Airbnbの根深い人種差別問題 米国で「アジア人だから」と宿泊拒否したホストが永久追放に

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先日、アメリカのメディアで報道され話題になったAirbnbの人種差別騒動をご存知でしょうか。「アジア人だから」という理由で、あるホストが宿泊を拒否していたことが問題になり、Airbnbが同サービスから永久追放したというものです。

Airbnbではかねてより類似の問題が発生しており、 2016年に利用者に「差別禁止ポリシー」の同意を義務付け るなどの対策を行っていましたが、根深い課題になっているようです。

日本国内でも人種差別がまったく無いとは言えず、今後、同様の問題がある可能性は捨てきれないのではないでしょうか。今回はAirbnbのアジア人差別騒動についてご紹介します。

 

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ホストが「アジア人だから」という人種差別的な理由で宿泊を拒否

騒動が発生したのは、2月の米国カリフォルニア州。スキー旅行に出かけたアジア系アメリカ人女性らは旅行の1ヶ月前に、Airbnbであるホストの元に宿泊予約を行っていました。

当初、女性2人で申し込んでおり、さらに2人宿泊者を増やしたいと連絡したところ、ホストは追加料金を支払うなら問題ないと了承。しかし、洪水警報が出るなか、その宿泊施設に自動車で向かったところ、ホストは「繁忙期だから、受け入れられない」と以前のやり取りとは違う反応を示し、受け入れを拒否されてしまいました。

困ったゲスト側は、「Airbnbに報告する」とホストに通告。すると、「あなたが地球上で最後の人間だったとしても、私はあなたを泊めることはないでしょう」「こう言えば分かるでしょう。あなたはアジア人だから」とホストは回答。人種差別を行っていることを悪いとは思っていないらしく、「外国人にとやかく言われる筋合いはない。そのためにトランプ大統領がいる」という発言も行っています。

https://www.youtube.com/watch?v=nuZn8iVQbSc

この際にショックを受け涙を流すアジア系女性が雪が降りしきるなか、屋外でその苦しい心中を語った動画「Trump Supporter Cancels Asian Woman’s Airbnb Stay(トランプ支持者が、アジア人女性のAirbnb利用を拒否した)」は4月5日にYouTube上にアップされ、執筆時点(4月19日)で100万回以上再生されています。

 

これまでにも問題視されてきたAirbnbの人種差別問題

Airbnbで人種差別が問題になったのは、初めてのことではありません。2015年には、ある黒人男性が部屋を借りたところ、近隣住民が「部屋を盗んで勝手に住んでいる」という誤った通報を行い、警察が出動するトラブルが発生しています。

また、別の黒人男性が宿泊拒否されたことを理由に、Airbnbに対して訴訟を起こしたこともあります。この際、この人物は空き室があるのに宿泊拒否されることを不審に思い、白人として申請したところ、今度は予約受付に成功したそうです。これらはあくまでも一例ですが、黒人というだけで差別にあい、Airbnbでの利用が不利になるケースは少なくないと言われています。

Airbnbも黙っているわけではなく、先のアジア人差別のように、ゲストのアカウントの永久追放など徹底的に対抗する体制を取っています。

2016年9月には、同サービスにおける差別の実態について調査した報告書を発表。差別問題を解決するために11月以降、「差別禁止ポリシー」の同意を義務付けることを明らかにしました。これは人種だけでなく、宗教や障害、性別、ジェンダーなどにかかわらず平等に扱わなければならないという内容です。

現在、ヘルプページには欧米のホスト向けの具体的なガイダンスとして「人種、肌の色、民族、国籍、宗教、性的指向、性別認識、婚姻状況」などにより、宿泊拒否などを行ってはならないと掲載されており、「米国&EU以外の法域についても差別禁止ポリシーのガイダンスをまもなく公開する予定」だとしています。

これらの策を講じているにもかかわらず、発生してしまった今回の騒動。なかなか消えない人種差別の問題は観光関連業界にも、影を落としているようです。

 

まとめ:インバウンド市場が盛り上がる日本で起こる可能性は?

Airbnbのホストが「アジア人だから」という理由で、宿泊を拒否した人種差別騒動が米国で話題になっています。同サービスに対しては以前から、黒人だと予約受付が難しいなどの問題が指摘されています。Airbnbも人種差別に関する対策を講じており、2016年から利用者に「差別禁止ポリシー」への同意を義務付けています。

ところで、まだ民泊市場が拡大していない日本ではこのような問題が発生する可能性はないのでしょうか。国内でも人種差別がまったくないというわけではないため、その心配はいらないと断言することは難しいでしょう。根深い課題ではありますが、今後、改善していくことに期待したいものです。

<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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