最近では訪日外国人観光客をより快適におもてなしするために、外国人雇用に乗り出す店舗や観光施設が増えています。外国人雇用する際にはそれぞれの国民性や価値観などに関して理解を深めることは重要です。そこで訪日ラボでは、「中国人」「台湾人」「香港人」「韓国人」「カナダ人」「オーストラリア人」「タイ人」「イギリス人」「アメリカ人」を雇用する際に注意すべきことなどに関して解説してきました。前回の記事([まとめ編①]インバウンド対策で外国人雇用する際に知っておくべきこと)の続編として、今回は、「カナダ人」「オーストラリア人」「タイ人」「イギリス人」「アメリカ人」を外国人雇用する際に頭に入れておくべき国民性や仕事観を重要な部分のみピックアップしてご紹介します。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
タイ人を外国人雇用する際に知っておくべきこと
タイ人の国民性
歴史的に、東南アジア諸国で唯一どこの植民地にもならなかったことから、タイは他の東南アジア諸国とは一線を画した、仏教から成る文化、習慣をもっています。
一般的に、タイ人には以下の傾向があると言われています。
- 学ぶこと・教育に熱心
- 人前で怒りを表さない
- 侮辱されることに敏感
- 仏教を中心とした宗教心が強い
- 階級意識が強い
- 温和で対立を避ける
タイ人の仕事や会社に関する価値観
タイ人はセンシティブでバランス感覚に優れており、外交でも特定の国と対立しないことで、悪く言えば八方美人な傾向があります。
ビジネス時にも、温和で対立を避ける傾向があり、ソフトな印象を持ちやすいですが、侮辱されることに敏感な面があるので、抗議したり、会社で部下を叱ったりする場合、人前でなく、一対一で話すことが大切です。
<関連記事>
インバウンド対策でタイ人を外国人雇用する際に知っておくべきこと:平均年収や仕事観、国民性について解説
2016年9月の訪日タイ人観光客は約4万5千人で、前年同月比30%増加。2016年1月は前年同月比36.5%増で、人口比(タイの人口はおよそ6701万人)で考えると、訪日観光はタイ人にとってまだ人気のあるアクティビティーとは言い難いですが、東南アジア圏訪日外国人観光客(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)のうち、最も訪日数が多く、新たなインバウンド顧客層開拓へ可能性のある市場であると言えます今回は、そのような訪日タイ人観光客向けインバウンド対策として、タイ人...
アメリカ人を外国人雇用する際に知っておくべきこと
アメリカ人の国民性
アメリカは、歴史的背景から良くも悪くも政治的、文化的に常に世界をリードしている国といえます。
また、「人種のサラダボール」をも言われるように、白人、黒人、アジア人、ヒスパニックなど多くの人種が共存している国でもあり、さまざまな価値観、宗教に寛大な傾向にあります。
アメリカ人には一般的に以下の傾向があると言われています。
- 個人主義の意識が強い
- 勤勉、節約、誠実さがモットー
- 宗教、人種、思想など人と違うのがあたりまえと考える
- 社交的
- 比較的マイペース
- 愛国心が強い
アメリカ人の仕事や会社に関する価値観
感情を表に出す傾向が強く、仕事上で人と出会ったときは、ハグをしたり、握手を交わしたりするのがあたりまえです。
また、ビジネス面においてアメリカ人は競争心や向上心が強く、結果のためならば自己犠牲をいとわない傾向にあります。ビジネスの考え方としては、常に効率性を追い求める傾向にあり、無駄を嫌います。必要とあらばドラスティックな手段も採用します。
<関連記事>
インバウンド対策でアメリカ人を外国人雇用する際に知っておくべきこと:平均年収や仕事観、国民性について解説
2016年9月の訪日アメリカ人観光客は約9.8万人で、前年同月比26.9%増加。2016年1月は前年同月比22.3%増となっており、その後はおおよそ20%増で推移しています。日本は年間を通じて、一定の訪日アメリカ人観光客の誘致に成功しているといえるでしょう。歴史的・政治的背景から日本とのつながりが深く、北アメリカ諸国(アメリカ、カナダ、メキシコ)のうち、訪日外国人観光客が抜きんでて多い国であるアメリカ。今回は、そのような訪日アメリカ人観光客向けインバウンド対策として、アメリカ人を外国人雇用...
カナダ人を外国人雇用する際に知っておくべきこと
カナダ人の国民性
カナダはほとんどが移民で成り立っているという珍しい国です。ヨーロッパ、南アメリカ、アジアなど、地域を問わず世界中から多くの人々がカナダに移住してきます。
そのため、「多様性」が尊重される社会が実現しており、争い事も少なく治安も良好。壮大な自然と、おだやかな国民性を背景に繁栄を築いています。
これらの背景から、カナダ人には以下の傾向があると言われています。
- 平和主義で、のんびりしている
- 人と「違う」ことを当たり前と考え、個性を尊重する
- 謙虚で礼儀正しく、日本人に比較的近い
- アメリカに対抗意識を燃やす
- 家庭を大事にする
- 時間にルーズ
カナダ人の仕事や会社に関する価値観
先述の通り、カナダ人は家族を大事にする傾向にあります。そのため、日本やアメリカなど他の先進国と比較した場合、仕事に対しての熱量に差があるかもしれません。
また、カナダ人は自分の意見をはっきり述べますが、空気を読むことにも長けており、こういった点においては、ビジネス時などは日本人と打ち解けやすい傾向にあります。
<関連記事>
インバウンド対策でカナダ人を外国人雇用する際に知っておくべきこと:平均年収や仕事観、国民性について解説
2016年9月の訪日カナダ人観光客は約2万人で、前年同月比24.8%増加。2016年1月は前年同月比24.1%増で、人口比(カナダの人口はおよそ3560万人)で考えれば、訪日観光は人気のあるアクティビティーとは言えないですが、年々の増加率を見る限り、これかも伸びが期待できるでしょう。今回は、そのような訪日カナダ人観光客向けインバウンド対策として、カナダ人を外国人雇用する場合に知っておくべき国民性や賃金の目安について解説していきます。 目次カナダ人を外国人雇用する際に知っておくべき国民性カナ...
イギリス人を外国人雇用する際に知っておくべきこと
イギリス人の国民性
イギリス人には以下の傾向があると言われています。
- 個人の行動や考えに立ち入らない
- 他人との距離を保ちたがる
- 皮肉を好む
- 地域愛が強い
- 感情を表に出したがらない
- 礼儀正しく親切
イギリス人の仕事や会社に関する価値観
イギリス人は、先述の通りプライバシーを大切にし、相手に迷惑をかけないようにするという事がマナーになっているために、ビジネス上などではじめて人に会う場合、少し距離をおいてコミュニケーションをとる傾向にあります。
またイギリスも、日本と同じように島国であることから「島国気質」を持ち合わせており、イギリス人は、内向的で感情を表に出したがらない傾向にあります。
<関連記事>
インバウンド対策でイギリス人を外国人雇用する際に知っておくべきこと:平均年収や仕事観、国民性について解説
2016年9月の訪日イギリス人観光客は約2.5万人で、前年同月比8.8%増加。2016年1月は前年同月比17.2%増で、人口比(イギリスの人口はおよそ6,500万人)で考えれば、訪日旅行は人気のアクティビティーとは言えませんが、訪日イギリス人観光客数は、安定して伸び続けています。今回は、そのような訪日イギリス人観光客向けインバウンド対策として、イギリス人を外国人雇用する場合に知っておくべき国民性や賃金の目安について解説していきます。 目次イギリス人を外国人雇用する際に知っておくべき国民性イ...
オーストラリア人を外国人雇用する際に知っておくべきこと
オーストラリア人の国民性
オーストラリアはアメリカ、カナダのように、イギリスから文化的・歴史的影響を受けています。
また、広大な大地と温暖な気候から、おおらかで楽天的な国民性を兼ね備えています。自らを「オージー」と呼び、愛国心も強い傾向にあります。
その他では、オーストラリア人には以下の傾向があると言われています。
- 陽気でのんびりしている
- 山や海など自然が好き
- 勝負事が好き
- 仕事よりプライベートや家族との時間を優先する
- 我が強い
- 時間にルーズ
オーストラリア人の仕事や会社に関する価値観
オーストラリア人の仕事や会社に関する価値観に関して、以下のようなことが言えます。
- 自分のプライベートの時間を比較的優先する
- 直接的でわかりやすい表現を好む
- 他人からの評判を気にせず、自分の意見を通そうとする
基本的にオーストラリア人は、他英語圏の国々のように、ローコンテクスト文化を持ち合わせているため、ビジネス上のミーティングなどでも常に直接的で解りやすい表現を好み、寡黙であることを評価しません。
また、スポーツを愛していることから、オーストラリア人と親交を深める際には、外部でのアクティビティーを活用すると良いでしょう。
<関連記事>
インバウンド対策でオーストラリア人を外国人雇用する際に知っておくべきこと:平均年収や仕事観、国民性について解説
2016年9月の訪日オーストラリア人観光客は約4万人で、前年同月比18.4%増加。2016年1月は前年同月比15.4%増で、人口比(オーストラリアの人口はおよそ2300万人)で考えれば、訪日旅行は人気のアクティビティーとは言えませんが、近年ではスポーツツーリズムの普及により、安定して訪日豪州人観光客数は伸び続けています。今回は、そのような訪日オーストラリア人観光客向けインバウンド対策として、オーストラリア人を外国人雇用する場合に知っておくべき国民性や賃金の目安について解説していきます。 目...
まとめ:外国人雇用の際には各国のもつ国民性・仕事観の把握を
訪日外国人観光客を誘致する際の対策として、外国人を雇用する企業が増えています。
外国人を雇用する際に、あらかじめ各国の持つ国民性・仕事観などを頭に入れておくことで、雇用後に待遇や人間関係を原因に揉めるなどの問題を回避することができ、円滑な外国人雇用が可能になるでしょう。
<関連記事>
インバウンド対策として外国人雇用をする5つのメリット 言語対応はもちろんのこと訪日客のニーズ理解に効果的
今月のJNTO(日本政府観光局)の発表によれば、今年9月までの訪日外国人観光客数は1797.8万人。このペースで行けば、来月には昨年2015年の年間地1973.7万人を突破し、今年の年間地は2500万人前後まで到達しそうな見込みです。<関連記事>着々と増えつつある訪日外国人観光客に対して、あらゆる受け入れ体制整備・インバウンド対応が急ピッチで進められているものの、現状では手が回りきっていない印象です。特に、インバウンド対応に未着手、ないしまだ受け入れ体制の整備が進んでいない一般小売店や宿泊...
インバウンド対策での外国人雇用で注意したい5つのデメリット 実はメリットの裏返しが多い?課題は受け入れ体制整備にあり!
昨日10月25日、介護現場で働く外国人を大幅に増やす2法案が衆院で可決され、今国会で成立する見通しとなりました。政府は介護現場での外国人労働者の受け入れを段階的に拡大していく意向で、外国人技能実習制度を介護分野に拡大し、一定の条件を満たせば在留資格を認める方向で検討が進んでいます。このように、人材不足を補い、労働力の確保のためにも外国人雇用は国が牽引しているところですが、インバウンド業界において外国人スタッフを雇用するデメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。 目次インバウンド対策と...
インバウンド対策で外国人雇用するときの5つの注意点・留意点 外国人雇用関連法令・制度のほか国民性などに注意
先日10月12日、北海道は札幌で訪日外国人観光客に関する変わったニュースがありました。北海道新聞によれば、札幌のホステルが、訪日外国人観光客を無料で泊まらせることを条件に、宿泊施設内で清掃などをしてもらったとのこと。しかしながら、この訪日外国人観光客は「短期滞在」の在留資格で、就労資格は無い外国人であり、また宿泊料無料の条件である宿泊施設の清掃は就労にあたるとして、このホステルの社長など3名が社長ら3名も不法就労助長罪の疑いで現行犯逮捕されることになりました。ニュースとしては事実のみの記述...
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年10月後編】百貨店インバウンド売上、30か月連続プラス ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→百貨店インバウンド売上、30か月連続プラス ほか:インバウンド情報まとめ【2024年10月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!