国内で巨大な市場になっている「インバウンド市場」企業・店舗が訪日外国人観光客を集客、もしくは誘致する際に、大きなターゲットになってくるのは「爆買い」とのキーワードでも知られる訪日中国人観光客。
「爆買い」は失速したとの情報も耳に入りますが、観光庁による2016年のインバウンド消費額における内訳を確認してみると、訪日中国人観光客によるインバウンド消費は、ダントツの1位である1兆4,754億円を記録しており、2位が訪日台湾人観光客、4位が訪日香港人観光客であることを加味すると、中国語圏からの訪日外国人観光客は今もなお、もっとも注目すべきターゲットであるといえます。
このような背景から、訪日中国人観光客のインバウンド消費を喚起するために、国内の企業では中国で広く普及している
- WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)
- Alipay(アリペイ/支付宝)
- 銀聯カード(ぎんれんカード)
の中国3大決済サービスの導入を進めています。
関連記事
Alipay(アリペイ・支付宝)とは
QR決済WeChat Payとは
AlipayとWeChat Payのシェア(2019年)
AlipayとPayPayの関係
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
- まさに三国志状態?WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)、Alipay(アリペイ)、銀聯カード(ぎんれんカード)とは?
- [WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)]6億人のユーザーを抱えるメッセンジャーツールの決済サービス:QRコードから決済
- [Alipay(アリペイ)]WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)を凌ぐ取引額:QRコードから決済
- [銀聯カード(ぎんれんカード)]中国の元祖決済サービス 発行枚数は45億枚以上
- 訪日中国人のインバウンド消費喚起へ国内で多数の導入例
- [WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)]都内3,500台のタクシーでも使えるように!
- [Alipay(アリペイ)]全国のローソン12,839店舗で利用可能に! 関空・旭川空港でも
- [銀聯カード(ぎんれんカード)]マツモトキヨシは優計画に参画?!大手量販店での導入も目立つ
- まとめ:訪日中国人のインバウンド消費喚起へ業界問わず決済サービスの導入が進む
目次
まさに三国志状態?WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)、Alipay(アリペイ)、銀聯カード(ぎんれんカード)とは?
[WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)]6億人のユーザーを抱えるメッセンジャーツールの決済サービス:QRコードから決済
WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)とは、騰訊控股(テンセント)が運営しているチャットアプリWeChat(微信/ウィーチャット)が提供する電子決済サービスです。
WeChatとは、中国版LINEとも言われており、メッセンジャーツールとして最大の人気を誇り、利用登録者は約6億人を記録しています。
スマートフォンに専用アプリをインストール、銀行口座情報を登録して、実店舗で使う場合には支払い時にQRコードを読み込んで決済します。登録しておいた銀行口座から瞬時に利用額が引き落としされるため世界的に有名なオンライン決済サービスPaypal(ペイパル)と非常に似たシステムです。
[Alipay(アリペイ)]WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)を凌ぐ取引額:QRコードから決済
Alipay(アリペイ)とは、「アリババグループ」が提供する中国最大級のオンライン決済サービスです。
WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)のように、登録した銀行口座から支払いを行い、実店舗での買い物時にはQRコードを読み込んで決済をします。
利用登録者数は8億人に及び、中国最大規模のオンライン決済サービスとなっており、2015年の中国のモバイル決済の取引額は約9.3兆元(約153兆円)でしたが、そのうち7割強がAlipay(アリペイ)を経由したものでした。
[銀聯カード(ぎんれんカード)]中国の元祖決済サービス 発行枚数は45億枚以上
「銀聯カード(ぎんれんカード)」は、中国銀聯が発行するカード。Union Payは、呼び名は違えど同じカードを指します。
決済後すぐに銀行の口座から代金が引き落とされるデビット方式です。発行枚数は45億枚を超え、世界一発行枚数が多いデビットカードともいわれています。
Alipay(アリペイ)やWeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)以前から、中国全土で広く普及しており、いわば中国の元祖決済サービスといったサービスです。
訪日中国人のインバウンド消費喚起へ国内で多数の導入例
国内では訪日中国人観光客のインバウンド消費を促そうと「WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)」「Alipay(アリペイ)」「銀聯カード(ぎんれんカード)」の決済サービスの導入が後を絶ちません。
[WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)]都内3,500台のタクシーでも使えるように!
都内最大手のタクシー会社である日本交通グループのJapanTaxi株式会社は、2017年1月27日よりWeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)の決済サービスの導入を開始しています。
これにより、東京23区、武蔵野市、三鷹市で運行するタクシー全車両約3,500台においてWeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)が利用可能になりました。
このほかにも2017年1月23日より、小田急百貨店・新宿店の化粧品売り場や、グランビスタ ホテル&リゾートの運営する合計9のホテルやレストランにWeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)が導入開始されています。
また、2016年6月1日より、羽田空港の国内線および国際線ターミナルにある一部の店舗でもWeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)による決済が可能になっています。
[Alipay(アリペイ)]全国のローソン12,839店舗で利用可能に! 関空・旭川空港でも
りんくうプレミアム・アウトレット」では2016年11月7日から、「御殿場プレミアム・アウトレット」では2016年11月28日からAlipay(アリペイ)の導入が始まりました。
関西国際空港では、2016年9月24日より、国際線出国エリア8店舗で、Alipay(アリペイ)の導入を開始。10月下旬までには他のエリアを含む約150店ほぼ全てに対象エリアを拡大しています。
ローソンでは、2017年1月24日より店舗全店(12,839店、2016年11月末現在)でAlipay(アリペイ)の導入開始します。また、旭川空港でも2017年1月29日より旭川空港のターミナルビルの7店舗でAlipay(アリペイ)の導入を開始しました。
訪日中国人観光客集客へ電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」の活用を:各地で進む導入の動き
訪日外国人観光客の増加から、日本国内の企業、自治体はインバウンド対策を進めています。日本政策投資銀行より引用訪日中国人観光客は、訪日外国人観光客の出身国として最も割合が高いため、インバウンド対策を進めるにあたり大きなターゲットになります。観光庁のデータによると、2013年は約130万人、2014年は約240万人、2015年は約500万人と、訪日中国人観光客数は年々伸びています。また、それに伴い訪日中国人観光客のインバウンド消費も、増加していることが確認できます。こうした動きを受け、訪日中国...
Alipay(アリペイ)の導入は訪日中国人集客に不可欠?旭川空港でもAlipay(アリペイ)導入を開始!
2003年から2016年の訪日中国人観光客数推移訪日外国人観光客を集客、もしくは誘致する際に、やはり大きなターゲットになってくるのは訪日中国人観光客。訪日外国人観光客数の中で、もっとも大きな割合を占めるのが訪日中国人観光客であり、右の表を見てみると、訪日中国人観光客数は東日本大震災のあった2011年を除いて、年々大きな伸び率を記録していることが確認できます。こうした背景から、訪日中国人観光客をインバウンド誘致するために、中国で広く普及している電子決済サービス「Alipay(アリペイ)」の導...
[銀聯カード(ぎんれんカード)]マツモトキヨシは優計画に参画?!大手量販店での導入も目立つ
2017年1月25日より、福岡パルコに入居する全テナントで銀聯カード(ぎんれんカード)の対応を始めました。
銀聯カード(ぎんれんカード)は、さくらや、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ラオックスなど家電量販店、伊勢丹、小田急百貨店、京王百貨店、西武百貨、高島屋など大手百貨店でも導入済みです。
また、マツモトキヨシ、ラオックスの2社が、日本への導入が決定した銀聯(ぎんれん)のプラットフォーム「優計画」(*)へ参画。銀聯カード(ぎんれんカード)の利用促進を通じて、インバウンド需要の獲得を狙っています。
銀聯カード(ぎんれんカード)はデビットカードであるため、QRコード読み取り機などを必要とするWeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)やAlipay(アリペイ)と比べて導入が楽であることから、地方におけるインバウンド対策としても導入が進んでいます。
*優計画:銀聯カード(ぎんれんカード)会員向けの割引クーポンサービス。詳しくは以下記事へ
第二次爆買いがやってくる? 銀聯(ぎんれん)の送客プラットフォーム「優計画」、マツキヨ、ラオックスが導入
流行語大賞に輝き、インバウンド業界のみならず、日本中から注目を集めた「爆買い」。その後、たびたび「もうすぐ終わり」「終焉か」と報じられ、平成28年(2016年)10月には日銀が、地域経済担当部署からの報告を集約した「地域経済報告(さくらリポート)」という資料内で「終息に向かっている」と発表しました。爆買いする訪日中国人観光客の多くは親族一同にお土産をまとめ買いすることを旅行の主目的にしていたり、そもそも転売目的の代理購入業者だったりと、層に偏りがあったと言われています。しかし、中国政府が関...
訪日外国人観光客とドラッグストア。マツモトキヨシが訪日中国人観光客に人気の理由とは?
最近はその勢いにも少し陰りが出てきたと言われる訪日外国人観光客の爆買い。訪日中国人観光客に四宝と呼ばれる炊飯器、魔法瓶、温水洗浄便座、セラミック包丁と呼ばれていますが、日本製の化粧品、薬なども人気が高く、銀座のメーカー正規店に出かけずとも同じ商品が安く購入出来るとあって、ドラッグストアは訪日外国人観光客には根強い人気スポットとなっています。その中でもマツモトキヨシの人気が高くなっていますが、それはなぜなのでしょうか?インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサ...
まとめ:訪日中国人のインバウンド消費喚起へ業界問わず決済サービスの導入が進む
ご紹介してきたように、訪日中国人観光客のインバウンド消費を促すために、国内の各業界は、決済方法の拡充を進めています。中国では、オンライン決済が日本よりも根付いていおり、訪日中国人観光客に向けたインバウンド対策として、決済方法の拡充は必要不可欠でしょう。
中国人の間で普及している決済サービスは、「WeChat Payment(ウィーチャット ペイメント)」「Alipay(アリペイ)」「銀聯カード(ぎんれんカード)」の3種類。業界・業種問わずこれらの決済サービスは、次々と導入されており、その様相はまさに三国志を想起させます。
インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするが重要!おすすめのインバウンド対策についてより詳しい資料のダウンロードはこちら
ネット上の有名人を活用した「中国向けインフルエンサープロモーション」の資料をDLして詳しく見てみる
特殊なインターネット事情の中国に対応した「中国向け広告運用」サービスの資料をDLして詳しく見てみる
インバウンドでは口コミが重要!中国最大のSNS「Wechat」についての資料をDLして詳しく見てみる
Wechatに並ぶ人気の中国版Twitter、「Weibo」の資料をDLして詳しく見てみる
<関連記事>
取引額153兆円の中国電子決済サービスとは:Alipay、WeChat Payの2大巨頭
中国では驚異的な速さで電子マネーが普及しています。その中でもAlipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)という2つの電子決済サービスが市場争いを繰り広げています。ネット通販から始まった決済サービスが実店舗へも広がり、取引額はおよそ日本の30倍以上。今回は、現在中国で支払いのスタンダードとなりつつある電子決済サービスについてご紹介します。関連記事Alipay(アリペイ・支付宝)とはQR決済WeChat PayとはAlipayとWeChat Payのシェア(2019年)Alipay...
<参照>
- クレジットカード大学:銀聯カード(ぎんれんカード)とは、中国国民のお財布代りのクレジットカード!?
- 株式会社アプラスフィナンシャル プレスリリース:日本交通グループの都内タクシーで中国人向け決済サービス「WeChat Pay」取扱開始
- 株式会社アプラスフィナンシャル プレスリリース:小田急百貨店、近鉄リテーリング、大賀薬局など6社で中国人向け決済サービス「WeChat Pay」取扱開始
- ケータイWatch:羽田空港で中国人向け「WeChat Payment」導入
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!