なぜ今”欧米豪”なのかがよく分かる5つポイント:訪日旅行トレンドから読み解く欧米豪インバウンドの集客・誘致のポイントとは?

なぜ今”欧米豪”なのかがよく分かる5つポイント:訪日旅行トレンドから読み解く欧米豪インバウンドの集客・誘致のポイントとは?

ここ最近のインバウンド業界ではターゲットが細分化されてきています。以前であれば、訪日中国人観光客を中心として東アジア出身の訪日外国人観光客が最も大きなターゲットでしたが、最近ではLCC増便やビザの要件緩和の影響で客数の伸びが急激であり、ミレニアル世代が多いことで知られる東南アジアなどもインバウンド魅力的なターゲットとなっています。欧米豪圏も近年のインバウンド市場において注目度が増している市場 として知られていますが、欧米豪出身の訪日外国人観光客を集客・誘致する際にはどのようなことを頭に入れておけばいいのでしょうか。 5つの傾向をピックアップしてご紹介します。

インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?

欧米豪圏のインバウンドを集客・誘致するうえで知っておくべき5つのこととは?

①滞在期間がアジア圏に比べて長い傾向に

訪日旅行中の滞在期間(国籍ごと)

国名 3日間以内 4~6日間 7~13日間 14~20日間 21日以上1年未満
全国籍 13.0% 49.5% 27.9% 5.5% 4.0%
イギリス 3.8% 24.1% 41.1% 27.8% 3.2%
ドイツ 1.7% 25.2% 34.5% 26.9% 11.8%
フランス 2.9% 14.7% 42.6% 25.0% 14.7%
イタリア 2.7% 21.1% 52.4% 19.5% 4.3%
スペイン 1.1% 11.4% 46.6% 34.1% 6.8%
ロシア 3.8% 9.2% 55.7% 21.4% 9.9%
アメリカ 6.8% 25.4% 45.7% 15.0% 7.2%
カナダ 5.1% 16.6% 40.1% 30.6% 7.6%
オーストラリア 3.7% 18.2% 37.4% 31.6% 9.1%

観光庁がリリースした「訪日外国人消費動向調査 平成29年10-12月期 報告書 平均泊数 (国籍・地域別) 」によると、欧米豪圏の訪日外国人観光客は全国籍平均と比較して滞在日数が長い傾向にあります。 全国籍平均では「4~6日間」日本に滞在する外国人観光客がもっとも多いのに対して、欧米豪圏の外国人観光客の多くは「7~13日間」日本に滞在 しています。

滞在日数が長いことから、ゴールデンルート以外の地方部など日本国内の幅広い観光地の周遊が期待できそうですが、「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(平成29年版)」によると、欧米豪圏の訪日外国人観光客の間では、未だに地方の観光地に対する認知度が低いため、訪問意向がまだまだ低い傾向にあるとのこと。「滞在日数の長さ」という点は、今後、地方の観光協会や宿泊施設等が欧米豪圏の訪日外国人観光客を誘致するうえでキーポイントとなってきそう です。

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②旅マエの準備期間がすごく長い:3カ月以上前に訪日旅行を手配している

訪日旅行を手配した時期 (国籍・地域別、全目的)

国名 1週間以内 1~2週間前 3~4週間前 1~2か月前 3か月以上前
全国籍 9.5% 13.0% 10.7% 42.4% 24.3%
イギリス 2.6% 11.0% 13.6% 26.6% 46.1%
ドイツ 8.5% 10.2% 11.0% 22.9% 47.5%
フランス 3.0% 6.7% 14.8% 39.3% 36.3%
イタリア 5.4% 12.4% 6.5% 23.8% 51.9%
スペイン 2.3% 10.2% 6.8% 30.7% 50.0%
ロシア 11.5% 12.3% 11.5% 33.1% 31.5%
アメリカ 7.8% 8.8% 13.7% 33.1% 36.6%
カナダ 4.5% 9.6% 10.2% 36.9% 38.9%
オーストラリア 4.9% 3.3% 6.6% 29.0% 56.3%

観光庁がリリースした「訪日外国人消費動向調査 平成29年10-12月期 報告書 性別 (国籍・地域別、全目的)」によると、欧米豪圏の訪日外国人観光客は、訪日旅行の3カ月以上前に、航空券や宿を旅行を手配する人が多い傾向にあります 。全国籍平均では、3カ月以上前に訪日旅行の手配をする人の割合は、24.3%と少ない結果になっています。特にアジア圏出身の訪日外国人観光客は地理的に近いこともあり、訪日旅行を手配する時期が出発時期に近くなる傾向にあります。

一方、欧米豪圏の訪日外国人観光客の場合、3カ月以上前に訪日旅行の手配をする人の割合は、総じて平均よりも大きくなっています。特に訪日イタリア人観光客訪日スペイン人観光客のうち50%以上が訪日旅行の3カ月以上前に宿や航空券などの手配 をしています。欧米豪圏の訪日外国人観光客を集客する際には、それぞれの国において海外旅行のハイシーズンとなる数カ月前から情報配信・PRを行うべき でしょう。

また、欧米豪圏の訪日外国人観光客は旅行出発時期までの時間が長いことから、訪日旅行に関する情報をよりめっみつに調べる傾向にありそうです。インフルエンサーの活用、ウェブ上の記事・動画を通じたPR、雑誌、新聞などさまざまなメディアを活用した情報配信が求められます。

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世界中で海外旅行市場が盛り上がっている近年。以前の記事でもご紹介したように、UNWTO(国連世界観光機関)の資料によると、2016年に海外旅行をした人の数は対前年比+6%にあたる13億5,000万人を記録し、外国人観光客の旅行消費の伸びも好調です。このような状況にある海外旅行市場。加えて、昨今の好調な海外旅行市場を支えているのは、最多の海外旅行者数を誇る中国に加え、ヨーロッパ圏の国々であるとの見方ができます。[blogcardurl=https://honichi.com/news...

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③訪日旅行時にお金をたくさん使う:2017年の旅行消費額トップ5のうち4つが欧米豪圏という結果に

観光庁:「平成29年年間値(速報)及び平成29年10-12月期の調査結果(速報)国籍・地域別の訪日外国人旅行者1人当たり旅行支出と旅行消費額」より

観光庁:「平成29年年間値(速報)及び 平成29年10-12月期の調査結果(速報)国籍・地域別の訪日外国人旅行者1人当たり旅行支出と旅行消費額」より

観光庁がリリースした「平成29年 年間値(速報)及び 平成29年10-12月期の調査結果(速報)国籍・地域別の訪日外国人旅行者1人当たり旅行支出と旅行消費額」によると、欧米豪圏の訪日外国人観光客は一人当たりの旅行支出額が大きい傾向に あります。

2017年の全国籍の訪日外国人観光客は平均で153,921円使いました。一方、欧米豪圏のすべての国ではこの平均額を上回る旅行支出額を記録 しています。もっとも旅行支出額が大きかったのは、中国(約23万円)でしたが、イギリスフランススペインオーストラリアでも旅行支出額は20万円を超えています。訪日旅行中の旅行支出額を上から5つ並べると、欧米豪圏が4つを占める形になっており、 いかに欧米豪圏出身の訪日外国人観光客がお金を落としているのかが確認できるでしょう。集客・誘致に成功すれば、経済的効果は大きいでしょう。

④中でも宿泊と娯楽にお金をたくさん使う:一方で買い物代は軒並み全国籍平均以下

観光庁:「平成29年年間値(速報)及び平成29年10-12月期の調査結果(速報)国籍・地域別の訪日外国人旅行者1人当たり旅行支出と旅行消費額」より

観光庁:「平成29年年間値(速報)及び 平成29年10-12月期の調査結果(速報)国籍・地域別の訪日外国人旅行者1人当たり旅行支出と旅行消費額」より

観光庁がリリースした「平成29年 年間値(速報)及び平成29年10-12月期の調査結果(速報)国籍・地域別の訪日外国人旅行者1人当たり旅行支出と旅行消費額」によると、2017年の欧米豪圏出身の訪日外国人観光客は、宿泊費と娯楽・サービス費に多くお金を使っている ようです。

宿泊費に関しては 全国籍平均を大幅に上回る 結果に。特にイギリスでは一回の訪日旅行で10万円近く宿泊料金に使っています。 ホテルや旅館などの宿泊施設にとって滞在環境を重視する傾向にある欧米豪圏の訪日外国人観光客は魅力的なターゲットとなってくるでしょう。

娯楽・サービス費に関しては、ドイツを除きすべての国で全国籍平均を上回っています。 特にオーストラリアでは 全国籍平均の約3倍 を娯楽費に使っています。オーストラリア人の間では、スキーなどスポーツアクティビティが人気となっており、ウィンタースポーツで有名な北海道ニセコでは多くの訪日オーストラリア人観光客の誘致に成功しています。

一方、ショッピングに関してはアジア圏出身の訪日外国人観光客と比較するとそこまでお金を落としていない 模様。観光庁の資料から消費税免税率の実施率を確認してみると、アジア圏では軒並み30%以上が訪日旅行中に免税手続きを行っていますが、欧米豪の場合は18%前後となっており、ドイツにおいては8.4%、アメリカにおいては11.5%と特に低い結果に。ただ、伝統工芸品などに関しては購入率が高い傾向に あるので、「日本らしさ」を重視した商品には比較的大きなニーズが存在している といえるでしょう。

インバウンド誘致に出遅れる旅館 いますぐやるべき6つのインバウンド対策とは?

訪日外国人が日本宿泊の際に選ぶ宿泊施設にはホテル、旅館、Airbnbなど民泊がありますが、こうした宿泊施設の中で一般的に良く選ばれるのがホテル、そして近年急激に伸びているのが民泊です。一方、実は昔ながらの旅館はインバウンドの取り込みに苦戦が続いています。訪日外国人の宿泊先として旅館が選ばれにくい理由はいくつかありますが、インバウンドを見据えてすぐに改善出来る点、ビジネスモデルに関係するためすぐには変えられないが、インバウンドを見据えると改善が必要な点があります。詳しく見ていきましょう。...

「インバウンド×雪」を徹底調査 アジア圏と欧米豪で雪に感じる魅力が違うことが判明:ジャパンガイドのデータでみる雪の観光地トレンドとは

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⑤「日本文化の歴史・伝統文化体験」に対するニーズが強い:体験型観光や宿坊など

訪日前に期待していたこととして「日本文化の歴史・伝統文化体験」を回答した人の割合

順位 国名 回答率
1位 フランス 46.3%
2位 アメリカ 43.7%
3位 カナダ 43.0%
4位 オーストラリア 41.3%
5位 ロシア 39.8%
6位 イギリス 37.8%
7位 ベトナム 33.4%
8位 ドイツ 31.6%

国土交通省による「観光白書」では、訪日外国人観光客が「訪日前に楽しみにしていたこと」を紹介しています。アジア圏の訪日外国人観光客の場合、「ショッピング」を楽しみにしている人が多い傾向にありますが、欧米豪圏の訪日外国人観光客の場合、「日本文化の歴史・伝統文化体験」を楽しみにしている ようです。こうした背景から、インバウンド業界では欧米豪圏の訪日外国人観光客を誘致するために 「体験型アクティビティ」を取り込んだインバウンド対策を実施 しています。

例えば、仙台市ではインバウンド向け観光案内所にて訪日外国人観光客向けに 体験型観光プログラムを提供 しています。着付けをしたり郷土料理を食べたり、神社仏閣を訪問するパッケージツアーを販売しており、欧米豪圏の訪日外国人観光客に大きな人気を集めています。

また、近年注目を集めている 「宿坊」 も欧米豪圏の訪日外国人観光客のニーズを汲み取ったものでしょう。お寺に宿泊し、修行を体験できるというユニークな取り組みは、日本の文化・歴史に関心が高い欧米豪圏の訪日外国人観光客に好評です。

[地方誘致]仙台市が欧米豪の誘致に成功した たった1つの理由とは?欧米豪インバウンド 狙うなら「体験型観光」に着目するべき!

インバウンド市場において企業や自治体のターゲットは多様化してきています。以前であればアジア圏出身の訪日外国人観光客がもっとも大きなターゲットでしたが、近年では 欧米豪圏・東南アジア圏出身の訪日外国人観光客を狙う企業や自治体も増加 しています。こうした層の訪日外国人観光客を誘致する方法は多岐にわたりますが、宮城県仙台市では 「体験型観光」 をアピールすることで欧米豪圏の訪日外国人観光客の誘致に成功しているようです。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプ...

お寺に宿泊できる「宿坊」コト消費進むインバウンドで人気。地方創生・地方誘致との相性良く国内でも注目

史上最高となる2,400万人の訪日外国人観光客が訪れた2016年の日本のインバウンド市場。2017年も引き続き訪日外国人観光客数は順調に推移しており、各企業・自治体はインバウンド誘致策を進めています。近年の日本のインバウンド業界では、日本国内で使われなくなった、もしくは稼働率が低い建物をインバウンド向けに改築・活用しようという動きが出てきています。以前、訪日ラボでも扱った「古民家の活用」が、その好例でしょう。[blogcardurl=https://honichi.com...

まとめ:欧米豪のインバウンド 狙うなら上記の特徴を参考に

今回は、欧米豪圏のインバウンド市場において知っておくべきことを5つピックアップしてご紹介してきました。欧米豪圏の訪日外国人観光客数はここ数年順調に増加しており、今後もインバウンド誘致を検討する観光協会や宿泊施設にとってみ魅力的なターゲットになってくるでしょう。欧米豪圏の訪日外国人観光客を狙うのであれば、上記の特徴のを参考にしてはいかがでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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