平成29年(2017年)4月20日、東京都銀座「松坂屋」跡地に、大規模商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」がオープンしました。銀座らしい高級路線で国内の富裕層に加え、訪日外国人観光客によるインバウンド需要の獲得も目指しているようです。
今回は東京都銀座の新名所「GINZA SIX」のインバウンド対策についてご紹介します。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)
「高級感」「国際性」を打ち出す「GINZA SIX」
まずは、「GINZA SIX」が登場するまでの経緯についてご紹介します。
平成26年(2014年)、森ビル、住友商事ら4社は、「銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業」を一体的に推進することを発表。平成28年(2016年)11月に、銀座エリア最大級となる商業施設をオープンするとしていました。
「銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業」の対象となったのは、銀座六丁目10番に位置する松坂屋銀座店跡地と、その周辺地域。その面積は約1.4haにのぼり、売場面積約46,000平方メートルに及ぶ商業施設や、1フロアあたりの貸室面積が約6,000平方メートルを超える大規模オフィスなどを設置することを計画していました。「GINZA SIX」という施設名は銀座6丁目に由来したものでしょう。
当時のリリース情報でも、「高級感」「国際的」がテーマになっていたことは伺え、コンセプトには「Life At Its Best~最高に満たされた暮らし~」というフレーズを掲げていました。
オープンは予定よりも半年ほどおそくなりましたが、方針はブレておらず、地下6階から地下2階までは商業施設、7~12階にはオフィスを設置。1階部分には、銀座観光の拠点として活用できる「ツーリストサービスセンター」、銀座初の観光バス乗降所などを用意しています。
「GINZA SIX」のインバウンド対策
それでは、「GINZA SIX」ではどのようなインバウンド対策が図られているのでしょうか。
「GINZA SIX」のインバウンド対策その1:従来の百貨店とは異なる収益の上げ方
近年、百貨店需要の低下が叫ばれており、閉店する店舗も相次いで現れています。一時はインバウンド需要に湧いたものの、「爆買い」が落ち着いたことにより、再び苦境に追いやられているとする見解も珍しくありません。インバウンド対策のみを目的としたものかどうかは分かりませんが、「GINZA SIX」の特徴のひとつとして、従来の百貨店と異なるビジネスモデルを採用している点が挙げられます。
これまで百貨店では、商品の所有権を卸業者、メーカーに残したまま、店頭に陳列する「消化仕入れ(売上仕入れと呼ばれることも)」という取引形態が用いられていました。メリットとしては、販売と同時に仕入れが計上されるため、多種多様な商品を揃えられること、在庫リスクを抱える心配がないことが挙げられます。しかし、その分、利益率は低いのが難点です。百貨店の業績が悪化してしまったのは、このような方針を取っていたために、販売数の低下によるダメージを受けやすかったためだと考えられます。
他方、「GINZA SIX」はショッピングモールのように、入店したテナントに家賃などを請求するビジネスモデル。同店舗は銀座松坂屋の跡地に構えていますが、百貨店とは異なる業態を採用しているのです。
「GINZA SIX」のインバウンド対策その2:高級路線で国際水準のもの、サービスを提供
「GINZA SIX」では「Life At Its Best 最高に満たされた暮らし」 というコンプトととは別に、「Where Luxury Begins 世界が次に望むものを」 というブランドスローガンが掲げられています。この2つは「『最高に満たされた暮らし』 を求める人々に対し『世界が次に望むもの』 を提供するという仕方で関係するのだそう。
このように「GINZA SIX」では高級路線によって、世界を意識する方向性が見られます。国際水準に達しているモノ、サービスを提供することで、海外の人々も価値を感じられるような施設にしようというわけです。施設内にはアート作品が展示されているのですが、現在設置されているのは日本のみならず、国外でも評価されている草間彌生氏、大巻伸嗣氏らによるものです。
「GINZA SIX」のインバウンド対策その3:1階部分は銀座観光の拠点として機能
施設面では、1階部分に銀座初となる観光バスの乗降場を設置。また、外貨両替、手荷物預かり、宅配なども同階で行うことができます。訪日外国人観光客は、「GINZA SIX」をベースに銀座観光を楽しむような形になりそうです。
まとめ:銀座らしい高級路線で、国際的なニーズを獲得できるか
銀座松坂屋の跡地に大規模商業施設「GINZA SIX」がオープン。1階部分には銀座初となる観光バスの乗り降り場などが設けられており、銀座観光を楽しむ訪日外国人観光客の拠点として活用されそうです。
扱っているサービスやモノは銀座らしい高級路線で、国際的に評価される水準を目指しているとのこと。店内には、世界的に有名な草間彌生氏などのアート作品も展示されています。
<参考>
- GINZA SIX|ギンザ シックス
- GINZA SIX|森ビルのプロジェクト|森ビル株式会社 - MORI Building
- 『銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業』 2016年11月、ワールドクラスクオリティの商業施設が誕生|住友商事
【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介

外国人観光客の爆発的増加に伴い、スタッフの人手不足に直面する宿泊・観光業界。
さらには多言語対応やあらゆるサポートも求められ、キャパシティが限界状態にある事業者も少なくはないでしょう。
そこで訪日ラボでは、「人手不足を補いながらインバウンド対応を強化する」実践策を紹介するセミナーを開催します。
DXによる業務効率化や自動化、多言語対応の仕組みづくり、24時間・22言語対応の医療通訳付きオンライン診療、そして多言語での口コミ・MEO対策の無理のない運用方法まで、“少ない人員でも安心して外国人観光客を受け入れられる仕組み” を解説します。
<セミナーのポイント>
- 人手不足の現場でも実践できる、インバウンド対応・業務効率化のヒントがわかる!
- 多言語対応や医療連携など、“安心・安全な受け入れ体制”を整える具体策が学べる!
-
集客から滞在サポートまで、インバウンド受け入れを総合的に学べる!
→【11/26開催】インバウンドの受け入れを「仕組み化」で乗り切る!宿泊・観光業の人手不足を解消する革新的ソリューションを紹介
【インバウンド情報まとめ 2025年11月前編】中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に10月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※訪日ラボ会員にご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国、日本への渡航自粛を要請 / 2025年冬の国際定期便、過去最高の便数に ほか:インバウンド情報まとめ【2025年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
訪日ラボの会員限定コンテンツ「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!
その他、訪日ラボの会員になるとインバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い教科書コンテンツやインバウンドを分析したレポート、訪日ラボのコンサルチーム登壇のセミナーなど役立つコンテンツが盛りだくさん!










