インバウンド×レストランで起こること:「事前予約型」が主流になるワケとは? 言語の壁で予約ができない訪日客・外国人のドタキャンに悩む飲食店

インバウンド×レストランで起こること:「事前予約型」が主流になるワケとは? 言語の壁で予約ができない訪日客・外国人のドタキャンに悩む飲食店

観光領域の動きはどんどん勢いが増しています。先月の記事で、世界大手Priceline GroupやExpediaなど、宿泊予約サイトはコモディティ化していきている背景から、各社ともにAiに多額の資金を投じ、ユーザー好みのコンテンツをいち早く出していく流れになってきている話をしました。

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昨年11月上旬あたりから、Booking.comなどがあるPricelineGroupInc、ExpediaInc、TripAdvisorInc、といった巨大OTAが一堂に株価下落になり始めました。その後、少しづつ戻りつつありますが、これを意味するものは、おそらく投資家に、これらの会社が今後、成長鈍化するものと思われたことであり、エアチケット・宿泊施設といった観光予約サイト業界のコモディティ化(=どれも似たようなものになってきている)があるのではないかと筆者は考えています...

それから1ヶ月、Priceline GroupやExpediaが今度は自社ホテルブランドを展開するという新たなニュースがありました。これはAmazonがAmazon Goを始めたりするのと同様、自社ブランドを持つことが、様々な相乗効果に繋がるからではないかと思います。

こうした一方で、この1ヶ月、タビナカ領域も新たな動きがありました。レストラン予約領域 です。Airbnbにレストランコンテンツを提供しているResyがAirbnb主導の下、1300万ドル(=14.4億円<2018年2月4日時点>)の資金調達を行いました。同社コンテンツはAirbnbのUX/UIととても相性が良いものになっており、地図からのレストランを探し、ワンクリックで予約ができるという容易さがウリのサービスです。

こうした 旅行中のレストラン予約の動き が出てきています。

弊社が今月末にリリース予定の旅行・おでかけ検索エンジン『Liigo』でも各社レストラン予約サイトを取扱い、自分好みのお店・コース選択を手間なくできる探せるものになります。今回は、そうした レストランサイト各社と連携をしている立場から、広く、レストラン予約市場の動向について述べていきたい と思います。

 インバウンド×レストランで起こること:事前予約型が主流になる

旅行領域におけるレストラン予約は、昔からニッチ市場として、各社旅行サイトは扱ってきました。JTBでもHISでもその取扱があります。それらの多くの旅行サイトは、これまで、独自に情報取得しているところもありますが、ぐるなび、食べログや一休などから情報を提供してもらい掲載するという内容でした。

現在まで、ぐるなびや食べログはレストランからの広告掲載モデルを主な収益源としたビジネスモデルを展開しています。それゆえ、仲介会社である各社旅行会社側は利益を考え、高単価のレストランの紹介しか行なっていませんでした。

しかし、昨今の観光客は、高級レストランだけでなく、ローカルレストランの情報も求める ようになってきています。観光客は様々なレストラン情報雑誌やサイトを見るわけですが、日本語が話せない観光客が多いので、事前に予約したくても、できない

こうしたニーズを踏まえ、いくつかのレストラン予約サイトやレストランが事前予約を行なってきていましたが、今度は No Show(=予約をした人がキャンセルの連絡もないまま、現れないこと)が多数出てくる問題が発生。 さらに、ぐるなびや食べログをはじめとしたレストラン紹介サイトは、Rettyなどをはじめとした競合他社が増えてきており、広告としての価値や限界の見直しが迫られている状態です。

こうした様々な背景踏まえ、2013年あたりから 日本・世界で、レストランを事前に予約するというものが増えてきています。席だけを予約するものから、サイト独自のコースを紹介し、事前決済するものまであります。ここ数ヶ月間、筆者はレストラン予約サイト各社幹部と今後の動きについて議論していますが、こうした事前予約型は今後加速していくのは間違いありません。

ぐるなびが2017年1月から、中国大手Ctrip、弊社提携先の台湾ベンチャーのKKdayと連携し、レストラン情報を提供し、各社サイトでレストランチケットとして販売したり、ツアー・アクティビティと混ぜ合せ販売していますが、それが好調の様で、今後は拡大していく、というプレスリリースも出しています。因みに、食べログも、訪日ではなく日本人観光客向けですが、昨年、自治体の観光情報サイトと連携し、観光情報とレストラン情報&予約を促進する取組を開始しています。

こうした潮流を踏まえ、訪日に関連する注目のレストラン予約サイトを紹介していきます。

 注目のレストラン予約サイト6選紹介

※下記サイト紹介画像は、独自にスキャンしたものを活用しております。

Open Table(Priceline Group Inc)

まずは、1998年に設立した予約サイトであり、この業界では世界的に老舗かつ世界最大の予約サイトです。2014年にPriceline Groupが$2.6 billionで買収したのち、昨今の事前予約への流れもあり、海外中心に勢いを増しています。日本には2011年にサービス開始しています。訪日向けとしては、カジュアルなレストランから高級レストランまで広いジャンルを揃えているのが特徴です。また、訪日むけレストラン情報量としては、多い方です。画像のように細かい時間で予約時間を設定でき流のも特徴です。

Resy

2014年にNYで創業し、現在、Airbnbへコンテンツ提供している、この業界としては特に勢いあるレストラン予約アプリです。まだ日本展開はしておらず、欧米への展開優先のようですが、先述の通り資金調達を行ったので、サービス拠点の拡大に伴い、訪日市場も近いうちにくるのは間違いないと思われます。 このアプリの特徴は、地図から簡単に自分好みのレストランを探せることです。

Yelpなどもそうですが、”地図から探せる”というのは、世界的に、重要性が増しているように見えます。日本進出が楽しみですね。

ポケットコンシェルジュ

訪日向けのレストラン予約サイトを先行して行ってきたスタートアップのサイトです。ターゲットを高所得者としており、掲載レストラン・コースも高級レストランに特化しており、各レストランの紹介の思いやストーリーが詳細に説明されているので、高級な厳選レストランを探すのにとても便利です。

また、同社独自のコースを揃えているので、旬のオススメ楽しみを探せるのも特徴です。500 startupsやLineなどから資金調達を実施しており、拡張しているサービスです。

Table All

ポケットコンシェルジュ以上に高級レストラン厳選のレストラン予約サイトです。

各レストランの紹介ストーリーは、どのサイトよりも丁寧に書かれており、お店をじっくり楽しみたい方にはオススメのサイトです。因みに、平均席単価 15,000円です。

日本美食

中国人観光客向けのレストラン予約アプリ。幅広いジャンルのレストラン、幅広い価格のレストランを取り扱っており、中国人観光客向けには、まずオススメしたいアプリです。

三井住友銀行と日本総合研究所が運営する、全産業対象のアクセラレーションプログラムで優勝したサービスであり、かつ運営側も中国出身者が多く、中国ネットワークを強みにしており、今後は中国人観光客向けにより広くサービス展開したりと期待できるサービスです。

Savor Japan(株式会社 USEN)

女性向け情報サイト『ヒトサラ』を運営する株式会社USENが展開するレストラン予約サイト。他の訪日向けサイトと比べ、USENの事業であるため、サイト設立後の成長は早く、月間訪問者数も2017年7月〜2017年12月の間、多い時で75万アクセスとなっており、訪日向けではアクセス数が多いサイトです。

仕組みは、上記画像のように、事前にオーダー情報を詳細に記載した上で、仲介人が予約を取ってくれるというもの。ワンクリックではないので、少し手間を感じる人もいるかもしれないが、その分、仲介人が入ることで、通常なら予約しにくい言語対応不可なローカルレストランの予約もでき、事前に細かいオーダーもできるのが特徴。

TableCheck

最後のご紹介するTable Checkは、これまでご紹介した中で、最も多言語対応しているサイト(画像の参照)。その数15言語で、訪日観光客の出身国言語を9割以上をカバーしています。まだ、完璧な言語対応とまではなっていませんが、レストランサイト界の大きな課題である言語対応に率先して取組んだ、今後が楽しみなサイトです。

また、国内大手グルメサイトには掲載されていない人気店をはじめ、星付きレストランや大手外資系ホテル内の高級店まで、約700ものレストランを紹介しており、幅広いターゲット層が利用しやすい予約サイトとなっています。

まとめ

以上のように、レストラン予約はこの数年で事前予約型へ徐々にシフトしてきています。弊社は、上記レストラン予約サイトの多くと取引しており、今後について日々議論を交わしておりますが、訪日でのレストラン予約としての最大の課題は、言語対応です。

そして、先述の理由も踏まえ、特に訪日市場では、事前予約型がより加速していくと思われます。市場としてはニッチかもしれませんが、今後、広告型から事前予約型へ変化 する魅力市場であり、楽しみですね。

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この記事の筆者

Liigo Inc.

Liigo Inc.

Liigo Inc.のサービスディレクター。英国で生まれ育ち、大学院入学を期に来日した日系英国人。学生時代は環境分野を研究し、その後はIT、教育、エネルギー等多方面の分野に従事。現在Liigoでは事業計画からマーケティングを担当。世界の観光市場、アクティビティ(Things to do)市場の仕組み、最新の動向やLiigoの事業についてお伝えします。