訪日香港人は和歌山県白浜町で320億円消費してる!?inbound insightでわかる本当のインバウンド消費

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

観光庁より発表される訪日外国人消費動向調査。これにより、訪日外国人観光客の消費額や訪問率などから、どの地域にどれくらいのインバウンド消費が落ちているのかをある程度推定することができます。

訪日ラボでも、これらの調査をもとにして各都道府県別でインバウンド消費を算出してみました。

各都道府県別インバウンド消費額を推計してみました:現状ゴールデンルート外、首都圏以外は苦戦の模様

先日国籍別訪問率のヒートマップをご紹介しましたが、それぞれの都道府県で見たときのインバウンド消費額は、現状どうなっているのでしょうか?今回は、観光庁「訪日外国人消費動向調査平成27年の年間値の推計(暦年)」観光庁「宿泊旅行統計調査平成27年1月~12月分(年の確定値)」ジャパンガイド「外国人が興味を持っている都道府県ランキング」の数値を利用して、各都道府県のインバウンド消費額を推計してみました。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウン...

しかしながら、これらの調査では県単位レベルでしか把握できず、市町村レベルや観光スポットレベルで、どれくらいのインバウンド消費があるのかを算出するのは難しいものです。

そこで役に立つのが、株式会社ナイトレイが提供するinbound insight(インバウンドインサイト)です。前回、inbound insight(インバウンドインサイト)の基本的概要を説明しましたが、今回は、株式会社ナイトレイにご協力いただき、実際に機能の一つである「訪日消費データ」からわかる地方のインバウンドデータについて見ていきます。

「inboundinsight」についてより詳しい資料のダウンロードはこちら

インバウンドデータ取得サービス「inboundinsight」の資料をDLして詳しく見てみる


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

訪日消費データとは:市区町村別に国籍ごとのインバウンド消費が把握可能

inbound insight(インバウンドインサイト)の提供する機能「訪日消費データ」では、市区町村別に国籍ごとの消費した金額を表示することができます。

訪日消費データ機能ホーム画面:訪日外国人消費動向調査の概要をわかりやすく表示するだけでなく、各国籍を選択すると、詳細な分析が出来る

訪日消費データ機能ホーム画面:訪日外国人消費動向調査の概要をわかりやすく表示するだけでなく、各国籍を選択すると、詳細な分析が出来る

区分できるのは以下の通り。

  • 一般層・富裕層ごとの宿泊金額データランキング(市区町村別)
  • カテゴリー別推定消費金額(市区町村別)
  • 過去3年間の月別消費金額の推移(市区町村別)
  • 外国人観光客1人あたりの消費金額(市区町村別)

と、かなり詳細に分析することが出来ます。

それでは、訪日香港人観光客のインバウンド消費について、inbound insight(インバウンドインサイト)の「訪日消費データ」をつかって分析してみましょう。

訪日香港人観光客には和歌山県白浜町が人気

inbound insight(インバウンドインサイト)では、訪日外国人観光客の国籍ごとに市区町村別に推定インバウンド消費額を参照することが出来ます。さらに、消費額は一般層と富裕層でわけて見ることができるため、「富裕層には特にこの地域が人気」といった分析が可能です。

訪日香港人観光客の推定インバウンド消費額ランキング

訪日香港人観光客の推定インバウンド消費額ランキング

画面左側の地図では、推定インバウンド消費額が大きいものほど濃いピンクになっており、訪日香港人観光客にどの地域が人気化が一目瞭然となっています。また画面右側では、全国の各市区町村が推定インバウンド消費額順にランキング形式で並びます。

2016年の推定インバウンド消費ランキングを見てみましょう。すると、一般層では

  1. 和歌山県白浜町
  2. 岐阜県高山市
  3. 神奈川県箱根町

そして、富裕層では

  1. 和歌山県白浜町
  2. 神奈川県箱根町
  3. 東京都渋谷区

といった面々となっています。一般層・富裕層共通して1位に君臨しているのは以外にも和歌山県白浜町となっています。ところが、過去3年(2013年〜2015年)のデータを参照しても、和歌山県白浜町は一般層・富裕層どちらにおいてもトップ3に君臨しています。これは何故なのでしょうか。

和歌山県は10年以上前からユーザーインの視点で精力的な訪日プロモーションをしていた

現在の訪日香港人観光客からの和歌山県人気の秘密は、およそ10年以上前に遡ります。和歌山県は、国内旅行者の減少から、観光地として厳しい状況に立たされます。そこで目をつけたのが、そのころ全く注目されていなかった訪日外国人観光客です。

香港で「癒やしキャラ」が流行していたことから、猛プッシュをかけた「たま駅長」は香港人に人気のキャラとなった

香港で「癒やしキャラ」が流行していたことから、猛プッシュをかけた「たま駅長」は香港人に人気のキャラとなった By Sanpei at the Japanese language Wikipedia, CC BY-SA 3.0, Link

そして、彼ら訪日外国人観光客に対して、和歌山県の魅力を伝えるためにトライアンドエラーを重ねた末に、「マーケットイン」「ユーザーイン」の考えにたどり着きます。

「マーケットイン」「ユーザーイン」とは、『ユーザー(この場合では訪日外国人観光客)が、何を求めているのか?』を中心に考えるマーケティング手法です。

従来の観光地では「うちには温泉がある!」「風光明媚の地だ!」「地酒が名産です!」といったように「その土地にあるもの」をベースにPRしがち(これを「プロダクトアウト」といいます)でしたが、和歌山県は考え方を方向転換し、主に香港台湾で「何が求められているのか?」を徹底的に分析し、継続的なプロモーションを行いました。

<関連>

訪日香港人観光客のインバウンド対策事例:ユーザーのニーズ、特徴を捉える「ユーザーイン」の発想

リピーター率が81.9%と高い数値を記録している訪日香港人観光客のインバウンド誘致を考える際、従来の「プロダクトアウト」の考え方から離れた対策をとる必要がある場合があります。今回は、その事例をいくつか挙げながら「ユーザーイン」の視点をご紹介していきます 目次訪日香港人観光客が和歌山県を選ぶワケとは?和歌山県の「ユーザーイン」の視点に学ぶインバウンド対策事例レンタカー観光を好む訪日香港人観光客レンタカービジネス『Rail&Drive』に学ぶ対策事例訪日香港人観光客のニーズを把握し「ユ...

訪日香港人観光客による和歌山県白浜町でのインバウンド消費は320億円!!

和歌山県白浜町は、継続的なプロモーションの甲斐あって、訪日香港人観光客から絶大な人気を誇りますが、その消費額はいかほどでしょうか。

和歌山県白浜町の訪日香港人観光客によるインバウンド消費詳細

和歌山県白浜町の訪日香港人観光客によるインバウンド消費詳細

inbound insight(インバウンドインサイト)で、ランキング表示部から和歌山県白浜町をクリックすると、その推定インバウンド消費の詳細を見ることができます。その消費額、富裕層・一般層あわせると320億円!訪日香港人観光客全体のインバウンド消費額は2,947億円ですので、1つの町だけで10%以上のシェアを誇ることになります。

爆買いの舞台となる東京都新宿区で推定インバウンド消費額111億円ですので、その約3倍弱の消費が落ちていることを考えれば、如何に和歌山県白浜町が根強い人気を得ているのかがわかります。

また、この機能では富裕層・一般層別での全体インバウンド消費額のほか、1人あたりの平均消費額、

富裕層・一般層別での全体インバウンド消費額、1人あたりの平均消費額

富裕層・一般層別での全体インバウンド消費額、1人あたりの平均消費額

宿泊費・飲食費・買物代といった費目別での全体インバウンド消費および1人あたりの平均消費額(富裕層・一般層別)や旅行消費額ベースでの富裕層・一般層の客層比率、

費目別インバウンド消費額詳細、旅行消費額ベースでの富裕層・一般層の客層比率

費目別インバウンド消費額詳細、旅行消費額ベースでの富裕層・一般層の客層比率

さらには、月別でのインバウンド消費額の推移を参照することができます。

月別インバウンド消費額推移

月別インバウンド消費額推移

月別でのインバウンド消費額の推移を見てみると、前述の和歌山県の「マーケットイン」「ユーザーイン」での精力的なプロモーションの成果が、2015年ごろからあらわれ始め、2016年に一気に爆発したことなどが、データから見ることができます。

数値から「なぜ?」を発見し、自社のインバウンドビジネスに活かす

今回は、データをスタートとして「なぜ?」を深掘りしていく形でinbound insight(インバウンドインサイト)を使ってみました。数値として何かしらの特徴があるということは、その数値には何かしらの背景があるということです。その「なぜ?」を深掘りしていくことで、成功例からパターンを導き出し、自社のインバウンドビジネスに活かしていくことができるのではないでしょうか。

今回ご紹介した訪日消費データを参照できる「訪日消費データプラン」は、今月(2017年2月)から最新データが更新され、2016年1月〜12月分の推測結果が公開されたばかりです。2000万人の大台を超え、大きな盛り上がりを見せた2016年のインバウンド市場を早速分析してみてはいかがでしょうか。

「inboundinsight」についてより詳しい資料のダウンロードはこちら

インバウンドデータ取得サービス「inboundinsight」の資料をDLして詳しく見てみる

インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?

「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする

「インバウンドデータ」の資料を無料でダウンロードする

<詳細>

inbound insight インバウンド対策総合支援サービス

インバウンド対策を成功に導く総合支援サービス。増え続ける訪日外国人の実態をビッグデータで解析。 訪日外国人の現状把握から効果的なソリューション選定まで一気通貫でサポート。インバウンド対策ならinbound insight(インバウンドインサイト)

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに