シブめのクールジャパン?国際的に知られる「俳句」文化が無形文化遺産に推す動き 早ければ2019年に登録

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国連教育科学文化機関(ユネスコ)で審議、登録などが行われている世界遺産。文化保存だけでなく、その国内外へのプロモーション効果も期待でき、日本では積極的な活動が進められています。平成28年(2016年)には「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」が文化遺産「山・鉾・屋台行事」が無形文化遺産に登録されました。また、平成30年(2018年)には「来訪神:仮面・仮装の神々」が、無形文化遺産に登録される見込みです。

秋田県のナマハゲが世界に誇る日本の文化に!? 沖縄県のパーントゥなどとユネスコ無形文化遺産の候補に

国連教育科学文化機関(ユネスコ)で審議、登録などが行われている世界遺産。歴史的に重要な施設や文化、自然などを保護する効果がありますが、訪日外国人観光客を対象とするインバウンドビジネスにも重要な存在です。世界各国での報道などを通じて、観光資源としてプロモーションできるためです。平成27年(2015年)7月に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として九州地方の萩反射炉、大板山たたら製鉄遺跡、三重津海軍所跡、端島(通称:軍艦島)が、平成28年(2016年)7月に「ル・コルビュジ...


日本の新たな無形文化遺産「山・鉾(ほこ)・屋台行事」誕生へ:タイで有名な唐沢くんちも含めた各地のお祭り、行事33種類が対象

文化庁は10月31日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)に無形文化遺産として申請していた「山・鉾(ほこ)・屋台行事」が、登録勧告されたことを発表しました。11月28日から12月2日にエチオピアで開催される第11回無形文化遺産保護条約政府間委員会において最終決定が行われますが、無形文化遺産入りはほぼ確実と見られています。さて、「山・鉾・屋台」にはどのような文化価値があり、日本のどこにあるのでしょうか。日本各地の文化をまとめて申請しているため、少々知識の必要な内容になっています。分かりやすく解説...

さて、それでは次はどんな世界遺産が登場するのでしょうか。まだ推進協議会を立ち上げたばかりではありますが、今度は俳句を無形文化遺産にしようという動きが現れています。

日本には古来から「和歌」という定型詩が存在し、俳句は近世にそこから分派して誕生。「和歌」の優雅な世界観を取り除き、庶民にも分かりやすい身近な世界に落とし込んだものとされており、松尾芭蕉、正岡子規といった人物の貢献により、芸術の域にまで高められました。

しかし、無形文化遺産として認められるには日本国内のみならず、海外にもその価値を理解してもらう必要があります。世界的には、俳句がどのように認識されているのかという点が気になるところ。今回は無形文化遺産入りを目指す運動が起こっている俳句についてご紹介します。

 


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松尾芭蕉ゆかりの地で「俳句のユネスコ登録をめざす発起人会」

平成28年(2016年)7月22日、三重県伊賀市で「俳句のユネスコ登録をめざす発起人会」の初会合が開催されました。国際俳句交流協会、俳人協会、日本伝統俳句協会、現代俳句協会という4つの関連団体が協力しており、最短で平成30年(2018年)に無形文化遺産に申請、翌年には登録する方針です。なお、伊賀市で開催されたのは、松尾芭蕉が30歳ごろまで伊賀国(当時の三重県伊賀地域)に住んでおり、ゆかりの深い地域だからでしょう。

そもそも俳句とは?

俳句が誕生したきっかけになったのは、鎌倉時代に興り、南北朝~室町時代に流行した「連歌」。和歌の「5・7・5・7・7」を上の句(5・7・5)と下の句(7・7)に分け、それぞれを別人で詠む遊びです。ここから庶民に親しみやすく、ユーモラスな方向で発展していったのが、「俳諧連歌」。さらに作品単独で鑑賞できるように発展していったものが「俳句」にあたります。

連歌は複数人の共同作業で付け足していき、長い詩を作ることもあったのですが、その一行目(5・7・5)は特に「発句」と呼ばれ、これだけで作品として扱われることもありました。和歌や連歌の「5・7・5・7・7」に対し、俳句の「5・7・5」と短い形式には、このような起源があったと言われています。

正確には「俳句」を成立させたのは明治期の正岡子規ですが、17世紀に活躍した松尾芭蕉の詠んだ俳諧の作品も同じ名称で呼ばれるようになっています。歴史をたどると少しややこしいですが、このあたりは一般的な感覚に一致しているところのようです。

国際的な受容

国際俳句交流協会会長・有馬朗人氏が記した「ユネスコ無形文化遺産登録に向けて」という文書によれば、俳句が海外に紹介されたのは現在から約100年前のこと。明治時代の俳壇に対抗して、正岡子規が起こした俳句革新運動がはじまったのは1897年と言われています。「5・7・5」という詩の形式自体はさらにさかのぼることができますが、かなり早いタイミングから国際的に知られるようになっていたといえるのではないでしょうか。

世界で最初に俳句を詠んだ外国人と言われているのは、長崎出島にあったオランダの商館長・ヘンドリック・ドゥーフ(1777年~1835年)。「春風やアマコマ走る帆かけ船」とローマ字で書いたとされています。第二次大戦後には禅の思想とともにアメリカで紹介され、1962年には同国初の俳句雑誌「アメリカン・ハイク(American Haiku)」が誕生しています。

英米を中心に英語で詠む俳句が広まっており、その他の国々でも使い慣れた言葉で作っている人がいるのだそう。日本の俳句では季語を入れるのがルールでそれをまとめた歳時記というものが存在しますが、国や地域が変われば季節感、季節の有無も変わってしまいます。そのため、国際的に見ると季語を入れなかったり、「5・7・5」を無視した自由な形式を採用していたりと、自国文化に合った楽しみ方をしているといいます。

また、俳句に影響を受けた、誰々の作品が好きと明言する詩人も世界中におり、日本の俳句は国際的に高く評価されているようです。

 

まとめ:世界に誇る俳句文化!

俳句を世界無形文化財にしようという動きが起こっています。早ければ、2019年に登録が行なわれる見通しです。芸術作品として、庶民の娯楽として楽しまれてきた俳句は国際的にも高く評価されており、海外では自国の言葉で詠んでいる人も。影響を受けたという詩人も世界的に存在します。

俳句が無形文化財入りすればさらに国際的な認知度があがると思われ、そのゆかりの地は訪日外国人観光客向けの観光資源として利用できる可能性が浮上してきます。インバウンド市場にも良い影響を及ぼしてくれるかもしれません。

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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