PayPayと中国の関係/どこの国の会社?Alipay提携に加えAlipayHK、Kakao Payも利用可に

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PayPay(ペイペイ)と言えば、ばらまきキャンペーンと呼ばれた2018年12月の「100億円あげちゃうキャンペーン」の話題でその存在を知った人も少なくないのではないでしょうか。

QRコード決済や、中国の主要決済アプリのAlipayとの連携があり、中国の会社というイメージを持つ人が多いようですが、PayPayを運営するのは実際にはソフトバンク株式会社とヤフー株式会社の合弁会社です。

サービス拡大にあたっては、中国の大手企業アリババが出資するインド最大の決済サービス事業者Paytm(ペイティーエム)も連携していたという事実もありますが、これについてはあまり知られていないようです。

2020年6月頃からインド、アメリカ、そして日本もまた、TikTokをはじめとした中国製アプリからの情報流出リスクを懸念し、使用規制の動きが強まっています。PayPayと中国企業との接点についての関心も高まったといえるえしょう。

この記事では、PayPay株式会社とはどんな会社なのかについて改めておさらいし、PayPayサービスや中国との関係、さらにインバウンドに関する事例も紹介します。

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PayPayとは?

PayPayとは、ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社が50%ずつ出資した合弁会社PayPay株式会社」が提供する、QRコード決済です。

QRコード決済は、スマートフォンでQRコードを読み取ることで決済をする仕組みで、インド最大の決済サービス「Paytm」の技術を導入しています。

中国ではQRコード決済が一般に広く普及していることや、中国におけるスマホ決済のリーディングカンパニーであるアントフィナンシャル サービスグループ傘下のAlipayサービス連携をしたことから、PayPay株式会社は中国の会社だと思っている方も多いようですが、日本の企業です。

PayPayが使えるお店は?

PayPayが使えるお店は全国60万店舗以上に上ります。コンビニ、総合スーパー、ディスカウントストア、ドラッグストア、飲食店、ファッションストアや家電量販店など、実店舗からネットショップまで多くの店舗で利用が可能です。

今いる場所の近くでPayPayが使えるお店を探したい時は、PayPayのホーム画面にある「全国のお店一覧」をタップすると、現在地の周辺地図上にアイコンで表示される便利な機能があります。

PayPayを利用するメリット

PayPayは、アプリのダウンロードから登録、利用まですべて無料です。PayPayを利用することにより、スマホがあれば全国60万店舗でキャッシュレスのお買い物が簡単に出来るようになります。

新規登録で残高500円分もらえるキャンペーンや、PayPayを利用したお支払いの最大20%還元など、残高の還元キャンペーンも頻繁に行っています。

事業者側のメリットは、登録無料、最大5%のポイント還元、会計がスムーズになるといったものがあります。

PayPayの登録方法

PayPayを利用するにあたっての登録方法はとても簡単です。

ユーザーの場合は、iPhoneの場合はApp Store、Androidの場合はGoogle Playからアプリをダウンロードします。ダウンロードしたら、ログインとSMS認証をします。

電話番号とパスワード、もしくはお持ちのYahoo! JAPAN IDでログインできます。

そして、お支払い情報を登録して完了です。

PayPayのお支払いは、PayPay残高、Yahoo!マネー、クレジットカードから選べます。PayPay残高は、銀行口座からカンタンにチャージできます。

事業者の場合は、「店舗様」→「PayPayの導入について」→「加盟店に申し込む(無料)」の順にクリックしていきます。そして名前や連絡先などを入力すると申込フォームのリンクが届きますので、指示に沿って必要項目を入力します。


PayPayと中国の関係は?

PayPayは前述のように、日本企業が提供するサービスです。

PayPayはQRコードを使って決済をする仕組みですが、中国ではQRコード決済は道端の屋台ででも利用できるほど広く普及しています。

そのためPayPayは、訪日中国人観光客の利用を狙って中国のアリババ系スマホ決済大手の「Alipayアリペイ)」とサービス連携しました。

Alipayと提携

Alipayは、中国の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)が運営しているQRコード決済サービスです。

中国国内のAlipayのユーザーは9億人以上、アジア全体では10億人以上という、世界最大のモバイルおよびオンライン決済プラットフォームとなっています。

PayPayAlipayと提携したことにより、中国からの訪日観光客は日本国内のPayPay加盟店でAlipayを使って決済できます。そのため、訪日中国人観光客のPayPay加盟店への来店やそこでのインバウンド消費も期待されています。

また、2019年9月30日までは、PayPayを利用してAlipay決済する際の決済手数料が無料になっています。すでにAlipay決済を導入している場合でも、PayPayを導入することによりコストを削減できます。

PayPayは中国で使えるか

では、PayPayユーザーも中国でAlipayを利用できるのでしょうか。中国を訪れた際にPayPayが使えれば、非常に便利です。

しかし、2019年8月の時点では、PayPayのアプリでAlipayのQRコードを読み込めないため利用はできません。中国からの訪日観光客向けのインバウンド対策のための提携といった意味合いが強いようです。

日本でのPayPayの利用状況

利用金額ベースではPayPayは日本で最も利用されているコード決済となっていますが、そもそも日本では電子決済への消費者の抵抗感があり、PayPayなどが普及するにはある程度の時間を要すると考える人も少なくありません。

また、中国企業と提携しているというだけで安全性に不安を抱くユーザーも存在します。

しかし訪日中国人向けのインバウンド対策という観点からは、PayPayの導入で中国人のモバイル決済にも対応できる環境を構築できる点は大きなメリットです。

PayPay、シェア率55%で「Pay戦争」一人勝ちに:LINE統合で60%シェアのモンスターQRコード決済サービスへ

また、MMD研究所の2021年の1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査によると、QRコード決済を現在利用している人(n=21,529)に、最も利用しているQRコード決済サービスについて聞いたところ、「PayPay」で43.1%、次いで「d払い」が18.2%、「楽天ペイ」が15.4%という結果で、PayPayはQRコードに限定した決済方法のシェアでもトップの利用率でした。


WeChat Payを日本で利用する方法 店舗での導入事例

年々増え続けている訪日中国人観光客。多くの日本企業がインバウンド対策の強化を図るべく、様々な施策を打ち出しています。WeChat Pay(微信支付)を導入することで訪日中国人観光客の決済の利便性だけでなく、世界最大規模のSNSであるWeChatの特徴を最大限に生かすことができます。 そこで今回はWeChat Pay(微信支付)を日本で利用する方法と、店舗での導入事例について詳しく見ていきます。 関連記事Alipay(アリペイ・支付宝)とはQR決済WeChat PayとはAlipay...

​中国市場向けスマートフォン課金決済サービス“We Chat

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Kakao PayとAlipayHKにも対応

PayPayは2020年4月27日より、現在Alipayに提供しているようなQRコードの共有を、韓国のKakao Payや香港企業が提供するAlipayHKに対しても開始しました。

PayPay導入によりインバウンドの3市場のQRコード決済に対応できるようになりました。


モバイル決済の導入事例/AlipayやWeChat Pay

日本ではまだまだ現金決済が主流ですが、モバイル決済を導入し始める企業も増えてきました。

特に、インバウンドに力を入れている企業ではモバイル決済は今後必要不可欠です。

ここでは、モバイル決済の導入事例をご紹介します。

1. 4種のモバイル決済を導入:カメガヤ

横浜・川崎エリアでドラッグストア・調剤薬局・化粧品専門店店舗を展開するカメガヤ(カメガヤ株式会社)では、Alipay支付宝)」「WeChat Pay(微信支付)」「LINE Pay」「PayPay」の4種類のQRコード決済を導入サービスを開始しました。

QR決済サービス対象店舗は、Fit Care DEPOT/Fit Care Express/Fit Care MART/musee de peauで、一部店舗では免税対応も実施しています。

すでにクレジットカード、各種電子マネー、ポイントカードでも決済ができますが、QRコード決済を導入したことで、インバウンド客の利便性がさらに向上しました

2. Alipayを導入:マツモトキヨシ

マツモトキヨシホールディングスでは、2018年10月にAlipayサービスを導入しました。

中国人の爆買いでもメジャーな存在であり、全国に約1,600店舗を展開している「マツモトキヨシグループ」でAlipayが利用できるとなれば、さらなる訪日中国人の消費拡大も期待できるでしょう。

マツモトキヨシではこれ以外にも、中国で人気のあるSNS「WeChat」や「Weibo」で積極的に商品紹介やクーポンを掲載したり、中国語のウェブサイトを構築したりするなど、訪日中国人観光客向けのインバウンド対策に取り組んでいます。

3. WeChat Pay、LINEPayを導入:Loft

生活雑貨の専門店であるLoftでも、2016年という早期からWeChat Payを導入しています。

さらに2017年からは、WeChatPayとLINEPayの2種類のモバイル決済に対応するシステムを導入し、インバウンド消費だけでなく、日本人のモバイル決済の普及に取り組んでいます。

日本はいつ中国に追いつけるのか?キャッシュレス後進国、脱出の可能性をさぐる

今世界では、クレジットカード決済や電子マネー決済などのキャッシュレス決済の普及が進んでいます。QRコードでの決済が広がっている中国や、クレジットカード決済が普及する韓国や欧米諸国など、多くの国は2016年時点でキャッシュレス決済比率が40%を超えています。 一方、日本は2106年の時点で19.9%と他国に比べて大きく遅れをとっている状況です。訪日外国人観光客が増加の一途を辿る日本において、キャッシュレス決済に慣れたインバウンド客に対して多様な決済方法を整備することは喫緊の課題となっています...

PayPay導入でAlipayにも対応

ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社が運営するPayPayは、中国のAlipayと提携して訪日中国人観光客向けのインバウンド消費に力を入れています。

中国ではAlipayWeChatPayの二大モバイル決済が広く浸透しており、消費者も簡単に決済できる店舗や飲食店について好感を抱く傾向にあります。

中国企業との提携というだけで不安視する意見もありますが、インバウンド市場訪日中国人をターゲットに据える場合、モバイル決済の導入は非常に重要と言えます。

インバウンド対策の一環としてPayPayを導入すれば、中国人のAlipayユーザーに対し強く訴求することができるセールスポイントとなるでしょう。

<参照>

PayPay:「PayPay」の加盟店で、「Kakao Pay」「AlipayHK」での決済が2020年4月27日より可能に~ 「Alipay」を加えた主要3サービスに対応!~

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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