平成28年(2016年)に、年間2,000万人の大台に乗った訪日外国人観光客。今年平成29年(2017年)も順調にその数を伸ばしており、1月、2月と連続して2016年を上回る人数を記録しています。インバウンド市場は右肩上がりの成長を続け、盛り上がりはさらに高まっているようです。
このような動きを背景に、インバウンドビジネスに乗り出す事業者が現れているのは観光関連業界ばかりではありません。各種保険会社も、訪日外国人観光客向けに旅行保険の商品開発を行い、運営を行っています。
さて、この旅行保険にはいったいどのようなものがあるのでしょうか。今回は、日本人には知る機会が少ないであろう、訪日外国人観光客向けの旅行保険をまとめてご紹介します。
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訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)1.損害保険ジャパン日本興亜:2015年に業界初となるインバウンド向け旅行保険を発表
「業界初」を名乗る訪日外国人観光客向けの旅行保険 が、損害保険ジャパン日本興亜から発表されたのは、平成27年(2015年)9月24日のこと。同社によれば、当時、旅行保険に加入していない訪日外国人観光客の割合は全体の約3割。利用しない場合、健康保険の給付がなく、自己負担が高額になりやすいなどのデメリットがありますが、そもそも海外旅行保険が普及していない国や地域も多く、このような状態になっていたのだといいます。
同社の「訪日旅行保険」は、スマートフォンなどからインターネット経由で加入でき、 入国後に加入することもできる 仕組み。約800の医療機関がキャッシュレスで利用できます。
また、単なる保険サービスにとどまらず、専用のコールセンターなどを配備して、医療知識のあるスタッフが英語、中国語、韓国語の問い合わせに対応。言葉の分からない日本で、不便なく医療が受けられるよう配慮しているようです。
2.三井住友海上火災保険:中国人に特化し、買い物クーポンも受け取れる旅行保険
三井住友海上火災保険は2016年9月9日から、 中国からの訪日外国人観光客に特化した「楽遊富士」 を販売開始しました。同社の現地法人と、中国保険大手「中国太平洋保険(集団)有限公司」と共同開発したもの。
大型旅行代理店やインターネットに加え、中国で広く使われているメッセンジャーアプリ「Wechat」に対応している点は、まさに中国特化型の旅行保険といった印象です。旅行中のケガ・病気から、荷物の紛失、第三者に対する賠償責任まで広く対応しており、提携病院でのキャッシュレスサービスを受けることが可能。電話相談には24時間対応しています。
また、特徴的なのは、 訪日旅行中に飲食店、ドラッグストア、百貨店などで使える買い物クーポンサービスがセットになっている こと。7日間の旅行で85人民元(約1,460円/サービス開始当時)で利用できることを考えると、かなりお得感のある内容かもしれません。さらに、各都道府県が提供している中国語の観光、交通、イベントなどの情報をスマートフォン上に表示された日本地図から閲覧することも可能。単なる旅行保険というよりは、旅行中の悩み事をトータルに解決してくれるサービスになっているようです。
3.ジェイアイ傷害火災保険:インバウンド事業者向け、日本初となる日本語ガイドの雇用費補償
JTBグループの保険会社・ジェイアイ傷害火災保険も、インバウンド向け海外旅行保険「おもてなし安心プラン」を2016年11月1日から販売開始しました。先に取り上げた2種類は訪日外国人観光客自身が契約するものでしたが、 こちらは外国人を招聘する日本国内の企業や団体などが利用するもの。 具体的にはMICE参加者や短期留学生を対象としており、国際会議、研修、学会などでの利用を想定しています。
多言語対応(英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語)をした医療アシスタンス・サービスが24時間利用でき、医療機関の案内やキャッシュレスでの医療サービスの提供などに対応しています。
「おもてなし安心プラン」には日本語ガイドの雇用費用を補償する「日本語ガイド等費用補償特約」が採用されており、受診時に付き添いしてもらうことが可能。これは、日本の保険業界初のサービスなのだそうです。
訪日外国人観光客の不安を取り除くさまざまなアプローチ
訪日外国人観光客数が年々増加し、インバウンド市場が盛り上がりを見せるなか、保険業界も新商品開発を行っています。今回は2015年に「業界初」として発表された損害保険ジャパン日本興亜の「訪日旅行保険」、訪日中国人観光客に特化した三井住友海上火災保険「楽遊富士」、インバウンド事業者側、つまり日本人側が”おもてなし”として利用することを想定した「おもてなし安心プラン」の3種類をご紹介しました。
いずれのサービスも多言語対応で電話相談が利用できるようになっており、言葉の分からない異国の地で使いやすいよう配慮されているようです。また、買い物クーポン、日本語ガイドの雇用費補償など独自性のあるサービスを提供し、差別化を図っているようです。
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<参考>
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