2020年、大阪府の宿泊施設で深刻な客室不足?みずほ総合研究所、供給不足の可能性が高いと試算

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平成29年(2017年)1月20日、みずほ総合研究所が2017~2020年ごろまでのインバウンド市場に関する予測を発表。試算から、大阪で大きな客室不足が発生する可能性があることを明らかにしています。

客室不足は需要を取りこぼすことになる宿泊施設はもちろん、訪日外国人観光客の観光ルートにまで影響する可能性もあり、その他の観光関連事業者にとっても、重要な問題。また、民泊の規制緩和が進められている現在としては、ビジネスに乗り出すか否かと考えている方もいるのではないでしょうか。今回は、みずほ総合研究所が発表した訪日外国人観光客の動向予測についてご紹介します。

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2017年の訪日外国人観光客数は2,800万人、総消費額は4.4兆円前後になる見込み

まずは、前提となる訪日外国人観光客数、支出額に関する予測から取り上げましょう。

訪日外国人観光客数は4年連続で過去最高を記録し続ける増加ぶりで、2016年には2,403万人を達成しました。これは2015年のギリシャ(2,359万人)を上回る数値。みずほ総合研究所はクルーズ船、LCCの寄港・就航便数は2017年も増加傾向にあり、今年は15%増の訪日外国人観光客数約2,800万人に達するという予測を立てており、もし今のペースでインバウンド観光が活性化していけば、2020年には政府が目標としている4000万人に到達し、観光業に強みを持つ世界有数の国になる可能性もあるといいます。

一方、インバウンド消費額は2015年に前年比71.5%と大きく伸びましたが、翌2016年は7.8%と伸び悩みました。政府が掲げている2020年8兆円という目標が困難に見える状況になっています。原因となっているのは一人あたりの支出額の低下。やはり訪日中国人観光客の爆買いが、同国政府による関税引き上げなどで収束してしまったのが大きいようです。

2017年には、1人あたりの支出額が下げ止まり、訪日外国人観光客数の増加に応じて、総消費額があがる見込み。前年比18.2%の4.4兆円前後になると見ています。観光庁が注力している地方への訪日外国人観光客の誘致が実れば、滞在日数が増加して1人あたりの支出額が再び大きく伸びる可能性もあるものの、それは将来的な話。当面はじわじわと伸びていくようなイメージになりそうです。

東京の宿泊施設不足は2020年までに解消? 一方、大阪は深刻な客室不足に

さて、それではこのような状況に合わせて宿泊施設側はどのように対応しているのでしょうか。

みずほ総合研究所は2015年に、訪日外国人観光客数が2020年に2,500万人に達すると4万室の不足が発生すると試算(新たな施設のオープンは含まず)。ただし、宿泊施設が足りないのは東京、近畿地方のみであり、その他の地域では供給にゆとりのある状況が続くという見立てです。平成28年(2016年)にも訪日外国人観光客数4000万人という政府目標を前提に再計算されましたが、やはり2020年に4.4万室不足するという結果になりました。

今回新たに発表された試算では日本人利用者数が「標準」「上振れ」「下振れ」、訪日外国人観光客の利用者数が「標準」「上振れ」「分散(宿泊エリアの分散)」とケースを分け、合計9種類のシナリオを分析。新規オープンする宿泊施設による供給量の増加を加味した結果、日本人、訪日外国人観光客ともに「標準」の「シナリオ1」では、東京のホテル不足がほぼ解消する結果となりました。

しかし、900客席しか余裕がなく、日本人、訪日外国人観光客のいずれかが「上振れ」すると客室不足に陥ると見られています。その規模は最大で15,000客席分と大きく、ゆとりがあるわけではありません。一方、大阪は9種類すべてのシナリオで5,000~16,500の客席不足。先に取り上げた2016年の試算のときよりも供給量が2,000増加しているものの、まだまだ足りていないようです。

なお、今回の試算では民泊導入に影響は考慮されていないようです。その影響力は法設計に大きく左右されると思われ、現段階では推測するのが難しいところです。今年提出される予定の新法案次第で、今後の試算結果が大きく変わってしまうかもしれません。

まとめ:民泊の登場がどう影響するのか

みずほ総合研究所が、2017~2020年ごろまでのインバウンド市場に関する予測を発表しました。同研究所はかねてから宿泊施設不足が予想されるという試算を出していますが、今回は懸念されていた東京での宿泊施設不足が解消されるという結果に。

その一方で、大阪はすべてのシナリオで5,000~16,500の客席不足という試算になっています。なお、今年中に新法案が提出され、解禁に向かう見込みの民泊がどれくらい広まりを見せるのかで、この結果は大きく変わる可能性があります。果たして民泊は高まり続けるインバウンド需要の受け皿になれるのか、今後の動向に注目しておきましょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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