近年、注目を集めているデジタル通貨「ビットコイン」。日本はもちろんのこと、海外でも利用者が増加していることを受け、ビックカメラは平成29年(2017年)4月5日、その決済サービスを試験導入することを発表しました。家電量販店としては初の試みとなります。
インバウンド対策として、中国国内でよく利用されている「WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)」「Alipay(アリペイ/支付宝)」「銀聯カード(ぎんれんカード)」といった決済サービスを導入する小売店はよくありますが、「ビットコイン」はかなり珍しく、そもそもどういうものなのか、インバウンド関係業界ではあまり知識がない方も多いのではないでしょうか。
まさに三国志状態 中国3大決済サービスWeChat Payment、Alipay、銀聯カードの日本でのシェア争い始まる
国内で巨大な市場になっている「インバウンド市場」企業・店舗が訪日外国人観光客を集客、もしくは誘致する際に、大きなターゲットになってくるのは「爆買い」とのキーワードでも知られる訪日中国人観光客。「爆買い」は失速したとの情報も耳に入りますが、観光庁による2016年のインバウンド消費額における内訳を確認してみると、訪日中国人観光客によるインバウンド消費は、ダントツの1位である1兆4,754億円を記録しており、2位が訪日台湾人観光客、4位が訪日香港人観光客であることを加味すると、中国語圏からの訪日...
今回は、「ビックカメラ」が試験導入に乗り出した「ビットコイン」の基礎知識や、それによってどのような効果が見込めるのかなどについてご紹介します。
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仮想通貨「ビットコイン」とは?
「ビットコイン」は「サトシ・ナカムラ」と日本人名を名乗る人物が開発し、2009年から運用が開始されたデジタル通貨。その特徴としては、銀行券を発行する中央銀行(日本で言うところの日本銀行)のような機関が不要なこと、「ブロックチェーン」という仕組みによりデータ改ざんを防ぎ、貨幣の偽造ができなくなっていることなどが挙げることができますが……これらの点について詳しく知ろうとすると、かなり話が難しくなります。
難解な仮想通貨というイメージが持たれている一方、利用者は世界に2000万人
「ビットコイン」は国内のニュースで触れられることもありますが、正直なところ「説明されても、専門的な知識がないからよく分からない」という方が少なくないのではないでしょうか。しかし、IT関連に精通していなければ「ビットコイン」は使えないのか、というとそうでもありません。
たとえば、日本円のお札にも偽造防止のために、個別の番号や透かしなどが入れられていますが、この方法について知っている人はおそらく少ないですよね。「Suica(スイカ)」をはじめとする交通系電子マネーに関しても、事情は同じでしょう。「ビットコイン」の取引所のひとつ「bitFlyer」によれば、 実際に全世界で約2000万人が利用 しており、そのうち60万人が日本人だといいます。
ビットコイン=現実世界で使えるようになった、オンラインゲーム内の仮想通貨のようなもの
「ビットコイン」のイメージをつかむのに最適なのは、オンラインゲームなどで使われている仮想通貨。これを使うことで、プレイヤーは他の人とゲーム上で売買できるようになりますが、その仮想通貨が日本円のように物体として存在するわけではありません。「ビットコイン」もこの仮想通貨の一種なのですが、さまざまな仕組みを取り入れることで現実世界で利用できるようになっている点が異なります。
よく電子マネーのようなものだと考えられることもありますが、こちらは銀行口座と連携させたり、カード型の端末を入金したりして使うもの。お金の現物が見えにくいのは事実ですが、決済手段をデジタル化しているだけで、既存の通貨に依存しています。一方、「ビットコイン」は日本円ともドルともまったく異なる通貨で、これらとのあいだで両替することもできます。
オンラインゲームの世界の仮想通貨と現実世界の通貨を交換することは「リアルマネートレーディング」と呼ばれる行為(ほとんどの場合、利用規約で禁止されている)ですが、「ビットコイン」のイメージはこれに近いものかもしれません。ただし、多くの国や地域で合法的に使える点や、さらに一歩進んで「ビットコイン」のみでお金のやり取りが完結する点は異なります。
日本では、 平成29年(2017年)4月1日から「改正資金決済法」が施行されたことで、法的にも通貨の一種として認められるようになりました 。
小売店が導入するメリットは?
「ビットコイン」を導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。たとえば、インバウンド市場で大きな存在感を発揮している中国では、「ビットコイン」は個人間の取引は合法ですが、その他の取引は一部規制されています。
また、その他の国や地域でも従来の通貨以上に浸透しているわけではないため、持っていても使いにくい状況が続いているはずです。このような状況下で対応を打ち出すことで、他の企業にはない独自性、利便性としてアピールできるのではないでしょうか。
ビックカメラが試験導入する店舗は「ビックカメラ有楽町店」「ビックロ ビックカメラ新宿東口店」と都内2ヶ所 に限られていますが、家電量販店としては初の試みのため、「ビットコイン」ユーザーのニーズを総取りできる可能性があります。
まとめ:「ビットコイン」の導入で便利になるのは間違いない
ビックカメラがデジタル通貨、仮想通貨として知られる「ビットコイン」の試験導入を発表。日本では通貨の一種として法的に認められたばかりで、家電量販店としては初の試みとなります。
「ビットコイン」ユーザーは世界に2000万人いるものの、まだまだ使える店舗が少ないのが実態。国内外のニーズに応えたことで、利用客増大につながる可能性があります。
<参考>
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