NTTらがAI搭載ロボットで観光案内!? 実用性を検証する実証実験がスタート

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NTT西日本、NTT、関西経済連合会(関経連)は平成28年(2016年)11月30日、AIを搭載したロボットが訪日外国人観光客の観光案内を行う実証実験をスタートしました。

ロボット、AIというフレーズだけでも”次世代技術”といった感がありますが、さらには音声認識、音声合成技術を使った対話機能も備えています。実用化されるかどうかは現段階では分かりませんが、数十年後のインバウンド観光の世界は、このような最先端のIT技術を活用するのが当たり前になっているかもしれません。

今回は、NTTらによるこの実証実験の内容をご紹介しましょう。ロボットやAIは、インバウンド業界をどのように変えていくのでしょうか。

 

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AI搭載ロボットで観光案内! その機能とは?

高いコミュニケーションを持つ人型ロボット「Sota(ソータ)」

https://www.youtube.com/watch?v=XoqD3N_LmuM

実証実験で使用されているロボットは、ヴイストン社の「Sota(ソータ)」。ソフトバンクの「pepper(ペッパー)」のように人型のフォルムをしていますが、高さ280×幅140×奥行き160mmとかなり小さめです。重量も763gしかなく、プロモーション動画内では卓上に置いて使用しています。

「Sota(ソータ)」という名称には「Social Talker」という意味が込められており、音声認識による対話、カメラ撮影といったコミュニケーション機能を利用できます。手は「ドラえもん」のように丸く、足はそもそもないため、何かを運ばせたり、移動させたりといった用途は難しいでしょう。むしろ、人間と話したり遊んだりすることに特化したロボットで、全体的に丸みのあるかわいらしいデザインが採用されています。

NTT東日本が、この「Sota(ソータ)」を使ったロボットサービス事業に取り組みはじめたのは、平成28年(2016年)9月1日。クラウドを使って各種機能をロボットに提供する「ロボコネクト」というプラットフォームサービスと組み合わせているのが特徴で、目的に合わせてカスタマイズできる強みがあります。第1弾の事業として行われたのは介護事業者向けのサービス。「赤上げて、白下げない」と身体を動かさせる旗あげゲーム、脳トレなどの機能が搭載され、「高齢者にレクリエーションを行うスタッフのサポート役になる」という点を売りにしていました。

NTTグループが開発した人工知能「corevo」

今回の実証実験で「Sota(ソータ)」に搭載されている人工知能は「corevo」といいます。これは単一のソフトウェアではなく、NTTグループのAI関連技術の総称。以下のような機能を持っています。

  • 音声認識技術:NTTが独自開発した「ひずみなし音声強調技術」「ディープラーニング(深層学習)」に基づいた新技術。2015年に開催された技術評価国際イベント「CHiME-3」で、参加25機関中トップの精度を達成
  • 自然言語処理、知識処理技術:複数の団体が関わっている「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトで、英語を担当。常識からの推論を必要コンピュータが最も苦手とする科目ですが、2014年のセンター模試で受験者の平均点を越える

 

実証実験で活用される「Sota(ソータ)」の機能

11月30日からスタートした実証実験では、この「corevo」関連技術を実装したクラウドから、「Sota(ソータ)」にさまざまなコミュニケーション機能が提供されています。

訪日外国人観光客向けの観光案内で欠かせないのは多言語対応ですが、今回は英語中国語の2カ国語に対応しています。音声認識、音声合成技術が使われているため、訪日外国人観光客と双方向で対話することが可能(タブレットを使う場合もあります)。出身国、滞在日数などの情報から、訪日外国人観光客に観光スポットを紹介します。この際には、「Sota(ソータ)」の発言内容に合わせて、デジタルサイネージに写真などのコンテンツを表示することができます。人間同様の利便性を発揮できるかどうかは分かりませんが、訪日外国人観光客も珍しい体験として楽しんでくれるのではないでしょうか。

また、このように観光案内する際には、合わせて無料Wi-Fiアプリ「KANSAI Free Wi-Fi」の紹介もすることになっています。同アプリの利用促進も狙いになっているようです。

 

まとめ:未来の観光案内所はこんな感じ?

NTT西日本、NTT、関西経済連合会(関経連)は平成28年(2016年)11月30日、AIを搭載したロボット「Sota(ソータ) 」に訪日外国人観光客の観光案内を行わせる実証実験をスタートしました。

人間同様……といくかどうかは分かりませんが、音声認識、多言語対応、コンテンツの表示といったコミュニケーション機能を持っており、利便性は高そうです。ロボットの実用化がそこまで進んでいない現代ならば、珍しい体験として楽しんでもらえるのではないでしょうか。

しかし、実証実験の目的はあくまでも実用性の確認。今後のプロジェクトを見据えた取り組みと見てよいでしょう。技術が進歩した数十年後の未来には、「Sota(ソータ) 」のロボットが観光案内所にいるのが当たり前になっているのかもしれません。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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