観光庁も重視する訪日ブラジル人市場 その理由とは?「何故、今ブラジルなのか」がわかる2つのポイントを丁寧に解説

THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ- アーカイブ無料配信中
完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

訪日中国人観光客や訪日台湾人観光客などの中華圏は長年、日本のインバウンド市場において最大のターゲットとなっていました。しかし近年では、若年層が多い東南アジア市場や一人当たりのインバウンド消費額が大きい欧米豪圏市場も注目度が上昇しています。どの地域出身の訪日外国人観光客を狙うかは企業や自治体・観光協会ごとにまちまちであり、中には訪日シンガポール人観光客などニッチな市場を中心に狙うケースも出てきています。今後、新たにインバウンド市場において魅力的なターゲットになっていくのはどこの地域なのでしょうか。

インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない?

訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)

今後はブラジル人市場には大きな可能性?その理由とは?

今後、市場の成長が予測できる国として挙げられるのは ブラジル かもしれません。まずはこれまでの訪日ブラジル人市場を年別の観光客数を確認してみましょう。

訪日ブラジル人観光客数 前年比からの伸び率
2010年 21,393人 -
2011年 18,470人 -13.7%
2012年 32,111人 +73.9%
2013年 27,105人 -15.6%
2014年 32,310人 +19.2%
2015年 34,017人 +5.3%
2016年 36,888人 +8.4%

2011年から2013年にかけては増減を繰り返していましたが、訪日ブラジル人観光客は ここ3年間、順調に増加 し続けています。2016年の訪日ブラジル観光客は、約3.7万人 を記録しており、市場規模から言えば、観光庁が選定したヨーロッパの訪日主要国の1つである訪日ロシア人観光客(5.4万人)より若干少なく、スイスやベルギー、ポーランドなどと同規模の市場となっています。外務省のデータによると、ブラジルの人口は2015年時点で2億784万人なので、人口と比較すると訪日率はまだまだ低いようですが、最近になって訪日ブラジル人観光客市場は注目を集めています。

実は穴場インバウンド市場「訪日スイス人」:中国やイギリスよりも人口でみた訪日率高いスイスで起きている「プチ訪日ブーム」その理由とは?

インバウンド集客・誘致を行うにあたって、どの国籍の訪日外国人観光客をターゲットにしていくのか を決めることは、重要なことです。中国や韓国、台湾など、訪日旅行をする人が多く、旅行支出額も多い国が頻繁にターゲットになっていますが、少し視点を変えて他の国出身の外国人観光客を新たなターゲットにしてみても良いかもしれません。今回は、日本からの旅行者も比較的多く世界有数の観光立国として知られる スイス人観光客のインバウンド市場 の特徴をJNTO(日本政府観光局)資料をもとにご紹介します。インバウンド市...

訪日ブラジル人市場が注目を集めている近年

①観光庁はブラジルと提携 観光交流人口の増加が目的&JNTOでもポルトガル語版訪日旅行サイトを開設

2018年1月22日、東京・北青山に位置するブラジル連邦共和国大使館において、ブラジル観光省と日本の観光庁が、観光分野に関して提携を組むことを発表 しました。日本とブラジルの観光交流人口は2016年の段階で約12万人であり、この数字を増加させることが今回の提携の目的です。

提携の一環として、ブラジルでは日本人旅行者を対象に 電子ビザを解禁 しています。これによって日本人旅行者は、面倒なビザの手続きなしでブラジルに観光できるようになります。電子ビザを導入することで 25%のインバウンド増加が見込める とのデータもあり、ブラジルでは日本人旅行者の誘致に注力していきます。また、今後は訪日ブラジル人観光客を増加させるために観光分野に関する情報交換なども積極的に行っていくとのこと。

現時点では、訪日旅行をブラジル人にPRできていないことや、直行便がなく交通の便が悪いことなど諸問題は存在しますが、観光庁ではブラジル観光省と提携したり、JNTO(日本政府観光局)ではブラジル人向けにポルトガル語版のウェブサイトを開設するなど 政府系の機関でも訪日ブラジル人市場に目をつけ、インバウンド誘致を狙っています。

②国内には多くのブラジル労働者が!VFR層の誘致も期待できる?

国籍別・外国人労働者の割合(2017年10月現在)参照:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (平成29年10月末現在)

国籍別・外国人労働者の割合(2017年10月現在)参照:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (平成29年10月末現在)

日本国内には多くのブラジル人労働者が生活しています。 厚生労働省の資料によると、2017年10月時点で 約12万人 のブラジル人が日本で働いています。これは中国ベトナムフィリピンに次ぐ 4番目に多い数字 であり、地理的に日本と離れているにもかかわらず、日本で働いているブラジル人は多いことがわかります。

ここで注目するべきが VFR の存在です。以前の訪日ラボの記事でもご紹介したように VFRとは、「Visiting Friends and Relatives」の略で、「友人・親族訪問を目的とした旅行」を意味します。 日本のインバウンド市場において訪日旅行の目的が友人・親族訪問(VFR)である訪日外国人観光客の割合は、2017年7月~9月で 14% となっています。この数字はインバウンド観光大国ではもっと大きなものになっており、イギリスオーストラリアの場合、30% 近くまで上昇します。日本では外国人留学生・外国人労働者ともにここ5年連続で増加しているため、VFRは近年注目されている観光客層となっています。先述の通り、日本では多くのブラジル人が働いており、彼らを訪れるために訪日する友人や親族はインバウンド市場にとって魅力的なターゲットになってくるかも しれません。

まとめ:2018年は訪日ブラジル人市場にも注目!

今回は、新たに注目していくべき市場である訪日ブラジル人市場に関して解説してきました。2017年には前年比+8.4%にあたる3.7万人のブラジル人観光客が日本に訪れました。観光庁ではブラジル観光省と提携を始めたり、JNTO(日本政府観光局)では訪日ブラジル人を誘致するためにポルトガル語版の訪日旅行情報サイトを開設したりと公の観光機関からも訪日ブラジル人市場は注目されています。

また、日本には多くのブラジル人労働者が生活していることから、彼らの親族や友人への訪問(VFR)も日本のインバウンド市場にとって魅力的なターゲットとなってくるのでしょう。訪日ブラジル人市場には今後注視していくべきでしょう。

インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?

「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする

「インバウンドデータ」の資料を無料でダウンロードする

<参照>

【10/21開催】今こそ見直したい、EC・店舗のカスタマージャーニーの重要な3つのフェーズ 〜集客・購買・リピート施策をアップデート〜


顧客が商品を知り、購入し、継続的に選び続けてもらうまでの一連の体験(カスタマージャーニー)には、フェーズごとに異なる課題と有効なアプローチがあります。

本ウェビナーでは、「実店舗・ECへの集客」「シームレスな購買体験の提供」「ロイヤル顧客の育成」の3つの重要フェーズに着目。小売企業が今注力すべき施策と、その成果につなげるためのポイントをわかりやすく解説します。

マーケティング・販促・デジタル推進に携わる皆さまにとって、課題解決のヒントとすぐに実践できるアイデアが得られる内容です。ぜひご視聴ください!

<セミナーのポイント>

  • Googleサービスと在庫情報を連携させ、“実店舗・ECどちらにも送客できる最新手法”が学べる!
  • 実店舗とECの購買データを統合し、“チャネルをまたいだシームレスな購買体験”の設計方法がわかる!
  • 購入者を“ロイヤル顧客”へと育てるための、導線設計とコンテンツ施策が学べる!

詳しくはこちらをご覧ください

【10/21開催】今こそ見直したい、EC・店舗のカスタマージャーニーの重要な3つのフェーズ 〜集客・購買・リピート施策をアップデート〜

【10/24開催】インバウンド好調の流れはこのまま続くのか?今後の見通しと、今やるべきこと


かつてない好調ぶりを見せているインバウンド。2025年の訪日外国人客数は4,000万人超と予測されていますが、「今後もこの流れは続くのか」「今と同じ戦略でビジネスを伸ばせるのか」懸念を抱いている人は少なくないでしょう。

そこで本セミナーでは、これまでのデータからインバウンド市場の今後を予測し、いま取るべき行動や準備すべきことを解説します。

インバウンド事業に携わる皆さまにとって、ご自身のビジネスに役立つヒントが得られる内容です。ぜひご視聴ください!

<セミナーのポイント>

  • 最新のインバウンド動向と今後の見通しがわかる
  • 専門家3名による議論から、インバウンドの今後の動きに対してやるべきことがわかる
  • 短期的に役立つ施策の話から、中長期的に考えていかなければならない戦略の議論まで、幅広く聴くことができる

詳しくはこちらをご覧ください。

【10/24開催】インバウンド好調の流れはこのまま続くのか?今後の見通しと、今やるべきこと

訪日ラボ主催「THE INBOUND DAY 2025」アーカイブ配信中!

訪日ラボを運営する株式会社movが8月5日に開催した、日本最大級のインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」のアーカイブ動画が公開中です。

アーカイブ配信では、元大阪府知事の橋下 徹氏と大阪観光局理事長の溝畑 宏氏による基調講演のほか、脳科学者の茂木 健一郎氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏、アパグループ 社長兼CEOの元谷 一志氏などの貴重な講演の様子を一挙公開(一部を除く)。

参加できなかった方はもちろん、もう一度議論を見直したい方も、ぜひご覧ください。

視聴はこちら(無料)

【インバウンド情報まとめ 2025年10月前編】中国の大型連休「国慶節」8日に終了、2025年も日本人気が続く ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に10月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

中国の大型連休「国慶節」8日に終了、2025年も日本人気が続く ほか:インバウンド情報まとめ【2025年10月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに