全国でインフラを観光に活かしている地域も多いですが、そうしたインフラをさらに改善することで観光客を呼び込んだり、インフラに関する行事を観光と結びつけている地域があります。全国のそうした例を前回に引き続き残り5事例をご紹介しましょう。
観光資源とは「あるもの」ではなく「つくるもの」であることがよく分かる事例集その5:大阪のイルミネーションも箱物の活用から始まった
全国でインフラを観光に活かしている地域も多いですが、そうしたインフラをさらに改善することで観光客を呼び込んだり、インフラに関する行事を観光と結びつけている地域についてお伝えします。目次インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例1:大阪府 OSAKA光のルネサンスインフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例2:島根県 Okutabiむふふオータムインフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例3:広島県 愛媛県 瀬戸内しまなみ海道インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例4:...
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例6:北海道 ちょっとおしゃれな田舎町「ルーバン・フラノ」を目指して
北海道の富良野市では民間主導による街なか活性化事業を行っています。土地区画整理事業と再開発事業の一体施工により整備された中心街活性化センターである「ふらっと」をまちなか回遊の拠点施設とし、そこに隣接して整備した「無頭川モール」では、中心街での憩い、くつろぎを演出し、夏はビアガーデンなどを開催するなど、ソフト事業と連動して、まちなかイベントの空間として市民に活用されています。
こうして整備されたJR駅周辺地区を「まちの縁側」と位置づけ、この縁側の開発を「ルーバン・フラノ」構想で提唱しています。こうした計画における第一期事業として実施されたのが、まちの玄関口として作られた「フランマルシェ」で、ここでは富良野の食を活かした店舗、広場、駐車場などを兼ねて複合施設として利用客が増加しています、オープンから5年間で来客数は360万人を超えています。
インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例7:桜の名所「弘前公園」の水質改善へ市と国が連携
青森県弘前市では岩木川から弘前公園への導水におおけるお濠の水質を改善し観光に役立てています。弘前公園は弘前城やお濠の桜並木が全国でも有数の規模を誇る観光名所で、桜祭り期間中は200万人もの観光客が訪れ、日本を代表する桜の名所となっています。
一方、弘前城のお濠は自己水源が乏しく、水循環不足による水質悪化、悪臭が観光面に影響を及ぼす事が問題視されていました。こうした悪臭やアオコの発生、水質悪化を解消するため、岩木川の水の導入により水辺環境に成功しています。
インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例8:ダム管理者による地域復興「観光放流」
神奈川県愛川町では宮ヶ瀬ダムの放流を観光に活用しています。これは宮ヶ瀬ダムの建設事業の地域復興イベントとして始まった取り組みで、宮ヶ瀬ダムが本格運用された平成13年4月の翌年より実施しています。この取り組みが好評だったため見学者数が大幅に増加、平成27年では14年目を迎える人気行事となりました。
この観光放流見学者数は平成14年度の12,732人から増加を続け、直近3過年では55,000人を超えています。ダムからの高低差70m、1秒間に30立方メートルの水が6分間放流され、放流時に発生するダイナミックな音と放流水が川底に叩きつけられる事による発生する煙のような水しぶきが見どころとなっています。
インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例9:黒堀プロジェクト
新潟県村上市では、歴史的な城下町の町並みを復活させることで、観光客を呼び込む工夫をしています。これは市民が中心となって行われており、既存のブロック塀を活用し、その上から板を打ち付けて黒く塗るという方法で黒堀を再現しています。今までは人通りのなかった小路が「宵の灯籠まつり」では、県内外から年間20万人が訪れるようになり、村上市を代表する観光スポットとなっています。
インフラを活用したイベントでの観光地域づくり事例10:中川運河水辺再生への挑戦
愛知県名古屋市では、水運物流の中心として避けた中川運河を再生するために、運河周辺の水辺空間を活用したアートイベントを毎年開催。平成22年度からは、近隣企業や住民と協同で、運河周辺の清掃活動、運河沿いにコスモス植栽を行う「コスモスプロジェクト」の実施などに加え、中川運河の魅力創出に向けた取り組みを精力的に実施してきました。
まとめ
いろいろなインフラを活用して観光に活かす取り組みの中でも、名所の整備、ダムの放流を活用、町並みの復元など、様々な活動で観光地の創出が全国で行われています。
<参考>
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!