観光庁がリリースした宿泊旅行統計調査によると、2017年4月に地方部に宿泊した訪日外国人観光客数は、一昨年・去年と比べてどちらも2桁台で増えており、地方部を滞在先として選ぶ訪日外国人観光客が着実に増えていることが把握できます。
このような状況の中、訪日外国人観光客は、何を目的に地方を訪れているのでしょうか?日本政策投資銀行では、2017年6月に南九州(宮崎県・鹿児島県)に関するインバウンド観光レポートDBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(南九州版)を発表しています。同レポートでは、南九州(宮崎県・鹿児島県)を訪れる訪日外国人観光客の実態を紹介しています。本資料をもとに、2回に分けて 南九州(宮崎県・鹿児島県)におけるインバウンド観光の特徴 をご紹介します。今回は2回目です。初回は以下のリンクへ。
前年比21.4%増
訪日外国人観光客に人気の旅行先は、以前であればゴールデンルートに偏っていましたが、最近では 地方にもスポットライトが当たり始めています。 このような状況の中、訪日外国人観光客は、何を目当てに地方を訪問しているのでしょうか。日本政策投資銀行では、2017年6月に南九州(宮崎県・鹿児島県)に関するインバウンド観光レポートDBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(南九州版)をリリースしており、南九州(宮崎県・鹿児島県)を訪れる訪日外国人観光客の実態を紹介しています。本資料をも...
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鹿児島・宮崎へ訪問を希望する訪日外国人観光客はどのように情報収集しているのか?
旅マエの情報収集:旅行ガイドブックと観光庁・JNTOのサイトが二強
鹿児島・宮崎の訪問を希望する外国人は、訪日旅行前、基本的に旅行ガイドブックを通じて観光情報を入手しています。 全国平均では44%ですが、両県においてはそれぞれ51%、56%が旅行ガイドブックから観光情報を入手している結果になりました。
また、日本政府観光局(JNTO)や観光庁など公的機関から配信されている観光情報に関しても、鹿児島・宮崎の訪問を希望する外国人の間では信頼度が高いものになっている ようで、全国平均を10%以上上回る45%(鹿児島県)49%(宮崎県)の外国人が、公的機関が配信源の情報を基に旅行情報を入手しています。
口コミ・個人ブログに関しては、ほぼ全国平均並み。自治体や観光協会など地域の公式HPをもとに観光情報を入手する人の割合が、全国比+10%以上となっており、南九州の訪問を希望する外国人の情報入手源は、公的機関に寄る傾向がある という点に関しては、十分に留意するべきでしょう。
【旅マエ編】インバウンドで話題の旅マエ・旅ナカ・旅アトを徹底解説
年々、訪日外国人観光客が増えるにつれて、インバウンドビジネスに参画する企業も増えつつあり、それにともない、インバウンド業界におけるマーケティング手法が確立しつつあります。現在、インバウンドマーケティングにおいては、訪日外国人観光客の行動について「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」、すなわち訪日旅行前、訪日旅行中、訪日旅行後にフェーズわけをした上で、それぞれの段階ごとに適切なアプローチをすることが重要となってきています。今回は、その「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のうち、 「旅マエ」 について徹底解...
旅ナカの情報収集:ガイドブックと旅行案内所を通じるパターンが多い
旅ナカの情報入手手段としても、南九州(鹿児島・宮崎)の訪問を希望する訪日外国人は、旅行ガイドブックを通じて観光情報を入手している ようです。鹿児島訪問希望者では45%、宮崎訪問希望者では40%の訪日外国人観光客が旅ナカに旅行ガイドブックを通じ情報を入手しています。どちらも全国平均を上回る数値です。
旅ナカで訪日外国人観光客にアプローチするガイドブックについてより詳しい資料のダウンロードはこちら
次に多かった選択肢が、観光案内所という結果に。(鹿児島訪問希望者では40%、宮崎訪問希望者では45%)全国平均+10%を記録しています。また、旅マエと同じく、日本政府観光局(JNTO)や観光庁、自治体や観光協会の配信する情報にも一定の需要がある ことが把握できます。
【旅ナカ編】インバウンドで話題の旅マエ・旅ナカ・旅アトを徹底解説
年々、訪日外国人観光客が増えるにつれて、インバウンドビジネスに参画する企業も増えつつあり、それにともない、インバウンド業界におけるマーケティング手法が確立しつつあります。現在、インバウンドマーケティングにおいては、訪日外国人観光客の行動について「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」、すなわち訪日旅行前、訪日旅行中、訪日旅行後にフェーズわけをした上で、それぞれの段階ごとに適切なアプローチをすることが重要となってきています。今回は、その「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のうち、 「旅ナカ」 について徹底解...
鹿児島・宮崎を訪問した訪日外国人は何に満足していて何に不満を感じたのか
[満足した点]やはり温泉への満足度は全国平均以上も50%を切る:その他は軒並み平均
上記のグラフは、鹿児島・宮崎を訪問した訪日外国人が満足したこととして上位に上がる選択肢を全国平均と比較してまとめたものです。
「伝統的日本料理」や「自然や風景の見物」など、訪日旅行前に期待されるものとして頻繁に上位に上がるものは、概ね全国平均並みである という点です。鹿児島に関しては、「自然や風景の見物」という観点では訪日外国人観光客から高評価。全国平均+9%を記録しています。
「温泉入浴」に関しては、鹿児島訪問経験者の間では46%、宮崎訪問者の間では39%が満足した と答えています。これらは全国平均を上回る数値ですが、九州地方であるという立地条件から「温泉」を目当てに鹿児島・宮崎を訪れる訪日外国人観光客は多いものの、満足度でいえば50%を切っており、若干の改善が求められる点ではあるでしょう。
また、「現地の人が普段利用している安価な食事」との項目は、鹿児島では19%、宮崎では17%と全国平均(24%)を下回っています。 南九州において安い飲食店へのインバウンド需要は大きく、この点に関しても改善が期待されます。
タトゥー受け入れ率は0.86% 訪日外国人観光客の温泉への期待とは裏腹に温泉の刺青お断り率はまだまだ高い
訪日前の期待と今回したこと:観光庁訪日ラボでもお伝えしている通り、2016年は2500万人突破のペースで訪日外国人観光客が増加しています。2020年に東京オリンピックも控えていることもあり、今後も増加の傾向は続くものと思われます。その訪日外国人観光客の訪日目的として上位にランクインするのが「温泉入浴」。観光庁の「訪日外国人 消費動向調査」によれば、訪日外国人観光客のおよそ3割が、訪日前に温泉入浴に期待しており、また4割弱が実際に温泉入浴を楽しんでいる模様。そこで課題となるのが「温泉施設で刺...
[不満だった点]コミュニケーション面に不満を抱える外国人は全国平均を上回る
鹿児島・宮崎を訪問した訪日外国人観光客は「英語の通用度」に関して不満を持っているようです。
鹿児島を訪問した外国人観光客のうち28%が、宮崎を訪問した外国人観光客のうち34%が、日本旅行中に不満だったこととして同選択肢を回答しており、いずれも全国平均よりも高い結果になっています。その他項目に関しては、ほぼ全国平均並みで推移しています。
多言語でのコミュニケーションをサポートするお手軽通訳サービスについてより詳しい資料のダウンロードはこちら
接客時の外国語対応サービス、どれを使用すればいい?:これまで紹介してきたサービスをおさらい
観光庁の資料によると、訪日外国人観光客が旅行中に困ったこととして、「施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない(英語が通じない等)」との回答が2番目に多い数値となっており、訪日外国人観光客は日本の外国語対応に不満を持っていることが把握できます。こうした問題を解決するべく、国内では多くのインバウンド向け外国語対応サービスが存在しています。今回は、これまで訪日ラボの記事で紹介してきた接客時に役立つ外国語対応サービスをおさらい。インバウンド誘致を検討している店舗や観光施設・自治体に役立つかも...
まとめ
日本政策投資銀行が発表した南九州(宮崎県・鹿児島県)に関するインバウンド観光レポートDBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(南九州版)をもとに、南九州(宮崎県・鹿児島県)を訪れる訪日外国人観光客の実態を3回に分けて紹介するシリーズ。今回は第二回目です。
2016年に南九州(宮崎県・鹿児島県)に宿泊した訪日外国人観光客の数は、726,100人。宮崎県では前年比21.4%増の245,180人、鹿児島県では前年比15.7%増の480,920人 の訪日外国人観光客が両県に宿泊しました。
南九州を訪問希望する外国人観光客は、主に旅行ガイドブックや政府や自治体など公的機関・観光案内所の情報を信頼する傾向にあります。
また、南九州(鹿児島・宮崎)旅行時に 満足した点としては「温泉入浴」 を挙げる声が全国平均を大幅に上回っています。不満点としては外国語対応の不足からコミュニケーションが取れないとの声 が多く挙げられました。
<参照>
- 日本政策投資銀行:DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(南九州版)
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