中国では「職人の手作り」はマイナスイメージ!? インバウンド動画では「視聴者が何も知らないこと知る」ことから始めよう

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今回は弊社(*)の過去事例より、国や文化の違いによって生まれる、イメージ差・インバウンド動画プロモーションの注意点を紹介したいと思います。

*本記事はAd Arch株式会社の訪日ラボ寄稿記事です

国内外で注目を集めるインバウンドムービー:Ad Archインバウンド向け動画企画・制作サービスを開始

訪日外国人観光客数が初めて2,000万人を突破し、2016年はインバウンド業界にとって記念すべき年になりました。矢野経済研究所の調査では、来年2017年の訪日外国人観光客数を2,822万人、再来年を3,086万人と予測しており、これからも安定して訪日外国人観光客数は増加していくのではないかということが期待されています。このような背景から、日本国内の企業・自治体は、訪日外国人観光客の誘致を進めており、そのような企業に向けたサービスも日本国内で続々とリリースされています。映像・動画広告の企画、...

 


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前提知識:日本の動画プロモーションは「文化的価値観」の共有が前提にあり、制作されている

日本の動画プロモーションの多くが、同じ 国・言語・文化 を共有している 日本人 に対して理解が深まるような制作が中心となっています。それは、同じ文化的価値観を前提とした上で、理解がより深まるような動画制作プロモーションであり、「 言わなくとも分かる・理解できる 」という、根底にある共通認識を前提に作られた物です。

インバンド動画プロモーションにおいては、それらの「日本独自の共通認識」を一度取り払い、様々な視点で映像表現を見直す必要があります。今回は、インバウンド向け動画を作成する際に、日本国内の共通認識によって発生しがちな「落とし穴」の事例をご紹介します。

 

事例:東南アジア・中華圏向けに、職人手作業によるプレミアム感のある日本製品の魅力を伝えるインバウンド動画を作成

日本のある製品において、熟練の技を持つプロフェッショナルによる「手作り」「職人技」の素晴らしさを伝えることになりました。私たち日本人の大半は、「ひとつひとつ手作り」「職人技」と聞くと、その技で生計を立てている職人・匠が作る「プレミアム感」を持つことが一般的です。一方で、 世界各国では「手作り」に関して全く異なる価値観を持っています

「職人技による手作り」は中国や東アジアではアピールポイントにならない!?

世界各国では、職人文化の有無によって「手作り製品」へのイメージが異なります。今回の事例東南アジア・中華圏向けに、職人手作業によるプレミアム感のある日本製品を伝えるインバウンド向け動画」で課題となった部分は 「手作り」 の部分です。企画段階で対象各国でのヒアリングを進める中で、以下の状況が分かってきました。

  • 日本・欧米諸国

    • 「国内生産の高級ブランド・ハンドメイドでブランド品・高級品が生まれる背景」がある地域では、「手作り」に対してプレミアム感が生まれる。
  • 近年先進国になった国・発展開発途上である国

    • 「手作り」に対して、工場に集められ一斉に手作業を行うイメージを持ってしまい、「品質にあたりハズレがあり、最先端さを感じない」「少し不安」というイメージが残っている。

このように、国や文化・歴史の背景から、日本人が思い描くイメージと正反対のイメージを持つ国が数多くあることが分かりました。

今回のケースである「東南アジア・中華圏向けに、職人手作業によるプレミアム感のある日本製品を伝えるインバウンド向け動画」においては、 インバウンドで主要市場と鳴る中華圏や東南アジアの国々を始めとして、開発途上である国のほとんどが後者の「手作業」のイメージを持ちかねない 状況となっています。その数、 世界195ヶ国中150ヶ国 となります。

JICA:日本の地域と途上国 より

開発途上国の分布図 JICAより

 

インバウンド向け動画プロモーションでは文化的背景が変わっても理解できることが重要

さて、今回の例である「東南アジア・中華圏向けに、職人手作業によるプレミアム感のある日本製品を伝えるインバウンド向け動画」。これについて、”より多くの国に伝わるインバウンド動画プロモーション”とするには、

  • 制作過程を可能な限り細かく見せる
  • 完成した製品の精巧さ・クオリティの高さをしっかりと表現する
  • 職人のこだわりを表現する

などが必要になってきます。つまり、イ ンバウンド市場で主要顧客である中国東南アジア圏の外国人がもつ「手作業=マイナスイメージ」を払拭する、丁寧な構成で圧倒的な職人技術力を発信する ことが重要なのです。

 

匠の技を丁寧に表現したインバウンド向け動画事例

動画イメージとして、日本の匠の技を丁寧に表現した映像例を紹介したいと思います。こちらのインバウンドプロモーション動画では、一人の職人によって「箱根寄木細工」が制作される過程を描いています。

前述のポイント

  • 制作過程を可能な限り細かく見せる
  • 完成した製品の精巧さ・クオリティの高さをしっかりと表現する
  • 職人のこだわりを表現する

について、素材へのこだわり、道具へのこだわり、そしてテクニックや丁寧さをしっかりと見せることで国境を超えた反響を獲得しています。

まとめ:インバウンド動画プロモーションでは、「視聴者が何も知らないこと知る」ことから始める

日本独自の情報を発信する際は、文化的背景など細かな部分からの説明が必要となる場合があります。「もしかしたら伝わらないかも」と疑問を持ちながら、まるで子どもたちに新しいことを教えるような丁寧な動画プロモーションを行ってはいかがでしょうか。

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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この記事の筆者

Ad Arch

Ad Arch

Ad Arch(アドアーチ)株式会社 代表取締役兼プロデューサー 白川 裕喜。国内外での映像制作経験より、人種・国籍・文化を超えた理解を得るグローバルスタンダードな映像制作を拡げる試みを行っている。外国人映像クリエイターとの共同制作やインバウンド制作実績から得た事例、動画プロモーションのコツを発信します。

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