2017年7月19日に行われた田村観光庁長官の記者会見で、国として出国税について検討を行っているという話があり、その後8月16日の記者経験においても「勉強中」と田村観光庁長官は回答していましたが、報道によると9月15日に観光庁は有識者による検討委員会を設け、出国税に関して具体的な議論を始めるとしています。出国税がいよいよ導入されるとなると、航空業界、旅行業界には大きなインパクトとなる可能性があります。政府としての導入の狙い、諸外国の事例などについてみていきましょう。
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そもそも出国税とは何か?
日本でもともと出国税として幅広く知られていたのは 「国外転出時課税制度」 でしょう。これは1億円以上の株式等を有する富裕層が海外転出をする際に含み益に所得税を課税するという制度です。平成27年度の税制改正で導入が決定したもので、7月1日から導入されました。これが導入される前は、海外移住者が海外移住後に株式等を売却して課税を逃れるということが行われており、日本を除くG7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ)では既に導入されていたものです。
しかし、今回話題になっている出国税というのは、出国の際に課税することを検討しているもので、日本以外の諸外国では空港税、航空旅客勢など、様々な名称で既に導入されている国、地域が存在し、観光振興の財源となっています。 なお、報道によると対象となるのは、日本を出国する外国人 とのことです。
欧米などでは既に一般的な出国税
出国税という名称で導入している国は香港、オーストラリアがあります。JTBの空港税一覧によると、香港の場合は120香港ドル、オーストラリアの場合は60オーストラリアドルほどとなっています。異なる名称のものではイギリスの航空旅客税、フランスの空港税、韓国では納付金という名目となっています。また米国のESTA申請料に関しても実質的には同じような性格のものであり、それぞれ空港の整備であったり、観光振興に使われています。
日本政府の導入の意図とは?
政府は5月に策定した「観光ビジョン実現プログラム2017」の中でも「高次元で観光施策を実行するために必要な財源の確保策を検討」という記述を盛り込んでおり、出国税導入の意図は観光施策のための財源確保 であると言えます。これについて政府は「外国人旅行者向けの案内所の整備をはじめ観光分野の政策に充てる新たな財源を確保したい」としており、外国人の利便性を高めるための施策を行うための財源を、外国人から徴収するという図式となっています。
仮に出国税を導入した場合のインパクトは?
出国税を実際に導入するとなると、1人あたり1000円ほどの徴収 と言われています。なお、2016年に日本を訪れた外国人観光客は延べ2400万人であり、一人あたり1000円を徴収するとなると、外国人観光客のみに課税する場合には約240億円の新たな財源を確保出来る こととなります。
なお、課税の方法については航空運賃に上乗せするような形での検討もされているということで、外国人旅行客の減少に繋がる恐れがあるとして航空業界、旅行業界からの反発が予想されています。
今後予想されるシナリオ
導入が実際に行われるのかどうかも含め制度設計はこれからとなりますが、こうした新たな財源を確保することが出来れば、政府は課題感を持っている 地方への訪日外国人の誘客、出入国管理システムの梃入れなどの財源にこれを当てるという事が考えられます。 2020年に4000万人の訪日外国人観光客を迎えるという目標を達成するためには、都心部などゴールデンルート中心の観光スタイルではなく、様々な魅力を抱えた地方への誘客を増やすことが非常に重要になります。
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