を注意深く見ていく必要があります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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