石巻市 訪日客のSNS拡散狙い無料SIMを配布:SIMカード配布は地方創生・地方誘致の新たなインバウンド対策になりうるのか

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増え続ける訪日外国人観光客の通信手段を整備するために日本国内では、無料Wi-Fiの増設が進められてきました。しかし、ソフトバンクの孫正義氏が無料Wi-Fiではなく国際ローミングに注目しているように、最近では訪日外国人観光客の通信手段は無料Wi-Fi一択ではなく、国際ローミングやプリペイドSIMの利用も人気になってきています。

そんな状況の中、宮城県石巻市では、インバウンドの通信環境整備へ来年1月から新たな試みを開始します。

孫氏「訪日客向け無料Wi

2020年の訪日外国人観光客数4,000万人を目指して国内ではインバウンド誘致への取り組みが加速しています。訪日外国人観光客向けのネット環境の不整備 は、日本のインバウンド市場が長年直面している課題であり、無料Wi-Fiの増設やプリペイドSIMの販売拡充などさまざまな対策が講じられています。そのような状況の中、ソフトバンクグループ株式会社代表取締役会長兼社長である孫正義氏は、少し意外な発言で日本のインバウンド市場をにぎわせています。目次「訪日客向けの無料Wi-Fiはなくすべき」 孫氏が発言...


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石巻市 インバウンド向けにSIM無料配布へ

2017年07月11日の河北新報の記事によると 宮城県石巻市では、来年の1月より訪日外国人観光客にSIMカードの無料配布の実施を開始するとのこと。 この取り組みは 「ISHINOMAKI TRAVEL SIM」 と名付けられています。

訪日外国人観光客誘致のために 自治体がSIMカードを配布するのは東北 となっており、インバウンド業界が注目しているこの試み。いったい何が目的なのでしょうか?

ネット環境整備を通じてSNSを通じた情報発信が目的!

「ISHINOMAKI TRAVEL SIM」の目的は、訪日外国人観光客にインターネットを通じて情報を発信してもらう点にあります。 スマートフォンやタブレット端末にSIMカードを差し込み、簡単なアクティベーションをするだけで、訪日外国人観光客石巻市内でいつでもどこでもインターネットを接続することができます。

そのため、訪日外国人観光客ひとりひとりがSNSなどを通じて発信者 となり、海外に向けて穴場スポットやグルメ、美しい牡鹿半島の自然景観など 石巻市の魅力をPRしてくれる ことが期待されます。また、訪日外国人観光客向けに石巻市の観光スポットやグルメ情報、お得なサービス情報も配信していく ため、効率的に訪日外国人観光客の市内周遊を促すこともできます。

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「ISHINOMAKI TRAVEL SIM」では、JR石巻駅、観光案内所、石ノ森漫画館などで通信量や日数に応じて、訪日外国人観光客に特定期間利用可能なプリペイド式のSIMを訪日外国人観光客に配布。配布枚数は2,000枚~5,000枚を予定しています。

今までであれば、訪日外国人観光客の通信環境を整備する際、無料Wi-Fiスポットの増設が頻繁に行われていました。 しかし、今回石巻市がプリペイドSIM配布に踏み切ったように、最近では無料Wi-Fi以外の通信手段もインバウンド業界で注目を集めはじめています。その背景には何があるのでしょうか?

無料Wi-Fiの一番の課題:すぐに発信・投稿できない

無料Wi-Fiの最大の欠点は、インターネットに接続する際に「場所」「時間」が選べない点 です。無料Wi-Fiスポット付近でないとインターネットに接続できないため、訪日外国人観光客は、SNSなどで共有したいと思ったものがあっても、即時に投稿することができません。

また、石巻市のような地方都市では、そもそも無料Wi-Fiスポットはなかなか見つからず、 通信環境も安定しないことも多々。安価で利用が手軽であることから、無料Wi-Fi訪日外国人観光客にとってもっとも人気の通信手段であることには変わりませんが、利便性という面ではやや難がある ようです。

訪日客は近鉄の駅でもWi

訪日外国人観光客の増加を背景に、国内の交通業界では訪日外国人観光客受け入れ環境の整備を進めています。以前の記事でもご紹介したように、鉄道業界でも外国語対応や、訪日外国人観光客向け観光案内所の拡充、地域の特色を活かしたインバウンド向けサービスの提供など、さまざまな取り組みを開始しています。近畿日本鉄道株式会社(以下、近鉄)でも、訪日外国人観光客受け入れ環境の整備を進めています。<関連記事> 目次近鉄、訪日客向けに無料Wi-Fiサービス「KINTETSU Free Wi-Fi」の提供を開始20...

関西圏で進むインバウンド向け無料Wi - Fiの整備:HANKYU - HANSHIN WELCOME Wi

訪日外国人観光客の増加を背景に、国内の交通業界では訪日外国人観光客受け入れ環境の整備を進めています。以前の記事でもご紹介したように、鉄道業界でも外国語対応や、訪日外国人観光客向け観光案内所の拡充、地域の特色を活かしたインバウンド向けサービスの提供など、さまざまな取り組みを開始しています。阪急阪神ホールディングス株式会社の運営する阪急電鉄と阪神電車でも、訪日外国人観光客受け入れ環境の整備を進めています。<関連記事> 目次阪急・阪神沿線における無料Wi-Fi「HANKYU-HANSHIN WE...

SIMカードは訪日客の快適なネット環境とPR情報発信の2つを実現できる?!

一方で、プリペイドSIMであれば 通信環境が比較的安定している うえに、訪日外国人観光客は、好きな時間・タイミングに好きな場所でインターネットに接続することができます。

海外に向けて魅力をアピールしたい地方都市にとって、訪日外国人観光客が「アップしたいときに通信環境があること」は非常に重要です。 訪日外国人観光客にとってはSIMカードの利用はコスト的に若干高くつきますが、訪日香港人観光客や訪日インドネシア人観光客の間でSIMカードの利用意向が高い ことなどを加味すると、今回の石巻市のように 自治体が率先してプリペイドSIMを配布することは、今後多くのインバウンドを誘致するうえで有効な手立てであるといえるでしょう。

総務省、訪日外国人向けプリペイドSIMの発行、販売状況を発表 2020年にはプリペイドSIM年間発行数200万枚を目指す

総務省は、平成26年6月12日に公表した「SAQ2(サクサク) JAPAN Project」などの施策を踏まえ、関係団体・事業者とともに、インバウンド向けプリペイドSIMの発行数と販売拠点数の目標を設定、これによって、訪日外国人観光客が国内発行SIMカードへの差替えによってスマートフォン・携帯電話を円滑に利用できる環境の整備 に取り組んでいます。こうしたプリペイドSIMの発行数及び販売拠点数の目標について、総務省が発表しています。目次「SAQ2(サクサク) JAPAN Project」とは...

まとめ:地方のインバウンド向けネット環境整備「アップしたいときに通信環境があること」は極めて重要

宮城県石巻市では「ISHINOMAKI TRAVEL SIM」というプロジェクトを開始します。同プロジェクトのもと2018年1月より 訪日外国人観光客にSIMカードの無料配布を実施 します。

先日の訪日ラボでもご紹介した通り、訪日外国人観光客の通信環境は多様化してきています。 地方都市においては、場所・時間問わずインターネットに接続できるプリペイドSIMや有料Wi-Fiルーターなどを訪日外国人観光客に使ってもらうことで、SNS上で海外に地域の魅力を発信してもらうことができるでしょう。

孫氏「訪日客向け無料Wi

2020年の訪日外国人観光客数4,000万人を目指して国内ではインバウンド誘致への取り組みが加速しています。訪日外国人観光客向けのネット環境の不整備 は、日本のインバウンド市場が長年直面している課題であり、無料Wi-Fiの増設やプリペイドSIMの販売拡充などさまざまな対策が講じられています。そのような状況の中、ソフトバンクグループ株式会社代表取締役会長兼社長である孫正義氏は、少し意外な発言で日本のインバウンド市場をにぎわせています。目次「訪日客向けの無料Wi-Fiはなくすべき」 孫氏が発言...

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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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