東芝のRECAIUS(リカイアス)に見る、観光施設でのAIのインバウンド向け活用とは

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訪日外国人観光客に、その国の言葉で対応する(多言語対応)ということは常に求められていますが、その対応の方法も様々です。翻訳サービス、同時通訳を利用する場合もあれば、外国人を採用するという手段もあるでしょう。翻訳アプリなども利用するという手段もありますが、こうした 言葉の壁を解消する業務をAIに任せるという方法もあります。

東芝は、AIによる同時通訳技術であるRECAIUS(リカイアス) を有しています。RECAIUS(リカイアス)を実際に使用している例として今月に導入が決まった「熊本・くまモンスクエア」と「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」について見てみましょう。


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東芝のコミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)」とは?

「RECAIUS(リカイアス)」サービスページキャプチャ

「RECAIUS(リカイアス)」サービスページキャプチャ

東芝が長年培った音声認識、音声合成、対話、翻訳、画像認識(顔・人物画像認識)、意図理解などメディアデータ知識処理技術(メディアインテリジェンス技術)を融合したサービス。音声や映像から、人の発話や行動の意図・状況を理解、RECAIUS(リカイアス)のもつ知識ベースから人の行動を支援するためのフィードバックを返します。暮らし・仕事のさまざまな場面で、人々の活動をアシストします。音声認識、音声合成、音声翻訳、音声対話、画像認識などが可能となっています。

「RECAIUS(リカイアス)」導入事例その①:熊本県の観光施設「くまモンスクエア」

東芝は、熊本県観光施設「くまモンスクエア」に対して、「RECAIUS(リカイアス)」を活用した訪日外国人観光客向けサービスとビックデータ分析サービスなどの無償提供を開始しました。今回くまもんスクエアに提供したのは、

  • 「RECAIUS 音声トランスレータ」 くまモン版
  • 観光施設向けビックデータ分析サービス
  • 4か国語に対応したタッチパネル式デジタルサイネージ

の3つです。

「RECAIUS 音声トランスレータ」 くまモン版

東芝デジタルソリューションズ株式会社 プレスリリースより

東芝デジタルソリューションズ株式会社 プレスリリースより

操作画面にくまモンが登場する「RECAIUS 音声トランスレータ」 くまモン版を「くまモンスクエア」の接客スタッフへ提供。これは音声認識、口語翻訳、音声合成を活用した同時通訳技術「RECAIUS音声トランスレータ」のくまモン版です。スマートフォンなどの端末に向かって話した内容がリアルタイムに翻訳され、テキストと音声で翻訳結果を確認しながら会話することが可能。

観光施設向けビックデータ分析サービス

Wi-Fi型センサーを利用し、施設内にあるWi-Fi機能がオンにされているスマートフォンなどの端末の個数を数えることで来訪者の時間別人数を推定することが可能で、Wi-Fi機能がオンにされている旅行者のスマートフォンなどの端末が以前通過した国情報や地点を分析することで出身国の推定などができる旅行者側の事前設定が不要なビッグデータ分析サービス

4か国語に対応したタッチパネル式デジタルサイネージ

東芝デジタルソリューションズ株式会社 プレスリリースより

東芝デジタルソリューションズ株式会社 プレスリリースより

くまモンスクエアでよく問い合わせがある、くまモンスクエアから熊本城、熊本駅などへの所要時間や、施設説明を4か国語(日本語、英語中国語、韓国語)で説明するとともに多言語地図で行き方を案内可能。また、音声合成技術を活用し、4か国語(日本語、英語中国語、韓国語)でくまモンスクエアに関する質問に回答が出来る。

「RECAIUS(リカイアス)」導入事例その①:軽井沢・プリンスショッピングプラザ 訪日外国人観光客へのインフォメーション業務を支援 

多くの訪日外国人観光客がショッピングに訪れる軽井沢・プリンスショッピングプラザ。こちらでは、インフォメーション業務に不可欠な複数言語対応を円滑にするため音声トランスレータ/同時通訳サービスであるRECAIUS(リカイアス)が導入されています。

迅速な対応のために、RECAIUS(リカイアス)を導入

軽井沢・プリンスショッピングプラザのインフォメーションには、ピーク時は1日3,000人あまりの方が訪れ、そのうち 訪日外国人観光客が2~3割 を占めます。ブランドショップの場所や荷物の預かり場所、軽井沢のおすすめスポットなど、さまざまな問い合わせに対応しており、外国語を話すことができるスタッフを採用することはもちろん、電話通訳サービスや指さしコミュニケーションシートなどいろいろな手段で対応をしてきたそうですが、迅速な対応が期待されるインフォメーションだからこそ、サービス導入を決めた とのこと。

専門用語の辞書登録機能が翻訳の精度を高めている

固有名詞の事前登録が可能なため、駅名や電車名などを的確に翻訳し、外国人観光客をスムーズに案内が出来るのもRECAIUS(リカイアス)の特徴。インフォメーション業務も専門用語の辞書登録により円滑に実現し、急遽呼び出された場合も、同プラザ内の離れたエリアで対応できるようになり、訪日外国人観光客によるインバウンド需要に応える環境を整えることができるようになりました。

まとめ:今後はインバウンドに関わる接客サービスもAI化の流れ

今後数年でAIが単純労働に置き換わる日が近いのではと言われていますが、今回の事例のように、人ではすぐに対応、導入が難しい同時翻訳という場面でもAIは活躍しています。インバウンドの当事者にとってもAI技術は注目に値する技術であると言えるでしょう。

<参考> - http://www.toshiba-sol.co.jp/news/detail/20170718-3.htm - http://www.toshiba.co.jp/recaius/ - http://www.toshiba.co.jp/cl/pro/recaius/feature.html - http://ascii.jp/elem/000/001/516/1516610/

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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